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農林水産省

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指定の公示について(指定番号第177号)

更新日:令和6年12月20日
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。

The Vale of Clwyd Denbigh Plum(ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム)


1 指定年月日  令和6年12月20日
2 指定番号  第177号
3 締約国の名称  グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国)
4 農林水産物等の区分  第1類 農産物類 果実類 (プラム)
5 農林水産物等の名称  The Vale of Clwyd Denbigh Plum(ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム)
6 農林水産物等の生産地  イギリス
 
(別添)(PDF : 97KB)
 
7 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1)特性
「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム(The Vale of Clwyd Denbigh Plum/Prunus domestica Linnaeus “Denbigh Plum”)」は、プラムの起源である北ウェールズのデンビーシャー(Denbighshire)にあるクルーイド谷(Vale of Clwyd)の指定された地理的領域で栽培されたデンビープラムに付けられた名前です。デンビープラムは、唯一のウェールズ原産のプラム品種です。
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は、料理用の場合、熟す前の8月中旬に収穫され、デザート用の場合、熟した後の8月下旬から9月上旬に収穫されます。クルーイド谷のデンビープラムには、次の特徴があります。
料理
• しっかりとした触感があるプラムです
• プラムが熟し始めると黄色い斑点のあるオレンジがかった赤色になります
• ワックスブルーム(目に見える白っぽい果粉)が表れます
• 果肉はしっかりしていて、緑がかった琥珀色の濃い黄色です
• 果肉は種にしっかりと付いています
• 茎の端から先端まで大きさは45mmから65mmです
• 直径は40mmから55mmです
 
デザート
• 軽く絞るとプラムが柔らかくなります
• 茎の端から先端まで大きさは45mmから65mmです
• 直径は40mmから55mmです
• 形状―球形またはわずかに楕円形です
• 色ー紫よりの濃い赤、金色の斑点が散らばっています。果実は熟すにつれて自然に濃い色になります。
• ワックスブルーム(目に見える白っぽい果粉)で覆われたプラムは、木につけたままにすると大きく成長します。
• 果肉は、緑がかった琥珀色の濃い黄色をしていて、柔らかくジューシーです。
• 果肉―部分的に種に付着しています。
• 1kgあたりの果実の平均個数は9~15個(平均12個)です。
• ブリックステスト(糖度測定)の結果は16~19です。
 デザート用プラムは、皮が柔らかく繊細なので、傷ができないように注意する必要があります。熟した果実の取り扱いには細心の注意が必要です。
 デザート用プラムは栽培期間が長いため、時間をかけて、酸味と甘味の味わいを充分に引き出すことができます。「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」を特徴づけているのは、深みのある風味と甘さです。
 調理すると風味が増し、プラム本来の甘みが増えます。温かいうちに食べると、果実の食感が口の中でとろけます。
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」のほとんどは、地元の市場で新鮮なデザート用プラムとして販売されます。
 
 
(2)生産方法
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は、石灰が豊富で、水はけが良く、中程度のざらつきのある深い土壌で栽培されています。この土壌は肥沃で、自然に必要な栄養素を樹木に提供することができます。
 樹木は、商業用の苗床による接ぎ木または出芽から、あるいは地元の産地から入手できます。種子から育てられた木は、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」を生産する木とは見なされません。
 成熟したプラムの木は、一番下の枝が1.5mくらいの高さになり、形状は伝統的な標準型または交通標識型で、木の下で羊の放牧をすることができます。現代のより集中的に運営されている果樹園では、プラムの木の高さは約2メートルとなるため、収穫者は地面に立ち、腰くらいの高さからプラムの収穫を行うことができます。
 植えてから約3年で木は実をつけ始めます。「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は、1ヘクタールあたり約570本の木を植える近代的な果樹園では、約15トン/haの収穫量が期待できます。(1本の木あたり、26kgです)。充分な間隔をとってある成熟した木の場合、収穫量がこの2倍になることが数年前から知られています。伝統的な果樹園からの収穫量は、近代的な果樹園からの収穫量と同等ですが、不規則となる場合もあります。伝統的な果樹園の場合、1ヘクタールあたり約250本の木が植えられていますが、多くの場合、農家のすぐ近くの小さな区域にあります。
 
防風
 谷の大部分は自然に保護されており、人工的な防風は必要ありません。ただし、特に海からの風を受けている場合は、必要に応じて、防風林を植えなければなりません。海岸では、海から陸に吹く風から樹木を保護する必要があるからです。
 
剪定
 果樹園の要件を満たすためには剪定を実施する必要があります。木の下で、羊や家畜が放牧されている伝統的な果樹園と、集中管理型の果樹園とでは、剪定の方法が異なる場合があります。剪定は、果樹園の木がより早い時期に実を結べるように設定されています。また、剪定をすることで、より良い品質のプラムを、より安定した収穫量で確保することができます。
 木の剪定(必要な場合)は、通常、樹液が上昇している5月に手作業で行います。デンビープラム グループは、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の木の接ぎ木と剪定のためのトレーニングプログラムを実施しています。
 
受粉
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は自家受粉種ではないため、周辺の花粉媒介者が奨励されています。花粉媒介者には市場性がなければならないため、ビクトリア(Victoria)、マージョリーの苗木(Marjorie’s seedling)、ツァーリ(Czar)、サンクトゥスフーベルトゥス(Sanctus Hubertus)、場合によってはダムソン(Damson)など、評価の高い品種が使用されます。
 
害虫および病気の管理
 クルーイド谷の良好な物理的条件および気候条件により、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の大部分は、最小限の人間の介入で、農薬、殺菌剤、土壌添加剤などを使用せずに栽培できます。ただし、優れた栽培を行うには、害虫や病気(プラムモスやブラウンロットなど)を定期的にチェックする必要があります。必要に応じて木に農薬、殺菌剤を散布します。
 
肥料と散布
 適正農業規範(Good Agricultural Practice)では、窒素、リン、カリウムなどの土壌養分を定期的にチェックする必要があります。また、必要に応じて木に農薬、殺菌剤を散布する必要があります。クルーイド谷の土壌は本質的に肥沃ですが、2年ごとに土壌分析を行い、DEFRAの出版物RB209に従い、不足要素を補うことが推奨されます。肥沃な土壌で肥料を与えすぎると、木を栄養過剰にする傾向があり、果実の生産に悪影響を及ぼします。
 無機または有機肥料は、必要に応じて、開花時期の秋と春に使用することができます。栄養過剰を避けるために、クルーイド谷に存在する本質的に肥沃な土壌を考慮して、肥料の使用を検討する必要があります。
 
収穫
 収穫は手作業で行われます。通常、8月と9月に、10~14日間の収穫が、2~3回行われます。収穫の正確な時期は、天候、樹齢、クルーイド谷内の場所、果物の市場目的(つまり料理目的またはデザート目的であるか)など、さまざまな要因によって異なります。デザート用プラムを収穫する理想的な時期は、軽く絞ったときに果実が柔らかくなり始めたときです。
 プラムは濡れた状態で摘むと一気に腐敗してしまうため、収穫は乾燥した天候で行う必要があります。「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は柔らかく繊細な皮で覆われており、傷や紫斑を負いやすいため、果実は手作業で慎重に摘む必要があります。果実採取者は、細心の注意を払い、果実への影響をできるだけ小さくするように訓練されています。これは、摘みたてのプラムに白い花が多く残っていることからも分かります。

保管
 短期間の冷蔵が必要な場合(約10日)、プラムは農場の冷蔵で摂氏2~5度の温度で保管されます。貯蔵する前に、プラムを一つずつ検査し、傷ついた、紫斑のある、または熟しすぎた果実は処分します。こうすることで、腐敗が健全な果実にまで広がり、それが貯蔵プラム全体を台無しにする可能性を防いでいます。
 栽培者は、プラムのバッチをコード化/ラベル付けして、コーディングを行います。この固有識別コードは、サプライチェーン全体の在庫記録に残ります。
 
 
[原産地証明]
 すべての「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の栽培者は、デンビープラム グループ(Denbigh Plum Group)に加入することが奨励されています。収穫した果実は、個々のデンビープラムの樹木、または指定された地域に由来する既知の標本から接ぎ木され新しく植えられた果樹園のプラムから入手する必要があります。個々の樹木や果樹園、それにプラムは、デンビープラム グループにより合意された仕様を満たしていなければなりません。「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は、種子から育てられた樹木から収穫されたものであってはならず、仕様を満たす樹木のクローンから収穫したものでなければなりません。受粉を制御することはできないので、種子から育てられた木は遺伝子変異を含んでいるため、「タイプ」に成長するかを保証することはできません。
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は、果樹園または個々の樹木用OSグリッドリファレンス(OS Grid Reference)で識別できるように、クルーイド谷の指定された地域内で栽培する必要があります。
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」のすべての生産工程で、生産者は、栽培者から最終消費者までの完全な監査証跡とトレーサビリティを提供するために記録を保管する必要があります。この手順により、プラムの各バッチは栽培者までさかのぼることができます。
 各栽培者は、樹木の手入れと維持に責任を負っています。この責任には、トレーサビリティの目的で記録を保管することも含まれます。
 栽培者は、プラムのバッチをコード化/ラベル付けして、コーディングを行います。この識別コードは、サプライチェーン全体の在庫記録に残ります。これには以下の情報が記載されます。
• 果樹園コード―樹齢/樹木の起源
• 果樹園の場所―OSグリッドリファレンス
• 収穫日
• 収穫者のID番号
• 箱コード
 
(検査機関)
Regulatory& Housing Services
Conwy County Borough Council
 
 
(3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 
 デンビープラムは、クルーイド谷に起源を持ち、ウェールズ原産の唯一のプラム品種です。クルーイド谷の独特の環境的および地理的要因により、これらのプラムは十分に繁殖することができます。
 
 
地理と地形
 クルーイド谷は、ノース ウェールズの川沿いの谷間地域で、アイルランド海沿岸のリル(Rhyl)からデンビーシャー(Denbighshire)まで、20マイル内陸に伸びています。この谷間地域は氷河によって深くなった「U字型」の地溝谷で、谷底の標高は30メートル、谷の頂上の標高100メートルまで上昇します。谷間の平地の幅は2~5kmです。谷底の低地は、東側のクルイディアン山脈など、(南東から北西まで横方向に進む)周囲の丘陵によって大部分が保護されています。そのため、北風にさらされるのは、海岸に向かって開いている地域だけです。これらの丘陵は、偏西風と寒い東風からこの地域を守っています。この比較的保護された環境は、成長中の花とプラムへのダメージを減らしてくれるため、プラムの生産に不可欠となります。
 クルーイド谷は、農地分類(ALC:Agricultural Land Classification)によると、ウェールズのグレード1およびグレード2の土地の中で最も広大な地域です。ALC分類では、気候、場所、土壌などの特性が考慮されます。クルーイド谷は、グレード1および2の土地として、「優秀」または「非常に良い」品質の農地として定義されています。この土地のおかげで、ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラムは安定して高収穫量を維持することができます。
 この土地の一部には、イギリスで最も肥沃な土壌が広がり、プラムの樹木とプラムが必要とするすべての栄養素を提供してくれます。谷間地域の土壌には、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの栄養素を保持する能力があります。これらは、プラムの生育に欠かせない重要な栄養素です。
 水はけの良い、中程度にざらつきのある深い土壌(クルーイド谷で自然に発生します)は、高品質の「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の生産に不可欠となる強い根の発達を促します。
 この谷間地域の―新しい柔らかな赤三畳紀の砂岩の下にある―石灰岩の地質は、高いpHで石灰が豊富な土壌を生成します。イチゴやラズベリーなど、ほとんどの果物は、わずかな酸性を示す土壌でより良く成長しますが、プラムは、この地域に広がる高いpHの石灰岩由来の土壌で繁殖します。
 
気候条件
 クルーイド谷は、プラムの成長に適した微細気候(microclimate)の恩恵を受けています。クルーイド谷は、暖かく、穏やかで、湿気のある温暖な気候です。クルーイド谷(北側には海が開けています)は、メキシコ湾流の穏やかな影響を受けており、イギリスにおける冬季最高気温のいくつかがこの地域で記録されています。
 海へと流れるクルーイド川にも近いため、極端に低い気温が緩和されるだけでなく、クルーイド谷の地下水源と相まって、自然の灌漑源が提供されています。これにより、(深い根を広げる)プラムの木の水分要件が満たされ、人工灌漑をする必要はありません。
 ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラムは4月に開花するため、花に悪影響を与える可能性のある、春の放射冷却による霜には非常に敏感です。近くを流れるメキシコ湾流の影響により、クルーイド谷には微細気候がもたらされ、低温が緩和され、霜のリスクは低くなります。過去20年間の気候データを見れば、開花期(4月末から5月)にはクルーイド谷で霜が降りない日が非常に多いことが分かります。また、(メキシコ湾流の影響による)涼しく比較的暖かい気候は、開花期間を延長し、より幅広い受粉を可能にしています。
 気候は本質的に成長期の長さにも関連しています。クルーイド谷の気候は、他のプラム栽培地域の気候と比較して涼しくなっています。涼しい気候は「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」に長い成長期をもたらすため、プラムはゆっくりと成熟できます。このため、プラムはゆっくりと時間をかけて、風味と甘さを発達させることができます。この深みのある風味と甘さが、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の特徴となっています。
 クルーイド谷の暖かく湿った気候条件は、一般的には、柔らかい果実がシルバーリーフやブラウンロットなど、真菌性の病気にかかりやすい条件となります。しかし、デンビープラムは、他のほとんどのプラムの品種とは異なり、これらの病気に対する自然の耐性を持っているため、湿った気候条件にもかかわらず、病気にかかることなく成長します。クルーイド谷は湿った気候ですが、ノース ウェールズの背骨を形成するスノードニア山脈の雨蔭に位置しているため、ウェールズの他の場所に比べると、乾燥した気候になります。年間平均降雨量は750mm未満で、ほとんどの降雨は12月に集中します。
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は、人間の介入を最小限に抑えながら、この地域の自然条件のもとで生き残るだけでなく、繁栄することにも成功しました。長い間、放棄され無視されてきたプラムの木が、人間の介入や農薬なしに、孤立した場所で健康に生い茂っている姿を再発見されることがあります。それらのプラムの木が必要とするすべての栄養素は、クルーイド谷から供給される、この地域固有の資源に含まれているからです。
 クルーイド谷には、平坦で肥沃な石灰が豊富な(保護された)土地と、独特の微細気候があります。また、適度な温度の自然灌漑システムや、プラムの開花期には霜があまり降りないという特殊な気候条件もあります。このような条件は、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」には理想的な栽培条件となり、このプラムの特徴にも貢献しています。
 
伝統と評価
 デンビープラムの品種は、19世紀初頭に、鉄道や新聞の到来と同時期に台頭した苗床取引(Nursery Trade)が一般的になる前から存在していました。また、18世紀にヨーロッパ大陸、特にフランスからの品種がイギリスの城壁に囲まれた庭園に導入され、貴族の邸宅で果物栽培が流行した時期よりも前から存在していました。
 中世には、1270年から1280年頃に、デンビーの郊外にプラム果樹園があるカルメル会の修道院が設立されました。この果樹園は、宗教改革の際にも言及されています。調査の結果、敷地内の「小さな庭に美しい果樹園」が見つかったと記録されています。現在、グレードIIに指定されている建物が、この修道院の敷地内にありますが、デンビープラムの老木と若木を植えた大きな果樹園は今も残っています。
 歴史を通して、クルーイド谷の肥沃な土地は言及されています。この地域には、柔らかい果物やプラムの栽培の長い歴史があります。
 1808年のウェールズの詩「ペニル(Pennill)」の翻訳の一部には、次のような描写があります。「モナ平原を通して、ハープは果実があふれるクルーイド谷に響く」
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の実際の年齢は不明ですが、同じデンビープラムの品種が何世紀にもわたり指定された地域で栽培され、1850年代までには、クルーイド谷の向かい側の庭でも十分に成長していたことは歴史的証拠からも明らかです。クルーイド谷園芸協会(Vale of Clwyd Horticultural Society)が、デンビーで最初の年次展示会を開催したのはその頃でした。
 1851年に開催された、クルーイド谷園芸展示会(Vale of Clwyd Horticultural Show)では、クルーイド谷で栽培された一連の果物やその他の農産物について綴った詩が木に掛けられました。
「景色は素晴らしかった。花は珍しかった。
そして、あらゆる種類の果物と説明がそこにあった。
リンゴから、果実はとても危険な世界へ。
松やブドウの風味、プラム、アプリコット、桃、ネクタリンが甘くて美味しい。
より良いご馳走を提供するため、期日通りに開催される」
 
“The view was delightful-the flowers were rare
And fruits of all sorts and descriptions were there,
From the apple, that fruit to the world so pernicious
To the pine and the grape with their flavours delicious
Plums apricots, peaches and nectarines sweet.
On due order take place to heighten the treat.”
 
 1850年代、クルーイド谷園芸展示会は有名になりました。展示されたクルーイド谷のデンビープラムや(種から育てた)デンビー実生プラムは、新聞記事や(当時非常に人気があった)園芸雑誌「ザ ガーデン(The Garden)」などで取り上げられていました。いくつかの例を以下に示します。
 
 
出典 コメント
ノース ウェールズ クロニクル(North Wales Chronicle、1856年9月6日) 「プラム、特に高く評価されたデンビープラムは称賛に値しました」 また、「デンビープラムは完璧でした」
レクサム アドバタイザー、デンビーシャー、フリントシャー、シュロップシャー 、チェシャー、およびノース ウェールズ レジスター(Wrexham Advertiser、Denbighshire、Flintshire、Shropshire、Cheshire and North Wales Register、1864年9月17日) 「デンビーのロバーツ氏は、籠に入ったデンビー実生プラムを展示しました。コンテストに出品したわけではありませんでしたが、とても賞賛されただけでなく、有能な審査員によって非常に高く評価されました。このプラムは、本物のデンビー種として、信頼できるロバーツ氏からだけ入手できると考えています。その栽培の起源と歴史は、その地域の特徴です」
ノース ウェールズ クロニクル(North Wales Chronicle、1868年8月29日) デンビーのロバーツ氏は「素晴らしいロットを展示しました…。彼が出展したデンビー実生プラムのサンプルは卓越していました」

ザ ガーデン(The Garden、1885年8月1日)
デンビー実生プラムは「保存用プラムとしては比類のないプラムであり、デザートとしても優れています」
カーナーヴォン アンド デンビー ヘラルド(Caernarfon and Denbigh Herald、1874年1月17日) 種を販売するJ・E・ロバーツ氏からのデンビープラム苗の広告
 
 
 1850年にデンビーで開催されたクルーイド谷園芸協会の第1回年次展示会で、デンビープラムは、「プラムカテゴリ」の名前で表彰されています。また、次のように記載されています。1854年には、クラフ夫人はキャッスル ハウス デンビーから、「7つの最高のプラム、緑色のプラム、黄色のプラム、そして、デンビープラム」とデンビー実生プラムに対して特別賞を授与しました。
 鉄道の発達により、ノース ウェールズへのアクセスが楽になると、この有名な展示会にはさらに多くの人々が参加するようになり、クルーイド谷の展示会の評判はウェールズからイギリス全土に広がりました。鉄道が通る前は、この地域で生産された柔らかい果物やプラムは、半径20マイル以内のルシン、デンビー、セントアサフなどの地元の町や村でしか販売できませんでした。しかし、鉄道の発達により、さらに遠くまでプラムを販売できるようになりました。
 1890年代後半までに、デンビーシャーはウェールズで最大の果物生産地域へと成長しました。1893年の農業収益記録によると、デンビーシャーには533軒の園芸農業、23軒の生育場、235軒の果樹園があったことが分かります。
 今日でも、この地域が昔から果物、つまりプラムの生産に関与していたという証拠を、デンビーの地元の通りや家の名前に見つけることができます。例えば、「プラムの丘(Plum Hill)」を意味する「ブリン エイリン(Bryn Eirin)」や、「プラムの近くの浅瀬(Ford by the plums)」を意味する「リディール エイリン(Rhyd yr Eirin)」などです。デンビーのグローブロード(Grove Road)には、長い間、園芸農業との深いつながりがあります。グローブロードの土地には100年以上同じ家族が住んでいます。また、商業市場向けのプラムを生産している非常に古い「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の果樹園があります。
 時間をかけて開発された指定地域には、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」を成長させるための知識とスキルの基盤があります。世代から世代へと受け継がれてきた、この果実の成長に関連するスキルには、次のものが含まれています。
•プラムの木の植え付けと樹立―木の間隔/木の種類
•剪定と樹木管理―剪定が必要かどうか、必要な場合は、安定した収穫量と品質を向上させるために剪定する方法
•収穫時期ー各栽培者は、独自の知識と経験を使用して、プラムが収穫に理想的と見なされる段階に正確に到達する時期を決定します。正確な収穫時期は、季節、樹齢、指定地域の正確な場所などの要因によって異なります。
•果物の取り扱いー採取者は果物の取り扱いについて訓練を受けており、柔らかく繊細な皮を傷つけないよう、果物の取り扱いにはできる限り注意を払っています。これは、獲れたての果実に白い花が多く残っていることにより確認できます。
 デンビープラム グループは、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の木の接ぎ木と剪定、収穫管理のためのトレーニングプログラムを実施しています。歴史的に「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」の生産はほとんど終わっていましたが、近年、デンビープラム グループが主導することにより関心が復活してきました。現在、指定された地域には30軒の「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」果樹園があり、デンビープラム グループに関連する生産者は10軒あります。しかし、コミュニティ主導の植栽プロジェクトや他の土地所有者が追加の果樹園を開始できるように、今後5年間で果樹園の数を50軒増やすことが期待されています。2009年以来、毎年10月に「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」祭りが行われます。また、デンビータウンでは非常に人気のある「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラムの饗宴(The Vale of Clwyd Denbigh Plum Feast)」が開催され、2000人以上が参加しています。この祭りでは、デンビータウンとクルーイド谷がウェールズで唯一の在来種プラムを所有していることに誇りを感じることができます。デンビータウン全体がこの祭りに参加し、イギリス全土からの訪問者を魅了しています。クルーイド谷のデンビープラムの饗宴は、ノース ウェールズの年中行事にも含まれている、重要なフードイベントです。
 饗宴では、プラムの生産者と加工業者が、新鮮な果物(プラム)と、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」を原料とした製品を紹介します。「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」を製品の成分として使用しているこれらの地元の食品生産者/加工業者は、プラムをより広い市場の注目を集めることで知名度を上げるだけでなく、年間を通じてプラムを入手できるように尽力しています。訪問者はまた、地元の果物の遺産について学び、料理のデモンストレーションでは、トップシェフからヒントを学習します。
「私たちの農産物は素晴らしいです。それがクルーイド谷のデンビープラムの饗宴に参加している理由です。ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラムは、ノース ウェールズ地域原産の果物で、これらの特製料理を作る際には、不可欠な存在となります」 –トップシェフ、アレッド・ウィリアムズ(Aled Williams)。
 ウェールズの有名シェフ、ブライン・ウィリアムズ(Bryn Williams)は、「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」とデンビープラム グループの後援者にもなりました。ブライン・ウィリアムズは彼のレシピ本「ラブ オブ ヴェジ(Love of Veg)」でプラムを特集しています。
 「ザ・ベール・オブ・クルーイド・デンビー・プラム」は、その卓越性がウェールズだけでなく、イギリスの他の地域でも認められており、地元のケータリング店から積極的に調達されています。このプラムはまた、スローフード運動(Slow Food Movement)の味の箱舟賞(Ark of Taste award)にもノミネートされています。
 
8 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -

お問合せ先

輸出・国際局知的財産課

担当者:地理的表示保護担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
ダイヤルイン:03-6744-0234

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