富山干柿・あんぽ柿(とやまほしがき・あんぽがき)|にっぽん伝統食図鑑

富山干柿・あんぽ柿(とやまほしがき・あんぽがき)

富山県富山干柿・あんぽ柿(とやまほしがき・あんぽがき)
分類(大)
農産
分類(小)
その他農産加工品
主な使用食材
三社柿
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画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
県西部・南砺市
食品概要(特徴・種類)
富山干柿は、約300年以上前から栽培されている産地固有品種、釣鐘型の三社柿(さんじゃがき)を原料に作られた干柿である。三社柿は炭疽病に極めて弱いが、生産地域は赤土の土壌だったため、むしろ栽培に適していた。また、三社柿は縦に伸びる性質が強いことも、多雪地域で栽培が続けられた要因とされている。富山干柿の特徴は、飴色でずっしりとした外観と、強い甘み、歯ごたえのある食感である。
あんぽ柿も三社柿を原料としたジューシーな干柿で、実が柔らかく中身は半熟のゼリー状である。どちらも富山県の特産品として親しまれており、国内だけでなく海外でも贈答用として高い評価を受けている。
歴史・文化、関連行事
江戸時代、加賀三代藩主の前田利常が鷹狩りに来られた際に、一人の老爺が手製の干柿を差しあげたところ大変賞賛された。それ以来、前田家が殖産施策の一環として干柿作りを奨励したことで、製造が盛んになったと伝えられている。
製造方法
皮をむき、前処理として防カビ、酸化防止のために硫黄燻蒸を行った後、「柿ハサ」で天日干しまたは機械で初期乾燥させる。この乾燥作業を複数回繰り返しながら柿渋を抜き、乾燥割合が45%以下になるまで続けていく。その後、手もみ作業を行い柿全体の硬さと水分が均等になるよう形状を整える。そして、乾燥割合がおおよそ30%以下になるまで、練炭で複数回に分けて乾燥させ仕上げる。あんぽ柿は、製造過程で手もみ作業を行わず、水分が生の実の35%程度になるまで短期間で一気に乾燥させて作られる。
保護・継承の取り組み
2020年に農林水産省の定める地理的表示(GI)保護制度に登録された。
南砺市では、2022年から伝統的な干柿作りの継承と、昔ながらの里山風景を守ることを目的に、天日干しの吊し台、「柿ハサ」の再現プロジェクトをスタートさせた。ふるさと納税制度の仕組みを活用し資金の一部を調達。話題を呼んでいる。
主な食べ方
おやつとしてそのまま食べるのはもちろん、適当な大きさに切ってサラダやなますに加えると、美しい色合いと上品な甘さが楽しめる。また、ドライフルーツとしてパウンドケーキに入れたり、アイスやヨーグルトに添えたりと洋菓子のアレンジにも使われる他、ワインにも合うと言われている。