指定の公示について(指定番号第162号)
更新日:令和6年12月20日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Cornish Sardines(コーニッシュ・サーディン)
1 | 指定年月日 | 令和6年12月20日 |
2 | 指定番号 | 第162号 |
3 | 締約国の名称 | グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国) |
4 | 農林水産物等の区分 | 第4類 水産物類 魚類(イワシ) |
5 | 農林水産物等の名称 | Cornish Sardines(コーニッシュ・サーディン) |
6 | 農林水産物等の生産地 | イギリス 別添(PDF : 883KB) |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 コーニッシュ・サーディンは、指定された地域で漁獲・水揚げ加工された浮魚、サーディン ピルチャード(イワシ)に付けられた名称です。 この魚は、一般的に「ピルチャード」(pilchard)と呼ばれています。 コーニッシュ・サーディン/ピルチャードは、背中はメタリックグリーンまたはオリーブ色で、両側面は金色、腹は真珠光沢のある銀色から銀白色をしています。上部の側面に沿って濃い色の斑点が並んでおり、時には2番目または3番目の列があることもあります。 魚の大きさは季節によって異なります。 1キロだと、個体の大きさに応じて9~18匹が入っています。 体はやや円筒形で、腹部は丸みを帯びており、鰓孔から肛門にかけてわずかに隆起しています。 鰓蓋の下縁は滑らかに丸みを帯びており、下側の鰓がい骨は下向き放射線状に、3~5本ほど骨の形がはっきりと見えるようについています。 背びれは体の中央部にあり、後方2枚のしりびれは大きく、8つの骨盤のひれがあり、骨盤ひれが生えている箇所は背びれのかなり後ろに位置し、浮魚の中で最大の鱗を持っています。 鮮度が良い時の身はしっかりとしたキメの細かい食感がありますが、1℃を超えるとすぐに柔らかくなり、急激に劣化します。 魚の鮮度や肉の脂のレベルによって味の強さは個体差があります。 新鮮なコーニッシュ・サーディンは、明るい色でしまった身をしていて、鱗がたくさんついており、エラの色は濃いピンクか赤でなければなりません。 丸々としていて新鮮な匂いがし、瑞々しくてしっとりとした味わいがでる、夏の終わりが最高の状態になります。生鮮または冷凍で販売されます。 (2)生産方法 船は、地理的地域内の港から出航します。リングネット(刺網をしばり合わせたもの)や流し網を使って、コーニッシュ・サーディンを漁獲します。 リングネットまたは流し網を引き上げ、コーニッシュ・サーディンを船上におろします。 船上で、品質と鮮度を維持するために氷で冷やされます。船には、断熱容器や活漁倉を積んでいるものがあり、水揚げするまで魚を冷蔵保存することができます。 水揚げされたイワシは、船から直接または競り市場で、鮮魚店や水産加工業者に販売されます。 買い手は波止場地域や市場から魚を購入し、それぞれの工場へ搬送します。漁師は、どの水産加工業者がどの魚を購入したかを記録し、サプライチェーン全体のトレーサビリティを確保しています。 魚の加工方法はいくつかありますが、この文脈での一次加工は、フィレ・切り身、頭・内臓抜き、塩漬け、マリネ、冷凍、梱包のいずれか、またはそれらの組み合わせとみなされます。 ・フィレ・切り身加工とは、魚の頭と背骨を手動または機械で分離することです。 ・頭・内臓抜き加工は、尾ビレを残したまま(または取り除き)、頭と内臓を取り除くことです。 ・塩漬けまたはマリネ加工とは、塩および/または食酢を加えて水相を減少させ、腐敗菌が発生しない環境を作ることによって魚を保存することです。 ・冷凍加工とは、魚全体を0℃以下の温度に保管して、固体状態にすることです。 魚丸ごとの場合は、新鮮な魚を氷入りの保冷箱に梱包して、顧客へ配送します。もしくは、冷凍保存用の箱や袋に詰めて保存し配送します。 シーフード コーンウォール(Seafood Cornwall)は、加工業者がCSMAが合意した加工業者の最低限の品質と衛生基準を遵守しているかどうかをチェックします。 (原産地証明) 漁獲が行われると、漁師は、漁獲したトン数、場所、水深、漁法、混獲記録などのデータを、船に乗ったまま記録します。コーニッシュ・サーディン管理協会(CSMA:Cornish Sardine Management Association)がこのデータを収集し、データベースに記録します。 船長や経営者が漁獲物の詳細を記録し、CSMAに提出することはCSMAの要件です。このデータは、地理的地域内で捕獲されたことを示す証拠となります。 コーニッシュ・サーディンは、競り市場で販売されているか、または業者や加工業者との直接取引によって、鮮魚店や水産加工業者に販売されています。 漁師は、どの水産加工業者がどの魚を購入したかを記録し、さらにサプライチェーン全体のトレーサビリティを確保します。また、水産加工業者や鮮魚店も、どこから魚を購入し、誰に売ったのかを詳細に記録しています。これらの記録は、魚介類のトレーサビリティに関するEU法を遵守に準拠するために、加工業者が保管しています。このデータは、魚が地理的地域内で水揚げされ、加工されたことを示す証拠となります。 すべての漁獲物は、CIFCAと海洋管理機関(MMO:Marine Management Organisation)によって記録・監視されています。 (検査機関) Cornwall Council (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 コーニッシュ・サーディンの特徴は、漁獲方法と加工方法の伝統に基づいて地理的地域と結びついています。これは、文書で十分に裏付けられた伝統的な漁獲方法です。 コーニッシュ・サーディンは、この地理的地域の環境(コーニッシュ海岸近くの湾の浅瀬条件)に引き寄せられます。この水域は、魚が好む保護された環境だからです。北大西洋振動(NAO:North Atlantic Oscillation)は、コーンウォールが位置する大西洋地域の気候現象であり、一般的に温度と潮汐に関係しており、さらにこの気候現象により、コーニッシュ・サーディンの餌場となる植物プランクトンが生み出されます。 地理的地域との具体的なつながりとしては、魚がこの浅瀬に移動するときにイワシ漁が行われる点です。この独特の漁法は、先代からの伝統的な習わしを彷彿とさせます。 伝統的に、魚は岸に近づいたときに捕獲されていました。昔は、崖の上の見晴らし場にいた「ヒュアーズ(Huers)」と呼ばれる見張り番が、実際に浅瀬を監視していました。 見張り番は魚の群れを発見すると、船に手旗信号で「ヘブバ(hevva)」という掛け声を漁獲の合図に出しました。この合図を受け、漁師や町の住民たちが手伝いに来たそうです。漁師は見張り番の合図で、魚の群れの周りに半円を描くように長網の「引き網」を投げます。その後、引き網と止め網(stop nets)の連携により、魚を完全に囲い込みます。 このように、漁場は崖の上に立つ見張り番によって管理されていました。現代の技術により、崖の上の見張り番は監視塔に取って代わったものの、魚が集まる場所に関する知識は何世代にもわたって受け継がれています。近代的な技術が加わったことで、数十年の間に漁場の距離が沖合まで広がりましたが、地元の船は今でも、浅瀬に集まる魚をターゲットに、海岸の見える所で漁をしています。漁獲作業の地域的制限は、すべてCIFCAの6海里海領内にあるため、この漁場は漁獲地域の関連性を表しています。 16世紀から19世紀にかけて、ピルチャーズは、最も一般的な魚として知られており、とても貴重な製品でした。食物としては、長距離の輸送のために塩漬けにしたり、魚の油は、灯りや暖房のために使用されました。現代の冷蔵方法が導入される前の時代では、各漁村にはピルチャードを加工するための貯蔵庫がたくさんありました。魚を石蔵タンクに入れて塩漬け・圧搾していました。塩の作用で魚の水分を取り除いていました。魚は圧搾された後、市場で販売されていました。コーニッシュ・ピルチャーズの主な市場はイタリアでした。ナポリ(Naples)、ジェノヴァ(Genoa)、ヴェネツィア(Venice)、リボルノ(Livorno)などへ向けて帆船で出荷されました。何世紀にもわたって、漁業はコーンウォールの重要な産業でした。ニューリン(Newlyn)は今でも、イギリスのどの港よりも多くの魚が水揚げされており、コーニッシュ経済の重要な部分を占めています。 コーニッシュ・サーディン漁は、コーンウォールの重要な伝統であり、魚の位置を特定し捕獲する技術は、コーンウォールの長い伝統として、何世代にもわたって受け継がれてきました。船団は、329マイルのコーニッシュ海岸線に点在する港や湾、入り江から出航します。地理的地域との具体的なつながりは、魚が海岸に近づくと漁が行われる点です。昔は、見張り番が実際に浅瀬を監視していましたが、今は世代を超えて受け継がれてきた知識のみ活用されています。 この魚は弱くて腐りやすいため、迅速な水揚げが求められます。船は地元の港に戻り、そこから梱包、保管、加工のために工場に運ばれます。コーニッシュ・サーディンの水揚げと加工は、定義された地理的地域内であるCIFCA漁業地区、コーンウォール、およびPL4の郵便番号範囲のプリマスの行政/港湾区域で行われています。この地域には、過去に魚の加工が行われた伝統的な入江や港が含まれています。現代技術と衛生基準、そして沿岸地域の使用権の重圧などにより、工業団地の工場が港の村々にあった貯蔵庫にとって代わられましたが、すべての工場は地理的地域内にあります。 2002年に結成された、漁師と鮮魚店のグループであるコーニッシュ・サーディン管理協会(CSMA)は、最高品質の製品を維持し、コーニッシュ・サーディンの漁獲と販売の両方を管理・発展させる方法を考察することを目的としています。CSMAのメンバーの努力と製品の品質の高さのおかげで、コーニッシュ・サーディンという名称とその評判は、この10年間で大きく飛躍しました。 コーニッシュ・サーディンは、カシェ(公式認可)を獲得したイギリスの小売市場での販売量がとりわけ増加しています。コーニッシュ・サーディンは、Waitrose、Tesco、Marks & Spencerなど、イギリス大手の小売店の魚コーナーで販売されています。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
ダイヤルイン:03-6744-0234