細工かまぼこ(さいくかまぼこ)|にっぽん伝統食図鑑

細工かまぼこ(さいくかまぼこ)

富山県細工かまぼこ(さいくかまぼこ)
分類(大)
水産
分類(小)
練り物
主な使用食材
魚のすり身
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主な伝承地域
県全域
食品概要(特徴・種類)
富山県には、お祝い膳に供される細工かまぼこを持ち帰り、親戚や知人、隣人にお裾分け(お福分け)するという風習がある。代表的な絵柄は鯛や鶴亀、富士山、松竹梅など縁起物をデザインしたものである。その大きさや華やかさは他県にはない特徴で、大きいものでは数キログラムもある。近年は小型化が進み、用途に合わせてオリジナルの絵柄でオーダーメイドできるなど多様化も進んでいる。
歴史・文化、関連行事
富山には、昔から婚礼を祝う華やかな膳料理を分け、その福をご近所へお裾分けするという独特の風習があった。しかし、縁起物の鯛が天候不順などで不足したため、細工したかまぼこで代用したことが始まりと言われている。細工かまぼこは切り分けることができ、かつ日持ちがするため、持ち帰りを前提に引出物として広まっていった。その後、出産、七五三、成人式などの人生の節目や、様々な祝い事でも使われるようになり多様化が進んだ。現在は、季節や歳時記に合わせミニサイズの細工かまぼこが製造されるなど、観光のお土産としても人気がある。
製造方法
細工かまぼこは、細工職人が一つひとつ丁寧に手作りしている。色づけした柔らかいすり身を使い、絞り出しという技法と、付け包丁ですり身を変幻自在に操りながら模様を描く技法を組み合わせて作られている。その他にも刷り出し、切り出し、一つものといった高度な細工技術があり、職人の手で精巧に作られた細工かまぼこは、まさに食べられるアートと評される。一人前の細工職人として芸を極めるには、最低でも10年はかかると言われており、次世代の育成にも力を入れている。
保護・継承の取り組み
富山かまぼこ組合では、富山県の名産品である細工かまぼこを知ってもらうために、県内外でイベントやワークショップを積極的に開催している。また、県内には老舗店による細工かまぼこの絵付け体験会や、細工職人の実演の様子を見学できるかまぼこミュージアムが複数ある。
主な食べ方
鑑賞後は、適当な大きさにカットして、わさび醤油をつけて食べる他、一般のかまぼこと同様に食すことができる。