このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー
aff 2023 OCTOBER 10月号
10月号トップへ戻る

旅する農業遺産

連載
埼玉県 世界農業遺産 大都市近郊に今も息づく武蔵野の落ち葉堆肥農法

農業遺産は、特徴的かつ伝統的な農林水産業を営む地域であり、世界農業遺産と日本農業遺産の2種類があります。世界農業遺産は国際連合食糧農業機関(FAO)により、日本農業遺産は農林水産大臣により認定されます。今回は、世界農業遺産・日本農業遺産に認定されている埼玉県 武蔵野地域をご紹介します。

※世界農業遺産認定地域数は78地域(うち日本国内認定地域数15地域)、日本農業遺産認定地域数は24地域

武蔵野の落ち葉堆肥農法

武蔵野地域は江戸時代に、隣接する江戸の町の人口増加による食糧不足を補うために開拓が行われました。この地域はもともと、関東ローム層といって火山灰に覆われた作物が育ちにくい土地でした。そこで生み出されたのが、草原に木々を植えて平地林を作り出し、その落ち葉を集めて堆肥として活用する落ち葉堆肥農法です。江戸時代から続くこの伝統的農法は360年以上にわたって受け継がれ、今も武蔵野地域に恵みをもたらしています。
また、地域で育成・管理された平地林は、オオタカの繁殖地となっているほか、希少植物にとっても良好な生育環境となっています。こうした持続的な取り組みが高く評価され、「武蔵野地域の落ち葉堆肥農法」は令和5年7月に世界農業遺産に認定されました。

Where is 武蔵野地域?

武蔵野地域

埼玉県の川越市・所沢市・ふじみ野市・三芳町の3市1町で構成。日本の首都、東京の30キロメートル圏内にありながら、屋敷、畑、平地林から成る開拓当時の特徴的な短冊形の地割がそのまま残り、さつまいもやさといも、ほうれん草などの名産地として知られています。

「武蔵野地域」はこの3市1町のみを指すものではなく、世界農業遺産・日本農業遺産に指定された地域の名称です。

「武蔵野の落ち葉堆肥農法」 「武蔵野の落ち葉堆肥農法」

農業遺産周辺で見る・味わう・体験する

武蔵野地域
旧島田家住宅(三芳町)
江戸時代の建築と自然に親しむ

旧島田家住宅(三芳町)

江戸時代文化・文政期(1804から1829年)に建築されたといわれる茅葺屋根の民家住宅。平成8年(1996年)に現在の場所へ移築復元され、茶室や寺子屋、囲炉裏などが公開されています。軒先に座り、庭に咲く季節の花を眺めてのんびり過ごしてみては?

アクセス:東武東上線「鶴瀬駅」下車、ライフバス4番線・6番線でバス停「上富小学校」下車すぐ

多福寺
三富開拓農民の菩提寺

多福寺

元禄7年(1696年)に川越藩主柳沢吉保の命で建立された、三富(さんとめ)開拓農民(移住者)の菩提寺。開拓当時に掘られた井戸や県指定文化財の銅鐘、吉保直筆の「参禅録」などを見学できます。春はしだれ桜、秋には紅葉が美しく、撮影スポットとしても人気。

アクセス:東武東上線「鶴瀬駅」下車、ライフバス4番線・6番線でバス停「多福寺」下車、徒歩1分

農園レストラン「伊左衛門」
「みよし流」のイタリア料理に舌鼓

農園レストラン「伊左衛門」

約13品種のさつまいもを栽培している「はやし園」が経営する農園レストラン。三芳産の野菜やさつまいも、ハーブ類を使った本格的なイタリア料理が楽しめます。地元の雑木林で採れた薪を使い、イタリアから直輸入した窯で焼くピッツァもおすすめ。

アクセス:東武東上線「鶴瀬駅」下車、タクシーで15分

パサール三芳
ご当地グルメがいっぱい!

パサール三芳

関越自動車道にあるパーキングエリア。農産物直売所「食の駅」には、所沢市、ふじみ野市、三芳町などで収穫された新鮮な野菜や果物がたくさん。地域グルメの武蔵野うどんやさつまいもチップス、いもソフトクリームなども味わえます。

アクセス:関越自動車道 三芳PA(上り線)

時の鐘
小江戸川越のシンボル

時の鐘

約400年前の創建以来、地元の人々に親しまれてきた鐘つき堂。現在の鐘楼は、明治26年(1893年)に起きた川越大火の翌年に再建された4代目。1日に4回(午前6時、正午、午後3時、午後6時)、自動鐘打機による鐘つきが行われ、美しい音色を響かせています。

アクセス:西武新宿線「本川越駅」下車、徒歩15分

川越まつり会館
川越まつりをいつでも体感できる!

川越まつり会館

「川越氷川祭の山車行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されている「川越まつり」をテーマにした施設。実際に使われている山車2台や歴代ポスターなどが展示されているほか、まつり当日の様子を大型スクリーンで鑑賞できます。日曜・祝日に開催されている、お囃子の実演も必見!

アクセス:西武新宿線「本川越駅」下車、徒歩15分

菓匠右門 ルミネ川越店
川越名物の「いも恋」をお土産に

菓匠右門 ルミネ川越店

つぶ餡とさつまいもの輪切りをもちもちの生地で包んだ「いも恋」。ひとつひとつ手作業で作られていて、素朴でなつかしい味わいが楽しめます。ルミネ川越を含めて川越に6店、大宮に1店があります。お土産や食べ歩きにいかがですか。

アクセス:JR川越線・東武東上線「川越駅」下車すぐ

話題のスポット!

いも街道

おいしいさつまいもを存分に楽しめる「いも街道」

三芳町には特産品である「富(とめ)の川越いも」の生産農家が軒を連ねる「いも街道」があります。9月から1月頃までのシーズン中には、様々な品種のさつまいもや地元野菜の直売、焼きいもやさつまいものスイーツなどが楽しめて、散策にもぴったりなスポットです。

アクセス:東武東上線「鶴瀬駅」下車、ライフバス4番線・6番線でバス停「角屋」「上富小学校」「中組」下車すぐ

いも街道
感想を送る

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader