特集1 一歩踏み出そう! 憧れの農業へ(4)
料理人・マッサージ師から農場勤務へ
料理人なのに、野菜がどう育つのか、全然知らないことにがくぜん。
将来は、菜園付きカフェを開きたいので、
今は、研修仲間の安野さんと、勉強の毎日ですね
安野雅子さん・市川智章さん/研修歴1年 タンジョウ農場(千葉県千葉市)
![]() 「夢をかなえるまで時間はかかるかもしれないけど、 諦めずにがんばりたい」と話す安野さんと市川さん
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![]() 「学ぶ意欲のある研修生は仕事にも一所懸命に取り組んでくれます」と丹上さん ![]() この日のランチメニューに使った野菜をお客さんに説明するマネージャーの岩山雅子さん ![]() 「タンジョウファームキッチン」の営業日は毎週木曜から日曜。営業時間は11時30 分~17時。 住所:千葉県千葉市花見川区大日町1399-2 電話:043-239-7166 http://www.tanjofarm.net/ |
約1haの畑で野菜や麦を育て、黒毛和牛の繁殖、ブルーベリー園も営むタンジョウ農場。2年前からは農場内に直営の「タンジョウファームキッチン」をオープンし、農場で収穫した野菜で作るランチやスィーツを提供しています。 野菜そのもののおいしさを生かした料理には滋味があり、平日でも常連客でにぎわうほど。安野雅子さんもこのキッチンの料理に感動し、昨年2月から研修生として農場で働いています。「マッサージの仕事をしていたので食と体の関係にもともと興味がありました。キッチンのお料理が本当においしかったので、野菜作りを学びたくなったんです」(安野さん) 安野さんと同じく昨年4月から研修生となった市川智章さんは元料理人。調理をする側から、食材である野菜がどのように栽培されているのか、その現場を知りたくなったと語ります。 「農場では年間150種ほどの野菜を育てています。あまり知られていない珍しい野菜も作っているので、畑で野菜をかじって味を確認することもありますね」(市川さん) 新しいカタチの農業を模索中
これまで農業とは縁のなかった2人。野菜作りの先輩である農場長の丹上啓さんから、畑の管理や収穫など日々の作業を通じて、様々なことを学んでいます。「最初の頃は、なにもわからず指示されるまま仕事をしていましたが、たとえば芽かきのようなささいな作業にも意味があるんだと理解できるようになってから、農業がさらにおもしろくなってきました」と市川さん。安野さんも、「農業は、手をかけたぶんだけ応えてくれるってよく言われるけど、ちゃんと計算された結果で、科学なんだなあと実感しました」 農場では2人を含め8人のスタッフが働いています。安野さんと市川さんの研修には、農林水産省の「農の雇用事業」を活用しました。 「2人のような若手を農業の担い手に育てていくのも、私たち農家の務めですから。研修中に学んだことは、これからの2人の人生を助けてくれるはずだと思っています」(丹上さん) いつかは大好きなスペインで野菜を作りながら昔からの日本の食文化を伝えていきたいという安野さん。料理人の腕を生かし、菜園付きのカフェを開くのが夢だと語る市川さん。 農業の6次産業化を実践しているタンジョウ農場で学んだ2人は、作るだけではない、新しいカタチの農業のあり方を模索しています。
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