指定の公示について(指定番号第170号)
更新日:令和6年12月20日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Newmarket Sausage(ニューマーケット・ソーセージ)
1 | 指定年月日 | 令和6年12月20日 |
2 | 指定番号 | 第170号 |
3 | 締約国の名称 | グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国) |
4 | 農林水産物等の区分 | 第6類 畜産加工品類 食肉製品類(ソーセージ類) |
5 | 農林水産物等の名称 | Newmarket Sausage(ニューマーケット・ソーセージ) |
6 | 農林水産物等の生産地 | イギリス ニューマーケット・ソーセージの生産地域は、ニューマーケットの町とその周辺地域が含まれ、具体的には以下の道路システムの範囲内です。 A14のジャンクション37から、A142の北、フォーダム(Fordham)からコリンズ・ヒル(Collins Hill)の通るリバー・レーン(River Lane)を左折し、ジャンクションB1102まで進む。ジャンクションを左折し、B1102を道なりにA142に合流するまで進む。次に、A142を道なりに、A1123に合流するまで北上。北西方向にウィッケンの村を通り、アップウェア・ロード(Upware Road)を南下してアップウェア(Upware)の村へ。 そのまま、グレート・ドローブ(Great Drove)、ヘッドレイク・ドローブ(Headlake Drove)、リトル・フェン・ドローブ(Little Fen Drove)、バーストン・ドローブ(Barston Drove)、フェア・グリーン(Fair Green)など細街路を進み、リーチ(Reach)村へ。スワファム・プライヤー(Swaffham Prior)を通り、B1102を南西に曲がってスワファム・バルベック(Swaffham Bulbeck)に向かい、次に南東をスワファム・ヒース・ロード(Swaffham Heath Road)に曲がり、A14を渡ってA1304をダリンガム(Dullingham)に向かいます。ダリンガムでB1061を渡り、ステッチュワース・ロード(Stetchworth Road)を進み、ディットン・グリーン(Ditton Green)を通り、ウッディットン(Woodditton)に入ります。そこからカートリング・ロード(Kirtling Road)を右折(南東)し、ウッドディットン・ロード(Woodditton Road)をカートリング・グリーン(Kirtling Green)まで進みます。ザ・ストリート(The Street)で左(北)に曲がり、カートリングへ。カートリングから北東に向かい、アップエンド(Upend)で1番目を右(南東)へB1063に向かって進み、B1063を左(北)に曲がります。B1063をB1085の分岐点まで進み、B1085を北に向かってダルハム(Dalham)まで進みます。B1085を道なりに、北西に曲がってモールトン(Moulton)までケントフォード(Kentford)方面に向かって進み、ジャンクション37に向かうA14の西方面へ進みA14に戻ります。 |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 ニューマーケット・ソーセージは、プライマルカットした新鮮な枝肉全体、肩肉、腹肉のいずれかを使用して作られた味付きポークソーセージです(内臓や副産物、機械による回収肉(MRM)、乳化した皮は使用していません)。 色は自然な肉の色の、濃いピンクベージュ色であり、数個の斑点があり、食感には乾燥した粗さがあります。目に見える大きさの赤身の肉片と脂肪があり、噛んだときわずかな歯ごたえがあります。 味は豚肉が主ですが、ハーブとミックススパイスの適度なスパイシーさがあります。これは、それぞれの精肉店によって調味料のブレンド方法が変わるため、味わいや色が異なる場合があります。 ニューマーケット・ソーセージの伝統的な味付けは、以下の組み合わせを含み、完成品の最大3%を占めなくてはなりません。 • 黒コショウ • 白コショウ • 塩 • タイム • パセリ • ナツメグ また、天然香料(乾燥レモン)、酸化防止剤(亜硫酸塩)、結合剤(リン酸ナトリウム)を添加することもできます。 ソーセージは、少なくとも70%の肉を含み、脂肪含有量は通常20%未満でなければなりません。生産者のレシピに応じて、パン、ラスク、水のバランスを調整します。 ニューマーケット・ソーセージは通常、長さ約10~15cm、直径2.5~3.5cm、外観はやや湾曲しています。また、チポラタソーセージ(8~12cm)、カクテルソーセージ(6cm)、ジャンボソーセージ(20~24cm)も製造しています。 それらは小売店やデリカテッセン(Delicatessen)で、パック入りかばら売りで販売されています。 (2)生産方法 ニューマーケット・ソーセージの製造、加工、準備は、豚肉、ハーブ、スパイスを使用して、定義された地理的表示区域で行われます。精肉店によって正確なレシピは異なりますが、白コショウ、黒コショウ、塩、タイム、パセリ、ナツメグに加え、酸化防止剤(亜硫酸塩)、結合剤(リン酸ナトリウム)、天然香料(乾燥レモン)などが、合計で最大3%添加されています。 レシピによると、パンまたはラスク、水が充填材として使用されます。 プライマルカットした新鮮な豚肉の枝肉全体、肩肉、腹肉のいずれかのみを使用しています。レシピでは、内臓や副産物、機械による回収肉(MRM)、乳化した皮は使用しません。 製造の各段階における豚肉は、冷蔵(0~4℃)に管理された冷蔵車で輸送されます。 豚肉は、骨や軟骨、余分な脂を手で取り除き、製品の一貫性のために検査を行います。次に、肉をあらく刻むか機械などを使用して細かく刻み、混ぜ終わった後、大きな肉片を目で確認できる状態します。 肉をミンチする際には、目的の粗い食感を出すために、プレートのミンチ穴は最低でも直径3mm以上にし、さらに、最終製品の中に軟骨が入ってしまうのを防ぐため、グリッスルプレートをミンチ機に取り付けます。 ミンチまたはみじん切りにした肉を、手またはミキサーなどを使用して、パンまたはラスク、水、ハーブ、スパイス、天然香料(乾燥レモン)、塩、コショウ、亜硫酸塩、結合剤、水や氷を入れて混ぜ合わせます。 氷は混ぜるときにソーセージの温度を下げてくれます。 また、調理後のソーセージがゆるく粗い食感を保てるように、混合物を過度に乳化させることなく、材料を均等に混ぜ合わせるようにします。 この食感を出すためには、機材の種類や混合にかける時間が重要なポイントとなります。 亜硫酸ナトリウム(防腐剤)の使用は、法定最大量の450ppmまでは許可されていますが、必須ではありません。 使用する場合は、この段階で追加されます(亜硫酸ナトリウムは20世紀後半からソーセージ製造に使用されています)。 ソーセージ肉を、豚(ソーセージの場合)や羊(チポラタの場合)の天然ケーシングに充填し、それぞれのソーセージの形にします。人工ケーシングは伝統的なものとは見なされていないため、使用しません。 充填を終えたら、ソーセージを形作るためにケーシングをねじります。このとき、長さ10~15cm、厚さ2.5~3.5cm(太いソーセージ)になるように注意します。チポラタソーセージでは、ケーシングを小さくする必要があります。 充填には、単純な圧力容器から高速自動充填機まで様々な機器が使われます。 充填工程では、食感が「乳化」してしまわないように、ソーセージ肉を詰め過ぎないようにします。ソーセージは、機械または手作業で連結状になります。連鎖状ソーセージは必要に応じて短く切断されます。シンプルな包装形態から、トレーを使用したガス置換包装(MAP)まで、様々な包装スタイルで販売されています。 [原産地証明] ニューマーケット・ソーセージを生産するために、ソーセージ生産者はトレーサビリティ記録を保管します(取引基準局の見積もり記録、または一般的に認識・テスト済のトレーサビリティシステムのいずれかを保管します)。 これにより、農場から食肉処理場/卸売業者、生産者まで、豚肉の移動ルートを追跡できます。さらに、1バッチごとに、原材料、バッチ番号、製造日、賞味期限、納品詳細(納品数と受取人の記録)が記録されます。小売業者は、ソーセージをばら売り、または生産者の名前と肉の含有量が記載されたパック入りで販売します。 完全なトレーサビリティシステムを導入しており、食肉の詳細は各バッチごと受領時に記録されます。これにより、豚肉の正確な出所をさかのぼることができます。サプライヤーの詳細、配達日と配達時間が記録されます。 記録には、食肉の配達に使用したプラスチック容器の数、納品書の番号、と畜日、製品の梱包日を含む配達の詳細が記載されます。これにより、必要に応じてサプライヤーのシステムを介して製品を追跡することができます。 製造プロセス中、各製品成分の供給元を含め、製造されたバッチそれぞれの詳細が保管されます。顧客注文表は、売上請求書を作成し、日々の生産記録と結びつけるための資料となります。製品を供給元までさかのぼって追跡できることを確認するために、定期的なテストが行われます。 [検査機関] Product Authentification Inspectorate Ltd (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 (i) 地域との伝統的なつながり 17世紀から、ニューマーケットの町は競馬場で有名です。ソーセージは、競走馬の厩舎に結びついた、養豚の伝統から発展しました。そこでは、競馬場をきれいに保つために、豚に残飯を食べさせていたのです。1881年と1891年の国勢調査によれば、20世紀初頭から、ニューマーケットにある多くの精肉店がソーセージの製造を開始しました。 現代の厩舎では豚はもう飼われていませんが、ニューマーケットが位置するイギリスのイースト アングリア地方は養豚で有名です。これは、この地域に耕作地/穀物農場が集中していたためで、豚はその穀物の副産物を飼料にしていました。ソーセージ作りに使われていたパンは、もともと地元のパン屋の残り物で、時間がたって「焼きたて」として売れなくなったパンの使い道を探していたため、使用されるようになりました。その習慣が現在も残っているのです。 (ii) 製品の評判 ニューマーケット・ソーセージは、すぐに王室のメンバーを含む競馬愛好家たちの間で人気の軽食になりました。19世紀初頭からは、王室御用達のソーセージとしても親しまれてきました。 ソーセージの人気は競馬界をはるかに超えて急上昇しました。ニューマーケット地方歴史協会の資料によれば、とある鉄道員は、鉄道通信が頻繁になったころには、競馬の繁忙期に、毎週2~3時間かけて、競馬場に到着する列車にソーセージの包みをいくつも予約していたという記録があります。 ニューマーケット・ソーセージのレシピは、ヴィクトリア女王の時代から変わっていません。オリジナルのレシピが、世代を超えて受け継がれています。ソーセージは、昔も今も変わらぬ厳しい基準で作られています。小さなバッチごとに丁寧に手作りされたソーセージは、着色料や添加物を一切使用していません。 ニューマーケットは、1622年にジェームズ1世がこの地で最初のレースを開催して以来、競馬で有名な場所です。国王は1604年2月27日にニューマーケットを訪れ、町を取り囲む荒野でウサギ狩りをしたことがあり、それ以来、頻繁にこの町を訪れるようになりました。1665年にチャールズ2世によってニューマーケットで開催された世界最古の競馬レース「タウンプレート」では、1952年から伝統的にニューマーケット・ソーセージが賞品の一部として提供されています。 ニューマーケットとソーセージの最初の資料は、ジェームズ1世がこの地域を訪問した1618年11月19日までさかのぼります。国王が息子チャールズ(後のチャールズ1世)の18歳の誕生日を祝うために、この地で宴会を開催したときの様子を、当時の侍従がダドリー・チャールトン卿へ宛てた手紙にこう書いています。「国王は大きな牛肉のスペアリブを、ハミルトン侯爵は豚4頭分のソーセージ、サウサンプトン伯爵は七面鳥2羽、他にも6羽のヤマウズラ、ある人はトレイいっぱいにバターを塗った卵を持参しており、楽しい催しでした。」 この時、スコットランドの貴族であるハミルトン侯爵が持ってきたソーセージですが、当時は冷蔵手段がなかったため、現地で手に入れたと思われます。 ニューマーケット・ソーセージは、競馬と密接な関係にあります。競馬場や競馬シーズン中のあらゆる宿屋において、手軽な軽食として販売されていました。競馬観戦に来た人たちも、レース終了後に持ち帰り用に購入していました。 1849年、当時の作家、シルバヌス氏は雑誌『Bentley's Miscellany(チャールズ・ディケンズ編集)』の中で、ニューマーケット地域を訪れた時の様子を書いています。彼は、友人と一緒にホワイトハート・インに宿泊し、競馬を観戦しましたが、「朝食にニューマーケット・ソーセージとクレソンを食べるために、ふたたび競馬場を訪れた」と記しています。 サフォーク州に位置するニューマーケットでは、ソーセージの生産は必然的だったと言えます。 なぜなら、この州は長い間、良質な豚肉の主要産地であり、サフォーク種の黒豚の肉は甘くて柔らかいという定評があったからです。ニューマーケット地域では、厩舎や地元の民家で豚を自由に歩き回らせて、残飯や飼料を食べさせていました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、町には十数軒の精肉店があり、そのほとんどが自家製のソーセージを生産するために、豚を繁殖させ、肥育・と殺していました。 競馬シーズン中、ソーセージは爆発的に売れていました。1860年、スポーツ雑誌『Baily's』 の記事にはこう書かれています。「到着したときには、ニューマーケットのすべてのソーセージ屋台は客で満杯。どの宿も満室状態で、ソーセージ機械は絶え間なく動いている、と聞かされた」。 ソーセージは町の主要な市場や博覧会でも販売されていました。1851年の『Gardener』では、11月8日に開催された移動式遊園地のキャトル・マーケットでは、ソーセージが大人気だったと書いてあります。 20世紀初頭、ニューマーケットには十数軒の肉屋が営業していたと言われていますが、次第に店の数は減り、現在ではニューマーケット・ソーセージの生産者は3軒だけになってしまいました。ニューマーケットとソーセージに関する一番古い文献は1618年のものですが(上記)、はっきりと「ニューマーケット・ソーセージ」と呼ばれるタイプのソーセージは、1800年代半ばからしか登場せず、上記の1849年の文献がこれまでに確認されたなかで、最も古いものとなります。 最近では、料理本やガイドブックでもニューマーケット・ソーセージが取り上げられるようになりました。欧州連合のすべての地域から食品を紹介している書籍『Traditional Foods of Britain』(ローラ・メイソン、キャサリン・ブラウン共著、プロスペクト・ブックス、1999年)にも記載されています。また、クラリッサ・ディックソン・ライト氏は、自身の最新本の中で、ニューマーケット・ソーセージを初めて食べた時の経験を紹介しています。Googleでは、「ニューマーケット・ソーセージ」の検索結果のヒット数は約4190件あります。 ニューマーケット地方歴史協会は、ニューマーケットの歴史に関する論評の中で、地元のソーセージ生産について主張されている、すべて検証済みの完全な記事を提供しています。 ニューマーケット・ソーセージの生産者の一人は、1907年以来、王室御用達のソーセージを供給しており、現在は女王陛下の認定サプライヤーでもあります。また、この州で最も古い競馬レースである「ニューマーケット タウン プレート」の優勝騎手には、伝統として賞品にソーセージが贈られます。 また、英国政府観光庁の出版物『Taste England』」やウェブサイト www.EnjoyEngland.comの中でも、 ニューマーケット・ソーセージについて言及しています。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
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