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農林水産省

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特集1 非常食(2)

最低3日分の備蓄食料品を


いざというときに備えて食料品を買い置きしていますか?
自宅での避難生活を想定して、最低でも3日分、できれば1週間分の備蓄が必要といわれています。


大規模な災害に備えて"家庭備蓄"を実践しよう
いつ、どこで発生するか分からない災害に備えるには、日頃の準備が大切です。被害の規模や状況によっては、水道、電気、ガスなどのライフラインの停止、物流の混乱、避難所の不足などが予想されます。

そこで重要なのが"家庭備蓄"。農林水産省は2014年に「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」を策定し、その中で、ふだん使いの食料品を多めに買い置きし、使ったらその分を買い足す備蓄術を勧めています。

左ページなどを参考に最低でも3日分、できれば1週間分の食料品と水、カセットコンロなどを用意しておきます。なお、災害が発生した当日1日分の備えとして、調理せずに食べられる食料品(缶詰、アルファ化米、栄養補助食品など)を確保することが重要です。

備蓄を始める際は、初めにふだん食べている食料品をチェックし、人数や好みに応じた備蓄内容と量を決め、足りないものを補充します。エネルギー源になる米などの主食、たんぱく質源になる肉や魚の缶詰、野菜ジュース、乾物などをそろえます。家族に乳幼児や高齢者、食物アレルギーや慢性疾患を持つ人がいる場合は、それぞれ必要なものを用意しましょう。

そして、備蓄した食料品は放置せず、賞味期限が近づいたものからふだんの料理に使い、新しいものを追加。循環させることで、ムダなく備蓄を続けられます。


3日分の必須備蓄食料品
※大人1人分の必要なものの一例。
3日分の必須備蓄食料品


これだけは備えておきましょう
[カセットコンロ]
カセットコンロ
熱源は、食品を温めたり、 簡単な調理をするのに必要です。ボンベの買い置きも忘れずに。
[水]
水
飲料水として、1人当たり1日1リットルの 水が必要です。調理などに使用する水を含めると、3リットル程度あれば安心です。

[缶詰]
缶詰
調理不要で、そのまま食べられるものを選ぶと便利。缶切り不要のプルトップタイプがおすすめ。

[米]
米
備蓄の柱です。2キログラムの米が1袋と、水と熱源があれば、(1食=0.5合=75グラムとした場合)約27食分 になります。


日頃から考えておきたい「備え」
3段階の備えをすると安心
食料品の備蓄は、災害発生当日に調理不要で食べられる1日分の備え、国などからの食料が届くまでの3日分の備え、食料の供給が滞る場合の1週間分程度の備えと、3段階で行いましょう。

我が家の備蓄リストを作っておこう
必要なものは、年齢や健康状態、そして好みによっても異なります。行政からの応急物資だけでは必要なものが手に入らないことが考えられるので、家族単位の必需品リストを作っておきましょう。

備蓄できる食料品を多めに買っておこう
備蓄するものは防災用の保存食品以外でもOK。ふだんの食事に使える保存性の高い食料品を多めに買い置きし、賞味期限をときどきチェック。計画的に消費、買い足しをすれば、十分な備蓄が可能です。

日持ちする野菜や果物、調味料も買い置きを
野菜や果物は、避難生活中に不足しやすいビタミン、ミネラル、食物繊維の補給に役立ちます。また、家族の好みに合った調味料は、重宝します。必須ではありませんが、買い置きがおすすめ。

取り出しやすいところに保管しよう
「ふだん使わないから」と、備蓄品を棚の奥の取り出しにくいところなどに置くのはNG。なるべく目につくところに置き、定期的に賞味期限や季節に合った備蓄かどうかをチェックすれば安心です。


水道やガスが止まっても簡単に料理ができる!「パッククッキング」
パッククッキングとは、ポリ袋(高密度ポリエチレン製)を利用した簡単調理法のこと。

「ポリ袋に食材を入れて袋ごと湯に入れて加熱するだけで、簡単にご飯が炊けるし、おかずやデザートも作れます。熱源はカセットコンロや、電気が使えれば電気ポットでもOK。1つの鍋で数種類の料理を同時に作れるし、洗い物が減って水を汚さないこともメリットです。覚えておけば、非常時でも温かくておいしい食事をとれるので、ぜひ試してみてください」(防災アドバイザー・岡部梨恵子さん)

ご飯の炊き方
1.ポリ袋に米60グラムと水90ミリリットルを入れる。
1.ポリ袋に米60グラムと水90ミリリットルを入れる。
2.空気を抜いて袋をクルクルとねじり、上のほうを結ぶ。
2.空気を抜いて袋をクルクルとねじり、上のほうを結ぶ。
3.鍋に湯を沸かして底に皿を1枚敷き、2を入れて加熱。
3.鍋に湯を沸かして底に皿を1枚敷き、2を入れて加熱。



取材・文/三浦良江
撮影/舩津祐太朗
イラスト/中山ゆかり


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