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農林水産省

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2025

6月号

健やかな食生活を送るための食中毒予防
知っておきたい食中毒予防の基本
食中毒を防ぐために家庭でどんなことができるのでしょうか。食材の購入、調理、保存に加えて、調理器具の取扱いや手洗いなどの注意点を詳しく解説します。
食中毒予防の3原則
食中毒予防には、その原因となる細菌やウイルスを「つけない」「ふやさない」「やっつける」ことが有効です。ここでは、家庭で役立つ実践方法を解説します。
1 つけない
食中毒予防は正しい手洗いから:調理前や食材を扱う前後、食事の前などは手を洗いましょう。お腹の調子が悪い時は調理を避けましょう。 魚や野菜はしっかり洗う!:魚や野菜、果物は表面に汚れや細菌などが付いている可能性もあるため、調理前に流水で洗いましょう。 ポリ袋を使ってドリップ漏れ防止:肉や魚のドリップは他の食材に細菌などを付着させる可能性があります。ポリ袋などに入れて保管しましょう。 箸や調理器具の使い分けを!:調理前の生肉や魚介類に用いる箸やトング等の調理器具は、他の食材に使わないようにしましょう。
2 ふやさない
食材に合わせて正しく保存:購入した肉や魚、卵などは帰宅後すぐに冷蔵または冷凍し、加工食品は表示された保存方法を守りましょう。 電子レンジや流水で速やかに解凍!:冷凍された食材を解凍する時は、冷蔵庫内で解凍するか、電子レンジ、流水で短時間に解凍しましょう。 料理は小分けして冷蔵・冷凍保存!:料理を保存する際は、短時間で温度が下がるよう、保存袋などに小分けして冷蔵や冷凍で保存しましょう。 残った料理を常温放置しない!:調理済みの料理は、早めに食べましょう。残った料理は放置せずすぐに冷蔵庫で保存しましょう。
3 やっつける
食材に応じてしっかり加熱:細菌やウイルスの多くは高温に弱いため、ひき肉や豚肉、鶏肉などの食材は中までしっかり火を通しましょう。 電子レンジは加熱不足に注意:電子レンジでは、熱が伝わりにくい食品があるため注意が必要です。加熱状態をよく確認しましょう。 再加熱する際はよく火を通して:保存してあったカレーやスープ類を再加熱する際は鍋底までかき混ぜ、全体にしっかりと火を通しましょう。 熱湯などでこまめに消毒:調理に使った包丁やまな板、スポンジなどは都度洗浄の上、熱湯や塩素系消毒剤で消毒しましょう。
最新データから読み解く食中毒予防 食中毒は何が原因で、どんな時期に発生しているのでしょうか。ここ5年間の最新データをグラフにまとめました。事実を知ることで有効な対策を立てることができます。
食中毒の原因は?2020年から2024年までの5ヵ年
病因物質別食中毒発生件数の割合
細菌30.1% ウイルス14.6% 寄生虫46.1% 自然毒6.3% 化学物質1.0% その他0.3% 不明1.5% 出典:厚生労働省「食中毒統計資料」を基に作成
食中毒の主な原因となるのは、カンピロバクター、ウエルシュ菌などの細菌やノロウイルスなどのウイルス、アニサキスなどの寄生虫、きのこやフグなどに含まれる自然毒です。細菌やウイルス、寄生虫による多くの食中毒は、食材を十分加熱することで予防できます。
食中毒は年間を通して発生しています 令和元年~令和5年までの5ヵ年平均
病因物質別月別食中毒発生件数
令和元年~令和5年までの5ヵ年平均 出典:厚生労働省「食中毒統計資料」を基に作成
食中毒は一年を通して発生しています。病因物質別に見ると、夏は細菌が多くなり、冬にはウイルスが多くなる傾向があります。夏は気温が高く、多くの細菌が繫殖しやすいです。冬はノロウイルスなどの感染性胃腸炎が流行し、感染したヒトが調理の際に食品を汚染して食中毒が多発します。
基本をマスターしよう!正しい手の洗い方
食中毒予防の第一歩は、正しい手洗いから。帰宅時や調理の前後、食事前など、こまめに手を洗うようにしましょう。時計や指輪などは手洗いの前にはずしておきましょう。
流水で手を洗いましょう せっけんをつけて十分に泡立てましょう 手のひらと甲をよく洗いましょう
指の間もよく洗いましょう 爪の間も十分に洗いましょう 親指は反対の手でねじるようにして洗いましょう
手首も忘れずに洗いましょう 流水で手をすすぎましょう 水気を拭きとりましょう清潔なタオル
素朴な疑問Q&A 日常生活の中で見落としやすいこと、意外な事実をまとめました。 Q買い物の時に気をつけることは何? A生鮮食品は新鮮なものを選び、消費期限を確認しましょう。肉や魚はそれぞれポリ袋に入れ、できれば保冷剤を使いましょう。買物が終わったら寄り道をせずにまっすぐ家に帰りましょう。
Qハンバーグは表面が焼けていれば中は生焼けでも大丈夫? Aハンバーグ、つくねなどのひき肉料理は細菌が内部に入っている可能性があるので、中までしっかり火が通るように加熱しましょう。中心部の色が変わり、透明な肉汁が出ることを目安にするといいでしょう。 Q料理に使う野菜は、見た目がきれいなら洗わなくても大丈夫? きれいに見える野菜でも表面に汚れや細菌などが付いている可能性があるので、調理前に流水で洗ってから使いましょう。火を通さず生のまま食べる果物も同様です。
Q家の中にいれば手洗いはしなくても大丈夫? A家の中にいても手洗いは必要です。咳やくしゃみをしたり鼻をかんだ後、トイレの後、ペットと触れ合った後などには手を洗いましょう。食事前や調理の前後、調理の間も必ず手を洗いましょう。 Q新鮮な鶏肉なら刺身や生焼けでも大丈夫? A新鮮な鶏肉にも食中毒の原因となる細菌が付着している可能性が高いので、必ず中までしっかり火が通るように加熱しましょう。
Qじゃがいもの芽や緑色のじゃがいもの皮はそのまま料理しても大丈夫? Aじゃがいもの芽や緑色に変化したじゃがいもの皮には、天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれます。芽とその周囲、緑色に変化した皮とその周囲はしっかり取り除きましょう。加熱調理しても毒素の量は大きく減りません。Q料理に使う肉は、しっかり洗って使うのが正しい? A肉の表面には細菌等が付いている可能性があります。肉を洗うことで細菌等が飛び散り、他の食材や調理器具へ付着する可能性があるため、肉を洗うことは厳禁です。ドリップが気になる場合は、キッチンペーパーなどで拭きとってから料理しましょう。
Q飲食店で食べ残した料理を持ち帰って食べる時の注意点は? A食べ残しの持ち帰りに飲食店が同意しても、その食品の取り扱い責任は消費者にあります。帰宅してすぐに食べられない場合は放置せず冷蔵庫で保管し、早めに食べきりましょう。異味異臭を感じた時は食べないようにしましょう 協力:(公社)日本食品衛生協会(https://www.n-shokuei.jp/)
Q飲食店で食べ残した料理を持ち帰って食べる時の注意点は? A食べ残しの持ち帰りに飲食店が同意しても、その食品の取り扱い責任は消費者にあります。帰宅してすぐに食べられない場合は放置せず冷蔵庫で保管し、早めに食べきりましょう。異味異臭を感じた時は食べないようにしましょう 協力:(公社)日本食品衛生協会(https://www.n-shokuei.jp/)
手洗いマイスター制度
(公社)日本食品衛生協会手洗いマイスター 効果的な手洗いの普及を目指し、(公社)日本食品衛生協会は手洗いマイスター制度を定めています。手洗いマイスターとして認定されるのは、講習会を通じて手洗いの意義や手順、環境整備の必要性等に関する知識を身につけ、実践する食品衛生指導員です。地域の手洗い指導の中心となって活動する手洗いマイスターは、食品事業者や消費者を対象に、手洗いの重要性への理解を深め、効果的な手洗いを習慣化できるよう指導、啓発活動を行い、人の手を介した二次汚染による食中毒の予防に役立っています。
今週のまとめ
家庭内で食中毒を予防するために大切なポイントをまとめました。これらを日々の暮らしの中で習慣化することで、食中毒を防ぎましょう。安全な食生活を送るために、ぜひ実践してみてください。
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お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

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