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農林水産省

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特集1 新しい可能性もいっぱい やっぱり、お米が好き!(3)

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新しい可能性として技術を開発して米の需要を拡大



「米ゲル」に「コメネピュレ」など、新技術が続々と!
新しい米の需要に応えるため、米からピューレを製造する「コメネピュレ」技術、米を粒のまま高速で攪拌してプルプル食感を生む「米ゲル」技術、粘りが強すぎず、酢によくなじむ寿司米品種「笑みの絆」の開発、もっちりした食感を生み出す米粉パン用品種「ゆめふわり」の開発など、様々な新技術や品種開発が進んでいます。

とくに、「米ゲル」技術については、小麦粉・ゼラチンなどの代替えとして利用できることに加え、低コストで製造可能で、低カロリーである点に注目されています。

「これまでは、米を使ってパンや麺、菓子などの食品を作る場合、いったん米を製粉しなければならなかったんです。その点、『米ゲル』は米粉に加工しなくても、さまざまな食品へ応用が可能。比較的簡単な装置で加工できるので、コストも安くすみます」と語るのは、農研機構食品総合研究所の杉山純一さん。

新しい食品素材として研究が進められている米ゲル。原料は、 「モミロマン」など、アミロースが25%前後の高アミロース米です。通常は炊いても冷めると固くなってしまうため、米粉以外は食品への利用が困難でした。それが、実験を進めるうちに、炊飯米をフードプロセッサーにかけてパン生地に練り込もうとしたら、グミのような塊になり……。

当初は失敗したと思った杉山さんでしたが、さらに研究を重ね、水量と温度を調節しながら高速で攪拌する「ダイレクトゲル転換」で、米ゲルを作ることに成功。軟らかいゼリータイプから、ゴムまりのような高弾性のものまで、プルプル度や粘着性を自在に調節できるようになったのです。

「餅状のものはもちろん、パンやパイ生地、ドロッとしたクリームまで作れます」と杉山さん。

小麦で作るパンやパイ生地と比べ卵や油脂を使わないため、低カロリー食品の開発も期待できます。

様々な食品に加工できる「米ゲル」の製造方法の開発