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農林水産省

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aff 2019年12月号
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ギネス世界記録™ 挑戦者たち vol.7

世界一重いいちご

中尾浩二さん/福岡県福岡市

1983年以来、32年ぶりに「世界一重いいちご」のギネス世界記録を更新した中尾浩二さん。「特別なことは何もやっていませんが、自分がこれだと思ったことは必ずやり遂げる気持ちは持ち続けています」
1983年以来、32年ぶりに「世界一重いいちご」のギネス世界記録を更新した中尾浩二さん。「特別なことは何もやっていませんが、自分がこれだと思ったことは必ずやり遂げる気持ちは持ち続けています」

重さ250グラムのあまおうで世界一に

日本のみならず、アジア各国でも高く評価されている福岡発のブランドいちご、あまおう。あまおうの名称は、「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字をとって名付けられました。この品種で歴史を塗り替えたのが、福岡で代々栽培する中尾浩二さんです。2014年に収穫したひと粒が、「世界一重いいちご」としてギネス世界記録に認定されました。重さは250グラムと、一般的ないちごの1パック分に達します。

ギネス世界記録に認定されたいちご。重さだけでなく高さ12センチメートル、幅8センチメートル、外周は25センチメートルから30センチメートルと、ソフトボール並みの大きさ。

ギネス世界記録に認定されたいちご。重さだけでなく高さ12センチメートル、幅8センチメートル、外周は25センチメートルから30センチメートルと、ソフトボール並みの大きさ。

「実は、ギネス世界記録のことはまったく知らなかったんです」と話す中尾さん。若手農家で結成した「いちご研究部」の仲間と、お互いに収穫したいちごの画像を見せ合っているうちに、より大きないちごを作る競争が始まったといいます。

ハウス内の温度は、センサーで23度に設定。より多くの光を取り入れるために、ビニールは毎年張り替えている。

ハウス内の温度は、センサーで23度に設定。より多くの光を取り入れるために、ビニールは毎年張り替えている。

「水・肥料・光は、どれかが少なすぎても多すぎても良くないので、いつもバランスに気を配っています。また、栄養をひとつのいちごに集中させるために、小さな花を取り除く『摘花』も大切です」。さらに、ハウス内の温度や湿度はもちろん、二酸化炭素の濃度にも注目。外気よりも二酸化炭素の濃度を高く設定することで、光合成しやすく大きく育ちやすい環境を作り上げました。

見た目も味も、最高の出来栄え

こうして育てた巨大いちごは、仲間内で評判を呼びました。「いちご農家で作ったSNSグループでも画像を投稿したところ、『惜しい! あと8グラムで世界一でしたね』とコメントが付いたんです。このとき初めてギネス世界記録を意識しました。1カ月後にもっと大きないちごが採れたので自宅で量ると、世界記録を大きく上回っていたんです。これはおもしろいかも、と地元のテレビ局に直接電話して取材してもらい、ネットニュースにも掲載されました」。

ギネス世界記録のいちごを最初に食べたのは、当時高校生だった中尾さんの娘さん。

ギネス世界記録のいちごを最初に食べたのは、当時高校生だった中尾さんの娘さん。

無事ギネス世界記録に認定されたいちごは、中尾さんの強い希望で当時高校生だった娘さんにプレゼントされました。娘さんは「おいしい!」と満面の笑顔に。さすがにひとりでは食べきれず、残りは家族で食べたそうですが、「通常、大きいいちごは熟し方に差がついてしまい、黄緑や白色の部分が目立つのですが、このいちごはどこから見てもきれいな赤色。糖度が高く、これまでに食べた中でもベストといえます。自信を持って、世界一といえるいちごでした」と振り返ります。

福岡の農業を盛り上げたい

2009年、先代の父親が体調を崩したことをきっかけに、造園業から転職して跡を継いだ中尾さん。「うちの畑に作物が大きく育つ地力があるのは、父が畑作りを頑張ってくれたおかげ。父は亡くなってしまったので直接農業を教えてはもらえませんでしたが、その分父の仲間や可愛がっていた後輩が助けてくれました」と、支えてくれた周囲への感謝を口にします。

粒状肥料器を使っていちごの苗に肥料を与えている様子。この機械を使うと、必要な分量を素早く正確に与えることができる。

粒状肥料器を使っていちごの苗に肥料を与えている様子。この機械を使うと、必要な分量を素早く正確に与えることができる。

ギネス世界記録であまおうの重さを証明できた今、次なる目標は地元・福岡の農業全体を盛り上げること。「例えば、福岡の繁華街・天神で行われるイベントで『おもしろい形の野菜が採れた』とか『ちかっぱい(とても)大きな大根が採れた』とか、発信するのもおもしろいと思います。朝から晩まで働く農業は大変ですが、楽しみながらやれたらいいですね」。柔軟な発想と行動力で、これからも新しい道を切り開いていきます。

収穫時期は11月から5月ごろ。あまおうの果肉は大きく艶やかで、甘さの中にもほのかな酸味が感じられる。

収穫時期は11月から5月ごろ。あまおうの果肉は大きく艶やかで、甘さの中にもほのかな酸味が感じられる。

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大臣官房広報評価課広報室

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