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農林水産省

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特集1 きのこ(2)

地域ぐるみで取り組む大規模きのこ工場 [長野県中野市]




自動計量ラインで重さを、目視で品質をチェック。作業の効率化のため一株をそのまま出荷する。
自動計量ラインで重さを、目視で品質をチェック。作業の効率化のため一株をそのまま出荷する。
 

種菌センターでは品質向上を目指した研究が行われている。
種菌センターでは品質向上を目指した研究が行われている。
温度や湿度、光を調整しながら育成されるえのきたけ。
温度や湿度、光を調整しながら育成されるえのきたけ。

ぶなしめじも厳しく品質チェックがなされている。
ぶなしめじも厳しく品質チェックがなされている。

空調のきいた育成室の中、培地を詰めた専用の瓶で育つえのきたけ。
空調のきいた育成室の中、培地を詰めた専用の瓶で育つえのきたけ。


日本一のえのきたけ産地の地域を挙げた分業体制
昭和初期にガラス瓶を用いたえのきたけの人工栽培が始まった長野県は、今やえのきたけ、ぶなしめじ、エリンギの生産で全国一です。主要産地は中野市で、JA中野市の昨年度の農産物販売額268億円のうち、209億円がきのこ類。中でも、えのきたけは約5万トンと全国生産量の4割近くを占めます。

「出稼ぎに代わる冬場の換金作物を作ろうと、新しい生産技術を導入しながら、地域を挙げてえのきたけの生産に取り組んできました」と語るのは、JA中野市種菌センターの篠田清嗣さんです。

えのきたけの生産過程は、菌を培養する菌糸培養と、そこからえのきたけ自体を育てる生産管理に大別できますが、JA中野市では効率化と品質向上を追求するため、分業体制を確立しています。

種菌はJA中野市と一般社団法人長野県農村工業研究所が共同開発したもの。これを種菌センターが繁殖させて優良なものを選抜して培養センターに送り、ここで培地を充てんした瓶に接種し、生産者に渡します。

かつて生産者が行っていた難しい培養作業を分業化することで、生産性が飛躍的に向上しました。

また、2008年度には液体種菌の接種法の導入で、培養期間が5日間ほど短縮できるようになり、培地も以前はおがくずや米ぬかが主流でしたが、トウモロコシの芯(コーンコブ)も用いることで、収量を大きく伸ばすことができました。さらに市内の大規模生産者グループが、ぶなしめじとエリンギの栽培を行う法人をそれぞれ立ち上げるなど、新たな動きもあります。

「市内の生産者は仲間であるとともに切磋琢磨するライバル」と言う篠田さん。先進的な産地では、飽くなき挑戦が続いています。



篠田清嗣(きよつぐ)さん
篠田清嗣(きよつぐ)さん
1969年、長野県生まれ。JA中野市営農部きのこ技術課長。「きのこの需要が減る夏場の販売促進にも力を入れています」。



取材・文/下境敏弘
撮影/島 誠


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