このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

特集1 農業高校(5)

平成28年10月26、27日に大阪府で開催された農業クラブ全国大会。
会場は全国から集った農業高校生たちの熱気に包まれました。

全国約380校の代表3,700人が集結 日本学校農業クラブ全国大会の熱気



大会式典の様子 成績発表の様子
大会式典(左)と成績発表の様子(右)。

全国の農業高校生たちが日本一を目指す
農業高校、農業学科の生徒が所属する全国組織「日本学校農業クラブ連盟」(以下、農業クラブ)。農業高校生の自主的・主体的な研究を通し、科学性・社会性・指導性を育成することを目的としています。そんな農業クラブに所属する生徒たちが、日頃の研究学習の成果を活かし、交流の機会にするのが農業クラブ全国大会です。昨年10月、大阪府で67回目となる大会が開催されました。

全国から集まった農業高校生は府内4会場に分かれ、プロジェクト発表会や農業鑑定競技会などで日頃の学習成果を競います。どの会場も熱気に包まれ、発表に臨む真剣な眼差し、力を出しきった晴れやかな顔、他校の生徒と楽しそうに話す姿から充実した時間を過ごしていることが見て取れました。

大会の締めくくりは、大阪府立国際会議場で行われた大会式典です。今大会が初の対面式の表彰で、生バンド演奏も大成功でした。生徒の自立した活動を軸とする農業クラブだけに、大会の運営はすべて生徒が行います。大阪府連盟のクラブ員1,355名は企画・運営から広報活動まで見事に役割を全うし、目標としていた「記憶に残る大会」が実現できました。

意見発表会
I類 生産・流通・経営 最優秀賞(農林水産大臣賞)
「めざせ 酪農ガール!」
愛媛県 野村高校・三好智美さん
愛媛県 野村高校・三好智美さん
3分野で各9名が、身近な課題や将来の農業界をよりよくするための意見を発表。三好さんは「酪農の魅力を次世代につなげるよう私も成長したい」と語った。
プロジェクト発表会
I類 生産・流通・経営 最優秀賞(農林水産大臣賞)
「固定化細菌ペレットを用いた農業生産性の向上」
兵庫県 農業高校
兵庫県 農業高校
3分野に各9校が出場。農業技術の向上や商品開発、地域資源の利用など地域活性に結びつけた研究成果が発表された。最優秀賞は兵庫県農業高校など3校。

農業鑑定競技会
農業鑑定競技会


農業鑑定競技会
1,007名と多くの参加者があった農業鑑定競技会。8分野に分かれ、40問の問題をマークシートと記述で解答していく。参加者の真剣な眼差しが印象的だった。

平板測量競技会
平板測量競技会


平板測量競技会
芝生の美しい万博記念競技場で開催。平板による境界線測量と、三斜法・三辺法による面積計算の正確さを競う。当日は一時小雨があったものの、測量日和といえる天候で、生徒らは思う存分競い合っていた。

クラブ員代表者会議
クラブ員代表者会議
9つの会場に分かれ、事例発表と意見交換が行われた。他校のクラブ員とグループを作って意見を出し合い、話し合いをまとめて発表。おもしろく勉強になったとの声が聞かれた。

代議員会
代議員会
各都道府県連盟の代表が集まり、日本学校農業クラブ連盟の運営に関する諸課題について協議を行う。休憩時間には学校の垣根を越えて交流する姿も。次回大会の実施案の発表もあった。

仲間といっしょに楽しんだ大阪大会の2日間
高校1年生のころから2年半の間、準備を重ねてきました。最初は不安な気持ちばかりで、団結の難しさを感じたこともありました。でも、会議を重ねるうちに、私は周りに頼ることを学んだし、みんなも自分の役割を担ってくれるようになって、気持ちがひとつになっていきました。大会の最終日、他校の方から「今まで参加した中で一番よかった」「ありがとう」と声をかけてもらい、本当に幸せでした。とても忙しい日々で、思い描いていた高校生活と全然違ったけれど、今では運営に携われたことに感謝の気持ちでいっぱいです。大阪大会は、私にとって、まさに青春だったなと思います。
大阪大会生徒実行委員長 大阪府 農芸高校3年 沖野知夏さん
大阪大会生徒実行委員長
大阪府 農芸高校3年 沖野知夏さん

次回岡山大会は、8校2,000余名のクラブ員が運営。「岡山らしい、心遣いのある大会」を目指す。 平成29年は岡山大会
次回岡山大会は、8校2,000余名のクラブ員が運営。「岡山らしい、心遣いのある大会」を目指す。



写真提供/日本学校農業クラブ連盟、水野浩志、株式会社 農文協プロダクション
取材・文/千葉貴子


読者アンケートはこちら