バイの煮付け(ばいのにつけ)|にっぽん伝統食図鑑

バイの煮付け(ばいのにつけ)

富山県バイの煮付け(ばいのにつけ)
分類(大)
水産
分類(小)
その他水産加工品
主な使用食材
バイ貝
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画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
県内全域
食品概要(特徴・種類)
バイ貝は、富山湾の深海に生息している巻貝の一種で、富山県では普段から食べられているなじみの深い食材。射水、滑川、魚津、黒部、朝日でかご縄漁により漁獲されている。富山湾で水揚げされるのは、殻の頭頂部が黒いことから「ケツグロ」などと呼ばれる殻の小さいツバイや、殻が大きく、しっかりとした歯応えがあり、噛めば噛むほど旨味が増すオオエッチュウバイの他、チヂミエゾバラ、カガバイの4種。その中でも、バイの煮付けには収穫量が多いツバイが最適で、「つんこい(小さい)バイ」という方言の呼び名からその名がついたといわれている。1年中水揚げが行われているが、特に冬の時期に美味しさが増すといわれている。
めでたいことが2倍になるという語呂合わせから、縁起物としてお祝いの席や祭事に、様々な料理として登場することが多い。中でもバイの煮付けは殻ごと炊き上げるためバイ貝の旨味を存分に味わうことができる。
歴史・文化、関連行事
富山のバイ貝は、富山湾の水深400~1,500メートルの海域に生息し、餌を仕込んだかごを沈めて捕獲するかご縄漁で漁獲されている。富山県では、1740年代からバイ貝の漁獲が行われていたという資料や、漁獲したバイ貝を藩主へ献上した記録も残されている。そのことからも古くから富山の食文化に根付いた食材であったことが分かる。
製造方法
バイ貝は水に晒しながらきれいに掃除する。その後、合わせ出汁とバイ貝を鍋に入れ、アクを取りながら煮る。殻が割れたり、煮過ぎて身が硬くなったりしないように気を付ける。
保護・継承の取り組み
バイ貝の煮付けはスーパーなどで惣菜として販売されており、家庭でも手軽に食べることができる。また、県内の飲食店では一品料理や酒のつまみとして提供されることが多い。 ただ、近年では大きな個体が減少しており、持続的な漁獲と資源を保護するため、網目の大きいかごを使用したり、船上選別により殻高35ミリ未満の小型サイズの貝は再放流するなど、自主的な資源管理に取り組んでいる。
主な食べ方
食事のおかずや酒のつまみとして食することが多く、貝の蓋を取り、楊枝などを使って捻りながら身を取り出して食べる。頭頂部の肝には苦味と旨味が凝縮されており、好んで食する人も少なくない。
バイ貝は旨味が強く、煮付けの他にも、刺身や壺焼き、酒蒸し、炊き込みご飯としても楽しむことができる。