備蓄食品の技術に迫る!
飲料・食品ともに、多種多様な備蓄食品が手に入る昨今。
研究・開発が進み、長期保存が可能な商品も増えています。
ここでは、生活に欠くことのできない飲み水(サントリー食品インターナショナル株式会社)、
乳幼児の成長に大切なミルク(江崎グリコ株式会社)、常温で長期保存可能な豆腐(森永乳業株式会社)について、3社の保存技術への取り組みを紹介します。
賞味期限63ヵ月
「サントリー南アルプスの天然水 2Lペット防災備蓄用」
サントリー食品インターナショナル株式会社
長期保存型の飲料水の開発も進み、一般的な飲料水が約2年の賞味期限に対し、長いものでは、5年から10年というものも発売されています。「サントリー南アルプスの天然水 2L(リットル)ペット防災備蓄用」もそのひとつです。
「東日本大震災後、自然災害に備えた防災意識や備蓄需要の高まりに応えるべく、社会に貢献していきたいという思いで開発しました。通常の商品と異なる改良を加えた容器を使用することで長期保存に耐えられる設計に成功し、賞味期限は63カ月です」(サントリー食品インターナショナル/横堀陽子さん)
最大の特徴は、安全安心な状態でお客さまに届けるために、汲み上げた水をいっさい外気に触れさせることなく、クリーンな環境でボトリングしていること。また、「使用する水は月1回の頻度でサンプリングし、放射性物質分析を継続的に実施することで品質保持に加え、自然本来のおいしさを生かした“安全”な水にこだわっています」
目指したのは母乳と同じ成分
「アイクレオ 赤ちゃんミルク」
江崎グリコ株式会社
今年3月、長年培ってきた乳飲料と粉ミルクのノウハウを生かし、日本初の乳児用液体ミルクとして誕生した「アイクレオ 赤ちゃんミルク」。
「赤ちゃんにとっては、母乳が最良の栄養源であるという考えのもと、母乳と同程度にミネラル含有量、ナトリウム量を調整しています。もちろん、栄養素や味、乳幼児が好んで飲む色にこだわっており、赤ちゃんの繊細な体にも優しいミルクです。また、殺菌処理後、無菌のまま充填する無菌パック製法で作られていることから、微生物が増殖せず、常温保存で6カ月という長期保存が可能となっています」(江崎グリコ/前田就喬さん)
また、紙パックには、海外の液体ミルクでは主流となっている6層構造を採用。
「中身の成分をしっかりと守る他、軽くて持ち歩きしやすく、飲み終えた後の捨てやすさも考慮した製品としました。常温での長期保存を実現した本品は、災害時に乳幼児の命を守ることや、日常使いも可能なため、育児負担の軽減や利便性の向上へとつながります」
日本初の常温保存可能な豆腐
「森永とうふ」シリーズ
森永乳業株式会社
「災害時の非常食として活用したい」という声により、日本初の常温で保存可能な「森永とうふ」シリーズが、東日本大震災後、4年半の歳月を費やして生まれました。
「原材料には、遺伝子組み換えでない厳選した丸大豆とにがりだけを使用。また、無菌充填包装により、保存料はいっさい使用していないにもかかわらず、常温で長期保存が可能です」(森永乳業/佐藤恵梨華さん)
さらに、独自の品質マネジメントシステムを構築・運用し、「安全安心の観点から、ほんのわずかな異変でも、ただちに製造ラインをストップし、原因究明を行っています」
牛乳でも使われる無菌充填包装技術を応用した「ロングライフ技術」に加え、バリア性の高い紙パックを使用。紙とポリエチレンの間にアルミ箔を入れ、光や酸素を通しにくくすることで、保存性を高めています。そんな製造方法や容器の工夫もあって、賞味期限は製造から7.2カ月(216日)です。
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