みょうが寿し(みょうがずし)|にっぽん伝統食図鑑

みょうが寿し(みょうがずし)

富山県みょうが寿し(みょうがずし)
分類(大)
農産
分類(小)
穀類
主な使用食材
米、みょうが、マス
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主な伝承地域
富山市
食品概要(特徴・種類)
酢飯とみょうが、マスの身を混ぜて作る。ちらし寿司のように食べる他、笹の葉で包んだ押し寿しもある。みょうがの旬の時期以外は、酢漬けや味噌漬けを使って作られる。笹の葉の代わりにみょうがの葉を使うこともある。みょうがの風味を活かしたさっぱりとした味わいは、お土産としても人気。
歴史・文化、関連行事
富山市の南東部(旧大山町)、小佐波地区で採れる小佐波みょうがは富山県の伝統野菜。この地域には古くからみょうがが自生しており、かつては各家庭で味噌汁や薬味など様々な料理に使われてきた。その特徴は、ピンク色の鮮やかな色合いと香りのよさ、シャキシャキとした食感である。1966(昭和41)年には、小佐波地区で「小佐波地区ミョウガ生産組合」が結成され、出荷を開始している。
みょうが寿しは、ハレの日のごちそうとして家庭で作られてきた物で、100年以上の長い歴史をもつ。もともとは酢飯に、みょうがとマスの身を混ぜたちらし寿しのようなもので、茶わんによそって食べられていた。みょうがの生産量が減り、一時は作る家庭も減少したが、笹の葉で包んだ押し寿しタイプの登場によってハレの日以外にも食べられるようになった。
製造方法
みょうがはよく洗い、細切りにして塩でもんで酢に漬けておく。マスは2時間ほど酢を効かせた調味液に漬けてから身をほぐす。昆布出汁を入れて硬めに炊いたご飯に酢を加えて酢飯を作り、みょうが、マスを混ぜて笹の葉の上に盛り付ける。笹の葉で包んで押し寿しにする方法もある。その際は、みょうがとマスの切り身を上に乗せると見栄えがよい。千切りの青じそを加えたり、塩漬けのサケをマスの代わりに使ったりすることもある。
保護・継承の取り組み
片手で食べられて手軽なみょうが寿しは、道の駅などでも販売され、県内のみならず県外にも知られるようになった。大山地域の農村女性グループによって設立された団体は、昔ながらの味を伝承することに努め、小佐波みょうがなど厳選した食材を使って製造している。
富山県の公式YouTube「富山県公式チャンネル」ではみょうが寿しの歴史的背景やレシピを紹介。中学生の就業体験や地元の農業祭などで、みょうが寿しを作る体験会も行われている。
主な食べ方
小佐波地区では、親鸞聖人の命日の法要である報恩講や、祭りなどハレの日のおもてなし料理として作られる。みょうがの採れる時期(8~10月)に、じっくりと漬け込んだ酢漬けのみょうがを使う。