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農林水産省

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果樹の予防減災情報

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1.情報収集

2.暴風雪や大雪に備えるための予防減災情報

降雪前の準備・点検

  • 緊急時に即時対応できるよう、除雪機の点検整備を行い、必要に応じ園地へのアクセスを確保(道幅のガイド設置、道普請等)しておきましょう。
  • ビニールハウスや果樹棚の資材の接合部の緩み等の確認、特に、基部の腐食の確認を行い、損傷が見られる場合は補修、部品の交換を行いましょう。
  • 加温ハウスにおいては、加温時に速やかに融雪されるように被覆資材の破れや隙間の点検・補修を行いましょう。なお、豪雪が想定される場合には、雪が積もる前から暖房機を稼働させるとともに、二重被覆などを行っている場合は、内側の被覆を解放し、融雪を促進しましょう。
  • 融雪時に排水が不良となることがないように、ビニールハウスの排水路のゴミを取り除きましょう。
  • ビニールの表面に雪の滑落を妨げるような構造がないか確認し、除去・補修をしましょう。
  • 無加温ハウスにおいては、積雪前に、速やかに被覆資材を取り除きましょう。
  • ビニールハウスや果樹棚の骨組みに多目的防災網や遮光資材や防風ネット等を残す場合は、着雪が最小限になるように丁寧に結束しましょう。
  • 露地栽培の場合は早期の摘果・せん定(凍害が懸念される場合は粗剪定)を実施しましょう。
  • 特に苗木・幼木や改植後間もない若木については、結束して樹冠を縮める、支柱により接木部を補強する等の対応を講じましょう。
  • 積雪時の野そ被害を低減するため、樹幹へのプロテクター等の巻きつけ、忌避剤の塗布や散布、殺そ剤の散布に努めましょう。

被害拡大防止のための対策

  • 安全が確保できる範囲で、樹園地を見回り、ビニールハウスの骨組みや果樹棚、枝等の雪おとしを行いましょう。なお、ビニールハウス上の除雪を行う場合は、骨組みが損傷しないようにバランスに注意しながら除雪しましょう。
  • ビニールハウスに大量の雪が堆積しハウス全体の損傷が懸念される場合は、安全に十分配慮の上で被覆資材の切断を行い、雪を内側に落とすことも検討して下さい。
  • 施設の骨組み等にゆがみが確認されたら仮支柱や筋交い等による補強を行いましょう。
  • 必要に応じて除雪を行いましょう。
  • 雪に埋まった枝は沈下しないうちに可能な限り掘り起こし、困難な場合は、スコップで雪に切れ目を入れるか、樹冠下の雪踏みを行いましょう。
  • 落下した果実は、農薬散布から収穫までの経過日数に留意し、必要に応じて低温保管、選別の徹底、早期出荷等に努めましょう。
  • 資材による雪面の黒化による融雪を行う場合は、施用する資材に含まれる肥料成分含量に留意し、春肥の調整を行って下さい。

寒害対策

  • 低温に弱いかんきつ類等の常緑果樹は、次の点に留意しましょう。
    1.寒冷紗や不織布等で被覆し、樹体が直接寒風にさらされることや樹体の凍結を防ぎましょう。
    2.特に苗木、幼木や改植後間もない若木は寒さに弱いため、コモや不織布等で樹体を保護する等の防寒対策に努めましょう。
    3.土壌の過乾燥を防止するために、かん水が可能な場合は、かん水を行いましょう。
    4.防風垣や防風網を設置している場合は、裾の部分の巻き上げを行い、冷気の停滞を防止しましょう。
    5.敷わら栽培では、地表面での熱移動が妨げられるため、敷わらの全面被覆は避けましょう。
    6.収穫・出荷期を迎える中晩柑等は、異常低温が予想される前に収穫適期の果実を収穫しましょう。
    7.寒害等によりヤケ、苦味、す上がり等の果皮・果肉障害が発生した場合には、出荷時にこれらの果実の混入防止に細心の注意を払いましょう。
    8.冬期に開花から結実を迎えるびわは、通常の袋掛けの上にアルミ蒸着袋を重ね掛けするなど、幼果の保温対策に努めましょう。
  • 落葉果樹は、凍害のおそれがある場合には、主幹部への白塗剤の塗布、わら巻き等の防寒対策を行いましょう。

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3.豪雨や台風等の風水害に備えるための予防減災情報

樹体への対策

  • 倒伏の恐れのある樹体は支柱により補強しましょう。
  • 着果した太い枝は支柱で支え、固定する等の補強をしましょう。
  • 幼木・若木は主枝が折れないよう、支柱を添えて固定する等の補強をしましょう。

資材の点検

  • 防風ネットやマルチ資材にほつれなどが無いか確認しましょう。
  • 果樹棚のゆれや倒壊を防ぐため、杭等を追加設置しましょう。

園地や周辺の対策

  • 排水が速やかに行われるよう、園地周辺の排水路や排水溝の点検、清掃を行いましょう。
  • 樹冠下の土壌流出を防ぐため、敷ワラや敷草を行いましょう。

事前の収穫

  • 農薬散布から収穫までの経過日数に留意した上で、収穫可能な果実は早めに収穫しましょう。

被害拡大防止のための対策

  • 豪雨や台風の後は、かんきつかいよう病、黒星病、モモせん孔細菌病等の発生・感染拡大が懸念されます。防除基準に基づき、薬剤散布等により適切に防除しましょう。
  • 既にり患している枝や葉等があれば園外に処分しましょう。
  • 海に近く、海水を含んだ風雨にさらされた場合には、樹体から塩分を落とすため、速やかにスプリンクラーや動力噴霧器等による散水を行いましょう。

4.融雪出水期に備えるための予防減災情報

降雪への注意

  • 大雪等が見込まれる場合には、降雪前の準備・点検を行い、必要に応じて支柱等による枝の補強、防風網や果樹棚、マルチ資材等の点検・補修・補強などを行いましょう。

融雪期の対策

  • 雪に埋まっている枝は可能な限り掘り起こし、困難な場合は、スコップで雪に切れ目を入れる、若しくは樹冠下の雪踏みを行いましょう。
  • 数日間の晴天が見込まれる時期を見計らい、融雪促進剤を散布し、併せて、融雪水の排水対策を行い、湿害防止に努めましょう。
  • 枝折れ等の被害状況を確認し、樹体の損傷の程度に応じて、支柱やボルト等を使った損傷部の癒合や改植を検討しましょう。
  • 損傷した樹体は病虫害の被害を受けやすいので、発生動向に十分注意し、適切な防除に努めましょう。
  • 特にわい化栽培りんごは、支柱の設置や、雪解け時の融雪促進剤の散布により雪害防止に努めましょう。
  • 野そ害の防止のため、樹の周りの雪踏み等をこまめに行って食害防止に努め、樹幹と周囲の雪に隙間が生じた際には、樹幹基部の空洞部への殺そ剤の投入や樹幹周囲の雪の踏み固めを実施しましょう。
  • 野その食害を受けた場合は、被害部への塗布剤処理を早急に行いましょう。

高温傾向に伴う栽培管理等対策

  • 開花の前進化が見込まれる場合は、開花期から幼果期における降霜及び予期しない低温による凍霜害の発生が懸念されることから、防霜ファンの稼働等により霜害の発生防止に努めましょう。
  • 燃焼で降霜を防ぐ場合は、火災防止等の観点から周辺環境に十分配慮し、固形燃料や灯油、軽油等ばい煙の発生の少ない燃料を使用しましょう。
  • 凍霜害の発生が懸念される場合は、摘蕾・摘花を控えめに行うとともに、蕾や開花の時期に霜害を受けた場合は、残存花への人工授粉を行い、結実の確保に努めましょう。
  • 幼果が霜害を受けた場合は、果実の状態を十分観察した上で摘果を実施しましょう。
  • 生育の前進による品種間の開花時期の不揃い、訪花昆虫の活動低下による受粉の不良等による結実不良が懸念される場合は、摘蕾・摘花を控えめに行うとともに、適切な時期に人工授粉を行い、結実の確保に努めましょう。
  • 日本なし等の施設栽培においては、低温要求を十分満たさず、自発休眠覚醒の遅延が懸念されるため、必要に応じ、休眠打破剤を使用し、低温遭遇時間に留意して加温時期の適正化に努めましょう。
  • 病害虫の早期発生が懸念されるため、果樹園での発生状況や病害虫発生予察情報等に留意し、適時適切な防除に努めましょう。
  • 罹病部位の除去等ほ場の衛生管理に努めましょう。

損害の補償

  • 自然災害に備え、収入保険または果樹共済に加入しましょう。
  • 詳しくはお近くの農業共済組合等にお問合せください。

関連情報(リンク)


5.凍霜害に備えるための予防減災情報

凍霜害に対する事前対策

  • 1.晩冬が高温傾向で推移した場合、また、発芽・萌芽が平年と比較して早期に観測された場合等、凍霜害の発生が懸念されることから、気象予報機関の発表する低温に係る予報や営農指導機関の指導に沿って、防霜ファンの稼働、燃焼資材の活用等により凍霜害の発生防止に努めましょう。
  • 2.燃焼資材を活用して空気を循環することで凍霜害を防ぐ場合は、火災防止等の観点から周辺環境に十分配慮し、固形燃料や灯油、軽油等ばい煙の発生の少ない燃料を使用しましょう。
  • 3.凍霜害の発生が懸念される場合や、品種間の開花時期の不揃い、訪花昆虫の活動低下による受粉の不良等による結実不良が懸念される場合は摘蕾・摘花を控えめに行いましょう。特に凍霜害に弱い樹種・品種の作業は作業適期の範囲でできるだけ遅らせましょう。
  • 4.確実な結果のため、人工授粉等を含め基本的技術を励行することとした上で、蕾や開花の時期に凍霜害の発生が懸念される場合は、残存花への人工授粉を行い、結実の確保に努めましょう。

凍霜害の発生リスクが高い時期における対策

  • 1.気象予報機関の発表する低温に係る予報、営農指導機関の指導に傾聴し、凍霜害のリスクがある場合には、 積極的に防霜対策を検討しましょう。
  • 2.なお、これまでの凍霜害の発生時には、以下のような気象状況となることがあるので留意してください。

         (ア)夜間を通じて上空に雲が無く、風が弱い場合 放射冷却が予想される状況

         (イ)夕方の湿度が比較的低い場合


凍霜害発生後の被害対策

  • 1.幼果が霜害を受けた場合は、果実の状態を十分観察した上で摘果を実施しましょう。
  • 2.病害虫の早期発生が懸念されるため、果樹園での発生状況や病害虫発生予察情報等に留意し、適時適切な防除に努めましょう。
  • 3.罹病部位の除去等ほ場の衛生管理に努めましょう。

凍霜害発生リスクとなる栽培管理上の留意点

  • 草生栽培において下草が伸びた状態や、敷きワラ等のマルチ栽培は、日中の地温の上昇や夜間の土壌からの放熱を妨げ、園内の冷却を助長することから、下草は常に低く刈り込むとともにマルチは凍霜害の危険期を過ぎてから行いましょう 。

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お問合せ先

果樹・茶グループ

担当:果樹振興班
代表:03-3502-8111(内線4793)
ダイヤルイン:03-3502-5957