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農林水産省

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特集 人も家畜も笑顔になれる これからの田んぼの話(5)

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田んぼの未来は私たちの未来 飼料用米110万t生産への一歩を踏み出そう



田んぼの理想的な未来の姿を描くため、さまざまな取り組みでフル活用を推進していきます。


取り組み


稲作農家と畜産農家のマッチングで産業を活性化

農林水産省では、地域内で飼料用米を生産する稲作農家と、その利用を求める畜産農家とを結びつけていくため、各自治体に呼びかけ、稲作農家と畜産農家とのマッチングを積極的に行っています。

山形県山辺町では町が中心となって、地元の稲作農家が作る飼料用米を、町内で養豚業を営んでいた山形ピッグファームで活用できる体制をつくり、地元の米で育った豚、「舞米豚」のブランド化を実現しました。

山形ピッグファームの阿部秀顕代表取締役は「オレイン酸が多く、味が良いと評判の舞米豚。知り合いの農家さんが作った飼料用米を使って、町のブランド品の確立、産業の活性化に貢献できたことは、とてもうれしいです」と語っています。




 

畜産農家からの需要の高まり

飼料用米の需要量
平成27年産に係る飼料用米の需要量。 畜産農家の新規需要量約4.5万トン。 全農グループ飼料会社年間60.0万トン。日本飼料工業会組合員工場年間63.4万トン。平成27年産約128万トン。

まだまだ伸びる飼料用米のニーズ

平成27年産の飼料用米に対して畜産農家から寄せられた希望量は、約4.5万トン。さらに全農グループ飼料会社、日本飼料工業会の需要を合わせると約128万トンとなり、日本飼料工業会は中長期的に200万トンの需要を見込んでいます。

積極的なマッチング活動

取り組み体制
稲作農家 畜産農家 農林水産省

マッチング活動の成果

農林水産省が行っているマッチング活動では、稲作農家が農協に出荷した飼料用米を、農協が責任をもって畜産農家に届け、双方が安心して生産、利用できる体制を目指します。

豚の写真
みんなで作った
「舞米豚(まいまいとん)」
鶏のイラスト
飼料用米を安定して受け入れたい畜産農家が増えています。
 

みんなで取り組む田んぼづくり

田んぼをフル活用することで、飼料用米110万トンという生産努力目標が達成されれば、食料と飼料の自給率アップ、地産地消による生産品のブランド化、治水、自然環境や景観の保全など、地域の農畜産業の振興だけでなく、みんなの暮らしも豊かになる未来を描くことができます。

それは、お米の生産性を高められる稲作農家はもちろん、飼料用米を安定して仕入れられる畜産農家、おいしい肉や卵を食べられて美しい国土で暮らせる一般消費者も含め、みんなが幸せになれるということ。10年後に日本各地の田んぼがフル活用されることを目指して、国や自治体、農家などが一体となった取り組みを続けていきます!


田んぼのフル活用を目指そう!

田んぼをフル活用した飼料用米の生産は、稲作農家、畜産農家、消費者に大きなメリットをもたらします。
田んぼの機能の維持。国土保全。エサの自給率アップ。エサの需要にこたえる。 主食用米 平成37年度752万トン←平成25年度 859万トン。 飼料用米 平成37年度110万トン←平成25年度11万トン。

鶏のイラスト
飼料用米の生産努力目標は、主食用米が減ってきた分を置き換えていく目標量として設定しています。
道はまだ続く…
食料・農業・農村基本計画

今、注目の飼料用米

平成27年3月に閣議決定した「食料・農業・農村基本計画」において、飼料用米の生産拡大が重要な取り組みの一つとして位置づけられました。政府は、平成25年度に11万トンだった飼料用米の生産量を平成37年度には110万トンに引き上げることを目標として掲げ、その確実な達成に向けて必要な支援を行うこととしています。
飼料用米をたくさん作ることで、みんなにメリットが! 鶏のイラスト
生産拡大に向けた支援策
施設や機械導入への支援
必要とされる施設や機械の導入支援を行います。カントリーエレベーターや加工・保管施設などの設備に関しては、国や自治体としても積極的に後押しし、飼料用米の生産利用能力の向上を推進していきます。

水田活用の直接支払交付金
飼料用米の実際の収量に応じた金額が交付されるとともに、二毛作や耕畜連携の取り組みについての加算も行われます。また、多収品種に対する取り組みにも追加交付を行います。
【飼料用米についてもっと知りたい方は…】

QRコード 農林水産省 飼料用米の生産・利用拡大サイト

雑誌の写真
『別冊現代農業』2015年3月号
『とことんつくる 使う 飼料米・飼料イネ』
『DVDつくるぞ 使うぞ 飼料米・飼料イネ』(全2巻)
発行/一般社団法人
農山漁村文化協会
http://www.ruralnet.or.jp 〔外部リンク〕


文/城田晃久(フリート)  撮影/原田圭介(卵かけごはん)  イラスト/風間 真(フリート)