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農林水産省

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  • aff06 JUNE 2021
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大学農系学部に潜入! 発掘! 凄モノ情報局

大学の農学系学部が研究・開発した製品と、その製品化までの道のりを紹介します。

第2回

ミツバチが人と人、人と自然を結ぶシンボルに

都市養蜂研究から誕生した千葉大学産ハチミツ

都市養蜂研究から誕生した千葉大学産ハチミツ

養蜂といえば、山間部で行われているイメージを持つ人も多いのではないでしょうか? しかし15年ほど前から、日本各地で都市養蜂が徐々に広がりを見せているといいます。それに先駆けて、千葉大学 環境健康フィールド科学センターでは、2006年から都市養蜂に関する研究をスタート。
現在は西千葉キャンパス・柏の葉キャンパス・亥鼻キャンパスで養蜂に関する研究が行われており、採取されたハチミツは、2012年から千葉大ブランドとして商品化もされています。
今回は西千葉キャンパスを訪ね、都市養蜂研究が街づくりにおいてどのような役割を果たしているのか、さらに、千葉大産ハチミツの秘密についてお話を伺いました。

人も街も豊かに!ミツバチと共存する街づくり

ミツバチから得られる恩恵としてまず思い浮かぶのがハチミツ。さらに、農作物の受粉も行うミツバチは、私たちの食糧を支える上でも欠かせない存在です。しかし、ミツバチが果たしてくれる役割は決してそれだけにとどまりません。
「都市空間において、ミツバチが人と自然をつなぐシンボルとなり得るのでは?」という発想から始まった千葉大学の都市養蜂研究からは、実際に次のようなメリットを地域にもたらしているといいます。

地域の絆を深める橋渡しに

地域住民とともに養蜂や採蜜体験を行う活動を実施することで、人と人の対話と絆を生むコミュニティ形成のツールに。

緑化意識の高まり

ミツバチを通じて市民が他の生き物や植物への興味・関心をもち、自然保護や緑化への意識が向上する。

ミツバチがつなぐサステナブルな未来

また、都市養蜂は、サステナブルな都市を実現するための可能性も大いに秘めているといいます。普及することで、一体どんな効果が期待できるのでしょうか?

  • 1

    地産地消の促進と
    食料自給率の向上

    都市でも食料を生産することができるようになり、地産地消が進むことでフードマイレージや環境負荷の低減に少しでも貢献できるほか、これらの啓発活動につながる。

  • 2

    生物多様性と
    緑化への貢献

    養蜂がきっかけとなって都市緑化が進めば、ミツバチ以外の生物たちも集まりやすい環境へと変化。さらにその生物たちが花や草木の種を運んだり受粉をしたりすることで、都市周辺の緑も豊かに。

  • 3

    養蜂従事者
    確保の対策

    養蜂場所の選択肢が拡大し、養蜂に触れる機会が増えることで、新規養蜂従事者の増加も期待できる。
    ※都市で安易に養蜂することは周囲とのトラブルやミツバチの病気蔓延などの要因になることもあるので、養蜂に関する知識を身につけ、飼育場所の慎重な検討を行ってから開始しましょう。また、ミツバチを飼育する場合には養蜂振興法に基づく届出が必要なので、まず最寄りの都道府県にご確認下さい。

学生の声!

千葉大学 大学院
融合理工学府 創成工学専攻 デザインコース
環境デザイン研究室 修士2年

藤本 郁さん

私たちの研究室では、養蜂をより多くの人に広めるためのツールやプログラムのデザインに関する研究を行っています。私自身は養蜂体験イベントでのアンケート調査などを行って、人々がより興味をもてる・参加したくなる養蜂の在り方について研究しています。
研究で培った“人に広める”、“人を集める”ためのアイディア力を、将来は社会に活かしていきたいと考えています。

千葉大学ブランドハチミツ5つの特徴

日本国内におけるハチミツの自給率は、令和元年時点で約6%。そして都市養蜂研究の副産物として得られる千葉大学自慢のハチミツは、以下の5つの付加価値により、さらに希少性の高いハチミツとしてブランド化されています。

  • 1

    キャンパス内
    限定生産

    ミツバチの飼育は千葉大学のキャンパス内に限定し、飼育やハチミツ充填などの作業は一貫して千葉大学の学生や関係者のみが行う。

  • 2

    無添加・非加熱

    採蜜後に砂糖や水飴などを添加することはなく、煮詰めるような加熱処理も行なっていないため、ハチミツ本来の味を楽しめる。

  • 3

    DNA分析で
    蜜源植物を推定

    研究の一環として、ハチミツに含まれる花粉やミツバチが巣箱に持ち帰る花粉団子をDNA分析し、どんな蜜源からハチミツができているか調査。ラベルに結果の一部を記入し、消費者への正しい情報の提供を目指す。

  • 4

    残留農薬・
    放射能検査を実施

    残留農薬(115項目)の検査や放射能検査を行い、それらが検出されないものだけを製品化。

  • 5

    売り上げを
    教育研究に活用

    ハチミツの売り上げの一部は、学生教育や研究活動のために有効活用。

まとめ

千葉大学の都市養蜂研究では複数の学部などが連携し、緑化の普及や養蜂箱のデザインなど、より多角的な研究を展開しています。研究の実用化によって、人とミツバチが共存しやすいツールが整い、都市部にいながらでも自然を身近に感じられる社会が実現することをめざしています。小さなミツバチには、豊かな社会を築くための大きな可能性が秘められているのです。
ハチミツを口にしたり、街中でミツバチを見かけたりした時は、ぜひ新たな視点からミツバチに思いを馳せてみてください。

千葉大学
環境健康フィールド科学センター

画像:東海大学 熊本キャンパス

〒277-0882 千葉県柏市柏の葉6丁目2-1

http://www.fc.chiba-u.jp/

千葉大学:https://www.chiba-u.ac.jp/

今回 教えてくれたのは

写真:助教

千葉大学環境健康フィールド科学センター
三輪正幸 助教

専門は果樹園芸学およびデザインシステム学。「NHK 趣味の園芸」、「NHK あさイチ」などのテレビ番組で講師を務める他、家庭果樹や養蜂に関する本を20冊以上執筆。果樹の受粉のためにセイヨウミツバチの飼育を始めたことを機に、養蜂研究に着手。

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大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

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