MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。 「MAFF TOPICS」では、農林水産省からの最新ニュースなどを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けいたします。 |
豆乳に好適な品種「きぬさやか」
暮らしに役立つ最新の研究成果を紹介します。 |
![]() 一面に広がる大豆畑。 |
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![]() 一般的な大豆の花の色は紫だが、「きぬさやか」は白。 |
「きぬさやか」莢(さや)の肥大期。 |
絹のようになめらかですっきりした味わい
健康志向の高まりとともに、豆乳の消費量は年々増加しています。
消費者に求められる豆乳の飲みやすさを追求して、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)では、新たな品種「きぬさやか」を開発しました。
栄養成分はそのままに、大豆の青臭みやえぐみを除いたこれまでにないタイプの大豆です。「絹のようななめらかさ」と「すっきりして爽やかな味わい」の豆乳ができることから、「きぬさやか」と名づけられました。
「豆乳が苦手な方向けに、クセがなくて飲みやすいものを―という趣旨で開発されました。もともと青臭みのない大豆を作ったのは、世界でも日本が初めてです。1996年に青臭みがないリポキシゲナーゼ完全欠失大豆品種『いちひめ』が誕生し、『いちひめ』が交配親となって『きぬさやか』など5品種が国内で育成されています」(農研機構東北農業研究センター 水田作研究領域大豆育種グループ・菊池彰夫さん)
リポキシゲナーゼは、大豆の子実に含まれる酸化酵素のひとつ。大豆を加工する際に、大豆の油に作用して、青臭さを引き起こします。したがってリポキシゲナーゼをなくすと、青臭みの原因を絶つことができるのです。
また、大豆のえぐみの原因となるのはサポニンという物質。サポニンは植物に多く含まれる配糖体で、その中で特にアセチルサポニンを取り去ることでえぐみがなくなります。
「いちひめ」の流れをくむ「刈系(かりけい)508号」と、アセチルサポニンを欠失させた特性を「スズユタカ」に導入した後代とを交配させてできた「きぬさやか」。古くから大豆に親しみ、繊細な味覚を持つ日本人が作った優れた品種です。
健康志向の高まりとともに、豆乳の消費量は年々増加しています。
消費者に求められる豆乳の飲みやすさを追求して、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)では、新たな品種「きぬさやか」を開発しました。
栄養成分はそのままに、大豆の青臭みやえぐみを除いたこれまでにないタイプの大豆です。「絹のようななめらかさ」と「すっきりして爽やかな味わい」の豆乳ができることから、「きぬさやか」と名づけられました。
「豆乳が苦手な方向けに、クセがなくて飲みやすいものを―という趣旨で開発されました。もともと青臭みのない大豆を作ったのは、世界でも日本が初めてです。1996年に青臭みがないリポキシゲナーゼ完全欠失大豆品種『いちひめ』が誕生し、『いちひめ』が交配親となって『きぬさやか』など5品種が国内で育成されています」(農研機構東北農業研究センター 水田作研究領域大豆育種グループ・菊池彰夫さん)
リポキシゲナーゼは、大豆の子実に含まれる酸化酵素のひとつ。大豆を加工する際に、大豆の油に作用して、青臭さを引き起こします。したがってリポキシゲナーゼをなくすと、青臭みの原因を絶つことができるのです。
また、大豆のえぐみの原因となるのはサポニンという物質。サポニンは植物に多く含まれる配糖体で、その中で特にアセチルサポニンを取り去ることでえぐみがなくなります。
「いちひめ」の流れをくむ「刈系(かりけい)508号」と、アセチルサポニンを欠失させた特性を「スズユタカ」に導入した後代とを交配させてできた「きぬさやか」。古くから大豆に親しみ、繊細な味覚を持つ日本人が作った優れた品種です。
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左が「スズユタカ」、右が「きぬさやか」。 |
あふラボトリビア
豆乳は新参者?
豆乳は豆腐作りに必要なものなので古くからありますが、日本で広く認知されるようになったのは、1972~73年の豆乳ブームのときから。一般的になったのが比較的新しい飲料です。
豆乳は新参者?
豆乳は豆腐作りに必要なものなので古くからありますが、日本で広く認知されるようになったのは、1972~73年の豆乳ブームのときから。一般的になったのが比較的新しい飲料です。
取材・文/細川潤子
撮影/野口雅裕(豆乳)
撮影/野口雅裕(豆乳)
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