シロエビのかき揚げ(しろえびのかきあげ)|にっぽん伝統食図鑑

シロエビのかき揚げ(しろえびのかきあげ)

富山県シロエビのかき揚げ(しろえびのかきあげ)
分類(大)
水産
分類(小)
その他水産加工品
主な使用食材
シロエビ
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主な伝承地域
富山市、射水市など
食品概要(特徴・種類)
富山湾で取れるシロエビを、薄く切った玉ねぎや人参と一緒に揚げた物。飲食店で提供される他、家庭料理としても親しまれており、スーパーでお惣菜や冷凍食品としても販売されている。ごはんやうどんと共に味わうのが一般的だが、近年は「白えびバーガー」も人気がある。
歴史・文化、関連行事
シロエビの正式名称は「シラエビ」。その美しい姿から「富山湾の宝石」と呼ばれることもある。また、明治時代中期には煮干しにして赤い色素をつけ、「ベッコウエビ」として売り出されたこともあった。オキエビ科に属する6cmほどのエビで、日本近海の他、インド洋、地中海、大西洋にも生息しているが、漁業として成り立つほど漁獲されているのは富山湾だけである。神通川、庄川、常願寺川の河口などにある海底の谷、「藍瓶(あいがめ)」と呼ばれる水深約300mの場所に生息しており、主な水揚げ漁港は新湊漁港、岩瀬漁港の2港。
シロエビの漁期は資源管理のため4~11月とされており、旬は5~9月。200~300mの底引き網を使った「かけ回し漁法」という小型底引き網漁法で漁獲されている。生きている状態では透明感のあるピンク色をしており、火を通すと白くなる。古くからの加工品として殻ごと干した素干しがあり、素麺などの出汁をとるために使われていた。殻をむく装置の開発や冷凍技術の向上などで出回る新鮮なむき身は、その美味しさが注目されるようになった。現在は刺身や昆布〆、寿司、酢の物などに使われている。
製造方法
シロエビのひげや尾を取り、水分を切る。玉ねぎは薄切り、人参は千切りにする。水に卵を溶いて天ぷら粉を加え、シロエビと玉ねぎ、人参を入れて混ぜる。この時塩も少々加えるとシロエビの甘みが増す。木じゃくしなどですくって、熱した油で揚げる。油は高温にせず一定の温度に保ち、衣も薄めにしてじっくり揚げるとよい。シロエビの殻ごと揚げるので、より香ばしく仕上がる。
保護・継承の取り組み
シロエビは、平成8年にブリ、ホタルイカと共に「富山県のさかな」に選定されている。地元漁師が選ぶ本当に美味しい魚「プライドフィッシュ」の1つでもある。また、富山県漁業協同組合連合会、とやま市漁業協同組合、新湊漁業協同組合により「富山湾の宝石」として商標登録されている。
主な食べ方
シロエビは、以前は地元でも生鮮の状態での消費はかなわず、素干しや煮干しにされて素麺の出汁などに使われていた。しかし、殻をむく装置の開発や冷凍技術の向上などから生の状態で出回るようになると、とろけるような食感と上品な甘さが認められ、食材として珍重されるようになった。その美味しさを活かして和食以外にもフレンチやイタリアンの高級食材としても使用されている。
サクサクに揚げたシロエビのかき揚げは、おかずやおつまみ、ごはんにのせて丼にしたり、うどんの具材にしたりするのが一般的だが、近年はパンで挟んだB級グルメ「白えびバーガー」も誕生し、気軽に楽しめるメニューとして人気を集めている。