活動レポート Vol.1:私たちのガーデン&研究のビジョンを紹介します(千葉県立成田西陵高等学校)

千葉県立成田西陵高等学校・チームつむぎの庭 にほんあかね組
私たちはこんな取り組みをします!
- ガーデンのテーマ:文化をつむぐガーデン ~地域課題の解決と循環型で育てる草花の新しいかたち~
- 課題研究テーマ:植物資源の活用による地域課題の解決と環境にやさしい草花栽培の取り組み
〇放置竹林を地域資源に
千葉県成田市に位置する本校は、自然豊かな環境に囲まれ、稲作を中心とした農業が営まれてきました。しかし近年、農業の担い手不足や里山の管理不足により、耕作放棄地の増加や竹林の間伐管理の不十分さが地域の課題として浮き彫りになっています。 本校では、隣接する竹林を活用した竹細工の授業を通じて、地域資源の有効活用に取り組んでいます。昨年度には本校に炭化器が導入され、活用方法について検討を進めてきました。この炭化器を用いて竹炭を作り、土壌改良材として用土に施すことで、環境にやさしい栽培方法の確立を目指しています。竹炭の活用により、地域資源の循環利用と持続可能な農業の実現に貢献したいです。〇日本古来の染料植物である「日本茜」の魅力発信
さらに園芸科作物専攻では、耕作放棄地の解決を目指し、日本古来の染料植物である「日本茜」を栽培し、伝統的な染色技術の再興と成田市内の地域行事等で染料を用いたつまみ細工体験を実施し、その魅力を発信し、地域のつながりを深めています。今回のガーデン制作では、こうした取り組みをさらに発展させ、地域課題の解決と環境にやさしい草花栽培の推進を目指します。「日本茜」と「竹」という日本の文化に根付いた二つの植物資源を最大限に活用し、次の世代に受け継ぐ(つむぐ)ガーデンを制作したいと考えています。
![]() 竹の活用イメージ |
![]() 日本茜 |
ガーデンのデザイン
割った竹を編んで竹細工を作り、作品として展示。周囲に絡みつくように成長するつる性植物の日本茜の特性を活かし、成長するにつれて竹細工を覆うようにし、輪生でかわいらしいハート型の葉をした日本茜を見せるように工夫しました。日本茜は半日陰を好むため、割った竹は複数本束ねるようにしてアーチ状に描き、日本茜の生育環境を配慮します。用土には竹炭を混ぜた土壌改良材を使用し、「竹」を最大限に活用したいと考えています。竹細工は、(ア)門松に見立てた制作物 (イ)草花プランター (ウ)雪吊りに見立てた制作物 の3つを制作する。プランターには、ペチュニアなどの季節に合わせた草花を植栽し、色合いを演出します。![]() 8月頃のイメージ1 |
8月頃のイメージ2 |
課題研究の内容と活用方針
(1) 竹
1)竹細工(プランター)
敷地内の竹を活用して竹細工を制作し、本校文化祭にて展示。展示中は、制作物に対する印象についてアンケートを実施し、人の感性に与える影響を明らかにし、竹の素材から心理的効果の傾向などを考察します。
2)竹ひごのランタン
竹ひごで骨組みを作り、伝統的な技法でランタンを組み立てます。竹ひごのランタンを制作できる体験コーナーを設け、自然素材の魅力や手仕事の楽しさを広く発信します。
(2)使用する草花
みどり戦略学生チャレンジに応募し、有機栽培を実践するとともに、竹を炭化器で炭にした後、その炭を草花の用土に混ぜて土壌改良材として活用します。竹炭を混ぜた土壌を使った花壇を設置し、通常の土壌と比較して植物の生育の違いを明らかにします。今後の活動に向けた意気込み
私たちの学校は、自然に囲まれた環境の中で、地域の課題に向き合いながら学びを深めています。今回のガーデン制作では、「日本茜」と「竹」という昔から日本に親しまれてきた植物を使って、地域の魅力を再発見し、次の世代につなげていきたいと考えています。竹炭を使った土づくりや、日本茜の染料を使った体験活動などを通して、環境にやさしい農業や地域とのつながりを大切にしながら、私たち自身も成長していきたいです。このガーデンを制作することでみんなが笑顔になれるような場所になるように一生懸命取り組んでいきます!

関連リンク
~未来咲きガーデンプロジェクト(2027年国際園芸博覧会政府出展参画プログラム)とは?~
2027年、横浜市で日本では37年ぶりとなる最上位クラスの国際園芸博覧会が開催されます。農林水産省と国土交通省は、開催国政府として「日本の自然観を再考し、未来へ進む」をテーマに魅力ある展示の準備を進めています。その一環として、農林水産省は、次世代の花き園芸、造園、農業の担い手となりうる高校生を対象に「花とみどりで創る景色」をテーマとしたガーデン制作と課題研究活動のプログラムを企画しました。
全国から応募のあった中から5グループが採択され、採択された高校生たちは、世界各国から集まる来場者に向けて、来場者に共感や発見を届けるガーデンづくりに仲間と共に挑戦します。活動の様子を随時発信していきますので、応援よろしくお願いします。
~日本政府出展について~
農林水産省と国土交通省は、「日本の自然観を再考し、未来へ進む」をコンセプトに出展します。
政府出展が位置するのは、横浜市内を流れる和泉川の流頭部。この貴重な自然環境を引き継いでいくため、流頭部の自然環境を読み解き、既存の樹木や在来の植物を活用し、屋外展示では美しい風景としての「令和日本の庭」をつくりあげます。また、屋内展示ではプラネタリーバウンダリーといった地球規模の課題について、“みどり”で解決する可能性を体感・共感し、来場者が考え、ひとりひとりが取り得る行動への一歩を提案します。
(※政府出展のイメージ)
お問合せ先
農産局園芸作物課花き産業・施設園芸振興室
代表:03-3502-8111(内線4827)
ダイヤルイン:03-6738-6162








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