「みそ」と「しょうゆ」で簡単江戸料理
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和ごはん×調味料
味を整え、おいしさをアップさせる調味料。「和ごはん」の名バイプレーヤーである調味料について、みなさんはどれだけご存じでしょうか? 基本的な使い方から個性豊かなご当地ものまで、ほんの少し加えるだけで料理をアップグレードしてくれる調味料の奥深さを徹底追及!
調味料4「みそ」と「しょうゆ」で簡単江戸料理
和食の歴史には欠かせない様々な調味料。「みそ」と「しょうゆ」についてのお話と簡単レシピを江戸料理・文化研究家の車 浮代さんに伺いました。
みそは1300年以上にわたり、日本人の食生活の中で育まれ、発展してきました。
平安時代にはご飯の上にのせたり、酒の肴として食したり、魚をみそ漬けにする保存方法が生まれました。室町時代には、現代のみそ料理の基本がつくられたといいます。みそが調味料として活躍し始めたのは江戸時代。当時から健康食品として認知されていたようです。健康指南書には「みその成分は体にやさしく、胃腸の働きを補う・血行を良くしてさまざまな毒を外に出す・血の巡りをよくする・髪を黒くして肌を潤す……」と記されています。江戸時代からデトックス効果を認められていたのには驚きですね。
しょうゆが日本の文献に登場するのは室町時代。江戸にしょうゆが供給され始めたのは江戸時代に入ってからです。しょうゆの発祥地、和歌山のしょうゆ職人が、野田や銚子で江戸の人々の嗜好に合わせたしょうゆ作りを始め、庶民に広まったとか。
江戸庶民好みの辛い濃い口しょうゆの普及で、江戸の味「蕎麦つゆ」「鰻の蒲焼きのたれ」「握り寿司のつけしょうゆ」「佃煮」などの味をつくり出し、また、料理の味付けや調味材料に使われ、広く江戸庶民に定着しました。
「みそとしょうゆ」で調味した、江戸時代の豆腐料理
江戸時代、1782年に刊行された豆腐のレシピ本『豆腐百珍』は爆発的な人気を呼びました。掲載されている料理は、調味料にみそやしょうゆを使い、シンプルな味付けが多かったようです。
ここでは、晩ごはんや酒の肴に作ってみたくなる江戸時代の豆腐料理を再現しました。
『豆腐百珍』(とうふひゃくちん)/天明2年(1782年)5月に出版された豆腐料理レシピ本。100種の豆腐料理の調理方法を解説し、ベストセラーに。『豆腐百珍続編』『豆腐百珍余録』続けて発行されている。
芝蘭(しらん)豆腐
『豆腐百珍続編』の七十五番で紹介されている料理です。練り白ごまと白みそと長ねぎで作ったたれは、色々な料理に活用できる万能だれです。料理名の芝蘭とは、霊芝(れいし)というきのこと蘭の花のことで、香りの良いもの=優れたものの例えです。

調理時間約15分
材料2人分
木綿豆腐 | ・・・ | 1丁 |
---|---|---|
練り白ごま | ・・・ | 大さじ1 |
白みそ | ・・・ | 大さじ1 |
酒 | ・・・ | 大さじ2 |
長ねぎのみじん切り | ・・・ | 1/2本 |
大根おろし | ・・・ | 50グラム |
赤唐辛子小口切り | ・・・ | 少々 |
作り方
- 練り白ごまと白みそを混ぜ、ねぎを加え、酒でのばす。
- (1)を小鍋に入れて弱火で煮る。
- 木綿豆腐は熱湯でゆでて温める。
- (2)を器に入れて温めた豆腐を置き、軽く水切りした大根おろしをのせ、唐辛子を飾る。
苗蝦菽乳(えびとうふ)
『豆腐百珍』に掲載されている豆腐料理。えび入り炒り豆腐です。えびのミンチを、よくすった豆腐に混ぜて炒めます。リッチで上品な味の一品です。

調理時間約25分
材料2人分
木綿豆腐 | ・・・ | 1/2丁 |
---|---|---|
えび | ・・・ | 5尾 |
長ねぎ | ・・・ | 適量 |
大根おろし | ・・・ | 大さじ1 |
塩 | ・・・ | 少々 |
しょうゆ | ・・・ | 小さじ1 |
ごま油 | ・・・ | 大さじ1 |
作り方
- 木綿豆腐はしっかり水切りし、すり鉢でなめらかになるまでする。
- えびは頭、殻、尾を取り、細かく刻む。長ねぎは小口切りにし、大根おろしは水けを絞っておく。
- フライパンにごま油を熱し、木綿豆腐を入れて炒める。水けがなくなってきたらえび、大根おろし、長ねぎを加えて炒め、塩としょうゆで味を整える。
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