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農林水産省

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aff 2019年9月号

災害が起きたら

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災害発生時、何よりも重要なのは自分や家族の大切な命を守ること。
取るべき行動は、状況によっても異なります。いざというときに備えて、
スマートフォンのアプリケーションなども上手に活用し、避難場所や避難ルートを確認しておきましょう。

地震のときに取るべき行動と注意すべきこと

「楽しく学び、賢く備え、自分で考え行動できる」防災を提唱する、NPO法人「ママプラグ」理事の冨川万美さんに話を伺いました。

冨川万美さん

冨川万美さん
被災母子支援などを展開するNPO法人「ママプラグ」理事。また、同団体が提唱する、被災体験に学び、自ら考え、自ら行動する防災術「アクティブ防災™」事業の代表も務める。

落下物・転倒物に注意して
手近なもので頭を守る

地震による大きな揺れが発生した際は、クッションやバッグなど、手近にあるもので頭部を覆って守ることが重要。

クッションやバッグなど、手近にあるもので頭部を覆って守ることが重要。移動が可能なら、テーブルの下など空洞となる場所に逃げ込みましょう。強い揺れを感じたら、とにかく素早く動くことが大切です。

コンロやストーブの火は、揺れが収まってから落ち着いて止めるようにしましょう。

コンロやストーブの火は、揺れが収まってから落ち着いて止めるようにしましょう。最近では、揺れを感知すると自動的に火が止まる仕組みも普及しています。

状況に応じて落ち着いた行動を

エレベーターの場合

エレベーターの場合

全部の階のボタンを押して、いちばん早く止まった階で脱出します。万が一、閉じ込められた場合には、非常用のインターホンなどを使い、外部と連絡を取りましょう。

運転中(一般道)の場合

運転中(一般道)の場合

急ブレーキ、急ハンドルは危険です。ハザードランプを点灯して徐々にスピードを落とし、道路の左側に停車して揺れが収まるのを待ちます。車から離れる際は、緊急車両の通行の妨げにならないよう鍵をつけたままにしましょう。

避難場所や避難ルートを確認

「指定緊急避難場所」と「指定避難所」

東日本大震災を教訓に災害対策基本法が改正され、発災した際にまず避難する「指定緊急避難場所」と、避難所生活を送る「指定避難所」を指定することが定められました。

災害が起きてからでは遅いのです。自分の住む地域の避難場所や避難経路、避難所をあらかじめ家族で確認しておきましょう。

指定緊急避難場所

指定緊急避難場所

災害の危険から命を守るために緊急的に避難をする場所。災害の種別ごとに指定され、土砂災害においては頑丈な建築物、地震などでは学校のグラウンドや駐車場など。

指定避難所

指定避難所

避難した住民などが災害の危険がなくなるまで、必要な期間滞在、または災害により自宅へ帰れなくなった住民などが一時的に滞在することを想定した施設のこと。学校や体育館、公民館などの公共施設。

地震、津波、洪水、土砂災害(崖崩れ、土石流、地滑り)、内水氾濫、高潮、火災、火山噴火といった災害が発生したときに災害ごとに自治体が指定した避難場所を検索することができる。検索方法も、災害の種類を選択し、市区町村名を入力するだけと手順も簡単。

避難場所マップ(Yahoo!)

スマートフォンなどを活用して防災情報をチェックする

NHKニュース・防災

災害に関する情報、河川ライブカメラの画像などを掲載。プッシュ通知機能でいち早く情報を知らせてくれる他、自治体が公開している避難に関する情報も提供しており、現在地や登録地域に応じて表示することも可能。テレビのニュースをリアルタイムで見ることができる。また、マップ上で雨雲や台風、河川情報も確認できる。

NHKニュース・防災

緊急地震速報の他に、豪雨予測、土砂災害などさまざまな防災気象情報を網羅しており、現在地と設定3地域分の災害に関する情報をまとめて入手することができる。避難情報、警報・注意報を、プッシュ通知でリアルタイムに受け取ることも可能。

防災速報(Yahoo!)

今いる場所に近い河川の「注意」「警戒」などの情報や、10分、1時間ごとの観測所の水位の変化を危険度に応じて色分けし、地図上やグラフで分かりやすく表示。ゲリラ豪雨などが発生した際、自主避難を早期に判断するのにも役立つ。

河川水位情報(Yahoo!)

雨の状況や、川の水位と危険性、川の予警報などをリアルタイムで知らせてくれるWebサイト。特に、川の水位に応じた予警報は、1時間から3時間後の水位予測が見られるなど詳細な情報が得られる。また、地域によってはカメラ映像でも確認ができるので、的確な避難行動に役立つ。同サイトはスマートフォンからでも閲覧可能。

川の防災情報

平成30年7月豪雨を踏まえた「ため池」に関する対策

防災重点ため池の再選定

「防災重点ため池」とは、決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設などが存在し、人的被害を与えるおそれのあるため池のこと。平成30年7月豪雨では、多くのため池が決壊し、防災重点ため池ではない小規模なため池で甚大な被害が生じたことから選定基準を見直しました。その結果、全国の農業用ため池総数16万6,638カ所のうち、6万3,722カ所が新たな選定基準に基づく防災重点ため池として再選定されました。

今後は、ため池の名称や位置情報などを記した「ため池マップ」や浸水想定区域を記したハザードマップの作成・公表を通じて、地域住民の方への情報提供などを行います。

「防災重点ため池」

ため池防災支援システム

国や自治体が活用する「ため池防災支援システム」は、農研機構と民間会社が共同で開発しました。このシステムは、地震時には地震情報を受信してから30分以内、豪雨時には現在時刻から15時間後までのため池の決壊危険度を予測し、インターネットで予測結果を地図に表示。自治体は、この情報をもとにして緊急点検を実施し、ため池周辺の住民の避難対策や、決壊防止のための応急的な対策を行うことが可能です。

さらに、被災したため池の状況を全国の防災関係者に情報共有することも可能で、迅速な災害支援にも役立てられます(現在、試行的に運用中)。

ため池防災支援システム

南海トラフ地震を想定した「ため池」の決壊危険予測。地図に塗られている色は、地震の震度(暖色ほど大きい震度)を表している。

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449
FAX番号:03-3502-8766