指定の公示について(指定番号第155号)
更新日:令和6年12月20日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Armagh Bramley Apple(アーマー・ブラムリー・アップル)
1 | 指定年月日 | 令和6年12月20日 |
2 | 指定番号 | 第155号 |
3 | 締約国の名称 | グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国) |
4 | 農林水産物等の区分 | 第1類 農産物類果実類(りんご) |
5 | 農林水産物等の名称 | Armagh Bramley Apple(アーマー・ブラムリー・アップル) |
6 | 農林水産物等の生産地 | イギリス (別添)(PDF : 98KB) |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 アーマー・ブラムリー・アップルは、定義された地域で栽培されているブラムリーのリンゴに与えられた名前です。このリンゴには以下のような特徴があります。 - 大きめのサイズ(直径60~120mm) - 平たく頂部はゴツゴツした印象。部分的に開いている大きなくぼみ。 - 赤みがかった緑色。 - 茶色で柔らかいがく片。 - 短くて太い茎。 - 果肉は緑がかった白色で、ち密で硬い。 - 酸味がある風味。 - 調理後も食感と味を維持する。 - 長持ちするので、長期保存に最適。 (2)生産方法 アーマー・ブラムリー・アップルは、この地域の肥沃な土壌で(シルト質壌土または粘土質ローム)、1.5ヘクタールから4ヘクタールの典型的な規模の畑で栽培されています。すべての果樹園では、生け垣と防風林として、畑の境界に、アルナス、アイレックス、ポプリュス、クラタエグス、ベチュラなどの樹木が植えられています。樹木は、春に発生する北風や北東風の寒さからリンゴを守ってくれます。多くの場合、境界線の外にある畑周辺は、意図的に耕されておらず、下草が密集しているため、低い位置の防風効果を高めています。 樹齢や大きさに関係なく、夏・冬の剪定はすべて手作業で行います。一貫した作物収量とリンゴの品質を実現するには、冬と夏の剪定で、フレーム(frame)とキャノピー(canopy)を形成させることができる、長年の経験とスキルが必要です。 アーマーの生産者は、アーマー・ブラムリー・アップルの生産において、農業生産工程管理(GAP) を遵守することに誇りを持っています。ミツバチによる受粉は、一般的に開花期に行われます。噴霧機を用いた薬液散布作業は、これらの昆虫や他の益虫、および広範囲にわたる環境に害を及ぼさぬよう十分な注意を払って行われています。 アーマー ブラムリーの果樹園では、葉面散布が広く使用されています。通常の散布プログラムには、「ストレート」(単一)養液と海藻エキス入りの混合養液の両方が採用されています。 この方法は、結実した木に必要な養分を与え、土壌に施用された肥料を和らげるなど、具体的なニーズに合わせた散布に役立ちます。 リンゴは9月上旬から10月下旬にかけて手作業で収穫されます。収穫の時期は、季節、市場、果実の成熟度、樹齢や台木の種類によって異なります。収穫の開始日については、リンゴの大きさと、晩夏から初秋にかけての生育速度で決定することに、生産者たちの意見がほぼ一致しています。ほとんどのリンゴは、最低平均直径75mmに達した後、リンゴに含まれている炭水化物の20%以上がデンプンから糖に変わる段階を超えて成熟する前に収穫されます。収穫者は、リンゴの皮や果肉にダメージを与えない取り扱い方の訓練を受けています。これは、大部分のリンゴを、年間を通して市場に供給するために、管理された大気条件のもと貯蔵するためです。 [原産地証明] 生産者は、収穫時にリンゴの箱にラベルを貼り、コード化を行っています。この識別コードは、サプライチェーン全体の在庫記録に残ります。ラベルには次の情報が含まれています。 収穫日 果樹園コード リンゴ箱コード 収穫者のID番号 [検査機関] Armagh City and District Council, Environmental Health [ラベリング] 上記の「生産方法」 に記載されている情報を含め、承認マークが使用されます。 (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 • リンゴの豊富な成長をもたらす地理、地形、気候条件 この地域は、大西洋の気象システムによる降水量が年間最大80インチ、メキシコ湾流の影響により平均気温が3℃(冬)から18℃(夏)になるなどの気候の影響を受けます。 他のブラムリーに比べて丸みが少ないのも、寒冷な気候の影響です。涼しい気候は、個々の果実の子房全体で不均一な受粉につながります。最初に受粉した子房は他よりも先に膨らんで大きくなります。そのため、アーマー・ブラムリー・アップルは特徴的な非円形の形になります。 アーマー・ブラムリー・アップルの果樹園は、他の果樹園とは異なり北部に位置しており、気候の影響でリンゴの生産数は少ないのですが、豊かな風味を持っています。生産数が少ないため、ブラムリーの生産コストは高くなってしまいます。 アーマー県の独特の栽培条件により、他の場所で栽培されているものよりも、しっかりとしていて、密度の高い果実が生産されます。カルシウムや必須栄養素を豊富に含む肥沃な土壌と、純粋で豊富な水の供給に恵まれたアーマー県は、世界に類を見ない素晴らしいリンゴを生産しています。 また、土壌が豊かで降水量が多いため、人工的な灌漑の必要がありません。これらの恩恵を受け、アーマー・ブラムリー・アップルからは、密度の高い食感を得ることができます。この特徴により、リンゴは長期間(12~13ヶ月)保存することができ、調理後も食感と味を維持することができます。 北部に位置するため、他のブラムリーの果樹園に比べると日光が少ないため、(光合成の作用により)樹木の密度が低くなり、横方向に成長します。他のブラムリーの果樹園よりも寒冷な気候のため、アーマー・ブラムリー・アップルは成長の均一性が低く、虫の害が少ないため、殺虫剤の使用は1シーズンに1回だけとなります。殺虫剤の使用量が少ないため、リンゴを余すことなく食べることができます。気温が低いということは、成長期が長くなることも意味します。長い成長期と涼しい気候のため、より大きくしっかりしたブラムリー アップルに成長し、均一性が少ない形、より強い独特の風味をもたらしてくれます。 • 長い伝統と高い評価 アーマー県は、アイルランド全土に果樹園県として知られており、3000年前からここでリンゴの栽培が行われてきました。聖パトリックが、アーマー県の東部にある古代集落セアンゴバに、リンゴの木を植えたと言われています。 ブラムリー種のリンゴは、1884年にニコルソン氏がヘンリー・メリーウェザー氏から60本のブラムリーの苗を購入し、北アイルランドに紹介したのが始まりです。1921年までには、7000エーカーの畑にブラムリー種が植えられ、アーマー県の主要品種となりました。リンゴの加工は1903年に開始され、北アイルランドを代表する加工業者は、現在でも主な供給源であるアーマー県の果樹園近くにその拠点を置いています。 ブラムリー種のリンゴは、独特の食感と風味があり、料理用リンゴの王様としての地位を確立しています。リンゴ酸が多く、糖分が少ないため、調理しても酸味がある風味を保ちます。このような特徴を持ったリンゴは、世界で唯一ブラムリー種のリンゴだけです。アーマー・ブラムリー・アップルは、しっかりした歯ごたえが評判です。そのため、保存期間が長く、調理しても食感を長く保つことができます。 果樹園県としてのアーマー県の評判は、もっぱらアーマー・ブラムリー・アップルによるものです。北アイルランドで栽培されている果物の99%がブラムリー アップルであり、その95%がアーマー県を拠点にしています。 アーマー県は、伝統的な民謡から地元のスポーツチームに至るまで、この地域の文化や風習全体を表し、果樹園県と呼ばれています。 「果樹園」(Orchard)という単語が、アーマー県と同義語になっているのは、アーマー・ブラムリー・アップルの影響ですが、指定地域にあるブラムリーとは無関係の多くの企業も、アーマー・ブラムリー・アップルの認知度の高さから、この地域を指すことを即座に理解してもらうために、「果樹園」という名称を使っています。 この地域にとってのアーマー・ブラムリー・アップルの重要性は、最大1500人の地元住民がその業界で雇用されているという事実だけではありません。「アップル ウィーク」や、10月の「アップル フェスティバル」などの伝統的なイベントが今も行われています。5月最後の日曜日は、地元の果樹園がピンクと白の花の海になることから、「アップル ブロッサム サンデー」に指定されています。観光客は果樹園を訪れ、アーマー ブラムリーのアップルパイを食べたり、アーマー サイダーでのどを潤すことができます。地元のレストランでは、アーマー ブラムリーのアップルパイ、アーマー ブラムリーのアップル シャーベット、アーマー ブラムリーのアップル クランブルなど、地元アーマー産のリンゴを使った料理を積極的に宣伝しています。アーマー ブラムリー レシピコンテストでは、前菜(ブラムリー アップルスープやアルスター デライト)、メインコース(ポークとブラムリー アップルの詰め物)、デザート(アーマー・ブラムリー・アップルケーキ、ブラムリー タフィープリン、アーマー イーストコースト スフレ)のレシピを競うイベントが開催されます。また、近くの果樹園に触発されて、ブラムリー アップル レンジ(Bramley Apple Range)を持っている地元の陶芸家もいます。 リンゴに関する風習もいくつかあります。聖スウィジンの日に雨が降ると豊作を意味し、木の下で木に乾杯すると最高の実が成る、そして、花と実を同時につけた木がある場合は、次の収穫までに家族に不幸があると言われています。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
ダイヤルイン:03-6744-0234