名前で感じる和菓子の風情
団子や大福といった古くからの呼び名だけでなく、和菓子には独自の名称、「菓銘」が付いたものがあります。これもまた、和菓子の魅力のひとつといえます。
日本の歴史も分かる「菓銘」
短歌や俳句、花鳥風月、地域の歴史や名所に由来していることの多い「菓銘」。主として煉りきりに付けられますが、ようかんなどにも付けられることがあります。
菓銘は本来、和菓子店が独自に名付けるものですが、そこから広まり、一般的に使われるようになったものもあります。
監修 全国和菓子協会
和菓子の健康性や文化性を訴えるための、消費者対象の講演会、セミナー、シンポジウム、手作り和菓子教室などを開催。また「和菓子の日」(毎年6月16日)を制定し、積極的なPR活動も行っている。
梅を型どった煉りきりで、冬から春に移る季節感も表す。菅原道真が太宰府に流される際に詠んだ「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」からとられた。
「東風」と同様に菅原道真に由来。京都の屋敷にあった梅が、大宰府まで飛んで花を咲かせたという逸話からとられた。
紅葉を型どった煉りきり。紅葉の名所、奈良県北西部にある竜田川が多くの歌に詠まれたため、そこからとられた。
柿を型どった煉りきり。江戸中期の俳人、加賀千代女が詠んだ「渋かろか 知らねど柿の 初ちぎり」からとられた。
知ってますか? この和菓子の名前
和菓子店などでよく見かけますが、知名度はそれほどでもない和菓子を紹介します。この機会に名前も覚えてみてはいかがでしょう。
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引菓子として冠婚葬祭の慶弔用にも使われる。すりおろしたつくね芋に、砂糖、米粉を混ぜた生地で餡を包み、蒸してある。
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多くの神社では6月に半年分の穢れを落とし、残り半年の健康と厄除けを祈願する神事「夏越の祓(なごしのはらえ)」を行う。この時期に登場する和菓子。白いういろうの上に、魔よけの意味がある小豆をのせ、三角形に切り分けてある。
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しぐれる雨に見立てたことから、その名が付いたとされる和菓子。白餡に卵黄を加えて練ったもので生地を作り、中餡を包んだ後、蒸して表面に亀裂模様を入れてある。
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薯蕷(じょうよ)まんじゅう
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水無月(みなづき)
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黄味時雨(きみしぐれ)
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