多面的機能支払制度を活用し地域全体を活性化
鴨部東(かべひがし)活動組織 岡野 勲氏(香川県さぬき市) 取材年月:平成29年3月
【鴨部東活動組織】 香川県東部のさぬき市に位置する鴨部東地区は、西部を流れる鴨部川の右岸に拓けた農村地域です。鴨部東活動組織は平成19年の制度創設時から「農地・水・環境保全向上対策」に取組み(協定面積77.04ha)、地域農業の発展と環境保全に寄与しています。 |
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1.ため池の管理 岡野さんは、「鴨部東地区では、香川用水の導水により安定して農業用水が確保できるようになってから、池干しに対する関心が薄くなり数十年も池干しを行っておらず、ため池に外来魚が増加していることやヘドロが溜まっていることを誰も知りませんでした。」と当時を振り返ります。 多面的機能支払制度の創設にあわせて、初めて池干しを行った際は、大きなフナやコイ以外は全部ブラックバスやブルーギルで、小魚は全くいなかったそうです。現在では、活動の成果もあり外来魚がいなくなったことで、本来の自然が戻ってきたと感じるそうです。 ![]() |
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池干しの様子 | |
2.水利施設の維持管理 平成28年度に最も苦労した作業は、水漏れを起こした送水管の修復作業だったそうです。 送水管の埋設深は2m以上で、漏水を止めることにも時間がかかり、管径300mmの管の切断に苦労したこともあって、朝8時から始めた修復作業が終わったのは22時過ぎだったそうです。 ![]() |
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夜遅くまで続いた修復作業 | |
3.地域住民を取込んだ様々な活動 毎年10月下旬に開催しているコスモス祭りでは、開催の1週間前から地域をあげて一斉草刈りを行うなど、来場者に気持ちよく見てもらえるような心がけをしているとのことです。 また、地域の小学校の児童とともに「ふるさと生き物調査」や、地域の「ゴミ拾い」などを定期的に行い、地域の環境保全に寄与しています。現在では地域住民の意識も高くなってきており、ゴミも少なくなっているそうで、隣接する地区に徐々に影響を与えているようです。 ![]() |
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コスモス祭り |
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4.最後に 今後、農地が集積されていくにつれて、大規模農家はほ場の草刈りや水管理だけでも大変なために、ため池やポンプ施設の管理までは手が回らないなど、施設の管理が大きな課題として残る、と懸念を抱いているとのことです。 そのため、地域のみんなでため池や水利施設などの財産を守っていけなければならないと、岡野氏は力強く語ってくれました。 ![]() |
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鴨部東地区全景 |
添付資料
☆インタビュー記事です!☆多面的機能支払制度を活用し地域全体を活性化(PDF : 494KB)
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