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農林水産省

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茨城県五霞町地域循環型農業実践協議会

栽培マニュアル

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主体概要・取組概要

茨城県五霞町では、農業の担い手の減少に伴う、農地の集積が起きており、大規模農業法人化と、個人・家族経営的小規模農家の二極化が進んでいます。作業の効率化により、収量を増加させることや、付加価値のある収益性の高い作物の耕作を増やすことが課題のひとつとなっており、「グリーンな栽培体系への転換サポート事業」を活用し、地域に適した栽培実証を行っています。

構成員:坂東地域農業改良普及センター、農業者、五霞町産業課

取組内容

検証事例

農業者紹介

事業概要

米は業務需要をターゲットとし、自社で検査・精米する体制を整えています。その他に、かんしょを生産、干し芋に加工、販売を実施するなど、事業の多角化を進めています。

今後の展望

かんしょは米の労力削減で生じた余剰労力を活用し、作付面積を拡大していきたいです。それに伴い、生分解性マルチ、ドローンといった省力化技術を積極的に導入したいです。

「生分解性マルチ」による石油由来資材からの転換と省力化(作業負担の軽減)

これまでの石油由来成分のポリマルチから、生分解性マルチに変更することで、収穫時のかんしょを掘る前に行うマルチの回収の作業が不要となるため、省力化を目指した検証を行っています。

農業者の意見

Q. 検証を行った背景は?
かんしょの収穫期にマルチの回収の作業負荷があまりに大きく、お客様のニーズの大きい干し芋の耕地面積を増やす上で、大きな障害となっていました。マルチの回収の省力化を図れるため導入を決めました。
Q. 作業上の効果は?
かんしょの収穫に際してマルチの回収の作業工数が一つなくなることで、収穫期間が2週間短縮できることが試算されました。また、8人で1日かけてマルチの回収をし、3日芋を掘る、そしてまたマルチの回収という作業の繰り返しでしたが、毎日収穫ができるようになり、芋掘り期間が短縮されました。マルチの回収という過酷な重労働から解放され、従業員も喜んでいます。
Q. 経営上の効果は?
(ア)収穫期に「掘り」作業に専念できます。
(イ)収穫期間の2週間短縮により、霜害・雪害による作物の収量の低下を防ぎ、損失を減らすことができます。
(ウ)浮いた時間と労働力を、付加価値のつけた加工品の干し芋の生産に振り分けることができます。
(エ)作業工数(時間)の減少により、より広い耕地面積をかんしょ栽培に充当することができます。
Q. 今後の要望は?
世界的な資材価格の高騰により、生分解性マルチの価格も上昇しています。生分解性マルチの価格が下がってくると導入しやすくなるため、普及が進み、温室効果ガス削減につながると考えています。

「ペレット堆肥」による化学肥料の使用低減

もみ殻・米ぬか由来のペレット堆肥を開発することで、化学肥料から有機性資源の循環利用への代替を進め、低コスト化と環境負荷低減の両立を目指して検証しています。

農業者の意見

Q. 検証を行った背景は?
米作りをするうえで大量発生するもみ殻、米ぬかという廃棄物の有効活用は、長きにわたる課題でありました。自社で排出した米ぬかや、近隣の養鶏場から排出される鶏糞などの未利用資源だけを原材料として製造できるようになれば、完全な循環型のペレット堆肥となり、さらに、環境負荷低減、持続可能な循環型社会への貢献ができると考え、導入を決めました。
Q. 作業上の効果は?
ペレット堆肥は、ブロードキャスターで散布できるので、機械を交換する必要がなく、同じ機械で全ての肥料が散布できます。一度に6m~7mを短時間で散布できて、効率が良いと考えています。
Q. 経営上の効果は?
まだ、収量や品質などの結果がでていませんが、まいた直後から、土の手触りが変わったことを実感しています。一方、現在保有しているペレット製造機の生産能力が低いことから、規模に見合った、製造能力の高い機械設備の導入を検討しています。
Q. 苦労したことは?
ペレット堆肥の作成にあたり、手引きが何もないことです。普及センターの協力をいただきながら、米ぬかの割合等など、何度も配合を変えて、試作を繰り返しました。今回の実証を通じて、暫定版の手引きを作成したいです。

普及指導員からの視点

現段階では、概ねスケジュール通りに調査は進んでいます。ただし、効果があるかというところについては、作業の軽減という側面だけではなく、経営として取り入れるメリットがあるのかという側面を含めての解析が必要となります。そのため、一年通してデータ収集と解析が必要だと思います。全面的な普及に向け、まだ道半ばと考えています。水稲だと8月下旬から9月にかけて収穫が最盛期を迎え、かんしょは7月の終わりから9月ぐらいまで続くと思います。収穫後は、その評価をいたします。収量を量ったり、品質を見たり、全体のデータを集め、効果があったかどうかを判定するのは年明けになると思います。集めたデータ、分析データを元に、協議会では、1月~2月頃に成績の検討をいたします。メンバー間で評価検討を行い、五霞町産業課とも協議しながら、該当技術の「導入手引き・マニュアル」の暫定版を作成し、試行錯誤を繰り返し、農家さんと一緒に改善していきながら、地域での普及活動につなげてまいりたいと思います。

お問合せ先

農産局技術普及課

担当者:みどりユニット
ダイヤルイン:03-6744-2107