1,200haもの農地を開拓した椎名道三
貧しい農民を救済
富山県滑川市生まれ
1790年(寛政2年)~1857年(安政5年)
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今から160年ほど前(江戸時代の後半)、毎年のように洪水被害に遭い田畑は荒れ、お米や作物がとれなくなる大飢饉が起きていました。この頃、藩の財政困難から年貢も厳しかったため、貧しい農民がさらに貧しくなっていくという状況でした。
こうしたなか、農民の強い願いに応えて立ち上がったのが椎名道三です。
道三は、厳しい山村で育ったため「農地さえあれば」と、土木・測量の技術習得に励み、14歳のとき、少しの面積であったものの、村の谷川を流れる水を集めて開田し、世間で評判になったといわれています。
その力量が評価され、室山野用水や十二貫野用水など、山あり谷あり崖もある中の用水工事を多く手がけました。その中で様々な知恵・技術が使われていますが、特に注目したいのは、谷を越えるために「サイフォンの原理」を用いている点です。当時、鉄製やコンクリート製の管が無いため、石管を用いて用水の谷越えを実現しました。
また、現在の富山県内各地だけでなく、石川県内でも農地開拓や用水工事に取り組みました。そして、用水ができるごとに人々に住まわせ、工事を手伝わせながら新しい農地を開かせていくという方法で、用水づくりと開拓を同時に進めていったのです。
道三が生涯に開田した面積は、1,200ヘクタールにも達するといわれており、多くの農民の貧困を救ってきました。
参考情報
施設紹介:土地改良施設紹介・十二貫野用水/富山県[外部リンク]
担当
富山県 農林水産部 農村整備課 計画係
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