特集1 一歩踏み出そう! 憧れの農業へ(3)
電機メーカー勤務から野菜農家へ
会社勤めを辞めてから、家庭菜園に夢中に!
すくすく育つナスやミニトマトが、本当にいとおしくて
気づいたら、有機野菜の農家になってました(笑)
土橋綾子さん/就農歴2年(埼玉県鶴ヶ島市)
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![]() ![]() ![]() トウモロコシ「ゴールドラッシュ」の種を植える土橋さん。就農してから作業着はいつもズボンで飽き飽きしていたとか。最近は畑でもスカートをはくことも ![]() 鶴ヶ島市内の約40aの畑。少量多品目を作付けしていたときは、年間で40~50品目の野菜を栽培していた |
約40aの畑で露地野菜を有機栽培している土橋綾子さん。くわを扱う姿も堂に入っていますが、数年前まで農業とは無縁の生活でした。電機メーカーで働いていた土橋さんが農業を志す契機となったのは家庭菜園です。埼玉県鶴ヶ島市に家を建て、家計の足しにと庭先で野菜を作るようになってから「はまった!」のだそう。 「野菜が日々、生長していく様子を見るのがワクワクして、すごくいとおしくなって。ちょうど中国のギョウザ事件などが社会問題になった時期でもあったので、自分で育てた野菜を食べるようになってから食の安全にも興味を持つようになりました」 そんな折、農業大学校などで研修しながら就農支援を受ける「新規就農サポート事業」の存在を鶴ヶ島市の広報誌で知り、「農家になる」ということを考えるきっかけになりました。 「地域に貢献できる仕事がしたいと思っていたので、農業はまさに地域密着型の仕事! 野菜作りをもっと極めたいという思いもありました」 早速、鶴ヶ島市の事業に応募。2010年4月に埼玉県農業大学校に入学し、本格的に野菜作りを学び始めました。その後、市の紹介で農地を借り、卒業後すぐに地元直売所へ野菜の出荷をスタート。研修や農業経営には農林水産省の青年就農給付金事業を活用しました。 経営を成り立たせるため直売所以外へ販路を拡大
最初は、直売所に周年出荷するため、少量多品目の作付けをしていました。「ただ品目が多いと、そのぶん手間も増えますし、袋詰めなどの出荷準備もたいへん。すべて一人での作業になるので、効率を上げないと経営が成り立たないと気がついたんです」 そこで、直売所以外の新たな販路を模索することに。そうしたところ海外研修に行った際、有機野菜を取り扱っている企業の人と知り合いました。 「昨年、トウモロコシを出荷したところ『おいしいですね!』と高評価をいただき、本格的に取り引きできることになりました」 取り引きのメリットは、ロットをそろえて出荷できるだけでなく、袋詰めをせずコンテナで納品できるため作業の軽減化にもつながることです。 そのため、昨年から季節ごとに3品目をメインにした作付け計画を立て、栽培する野菜を厳選しています。「今夏はトウモロコシとミニトマト、オクラを柱にしていきます。地元の子どもたちをときどき畑に招いているので、トウモロコシの収穫体験をしてもらい喜ばせたい。小さい頃から土に親しんでもらい、収穫したてのおいしい野菜を食べてもらいたいですね」と土橋さんは笑顔で話してくれました。
![]() 土橋さんに聞く 一歩踏み出したら
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