指定の公示について(指定番号第182号)
更新日:令和6年12月20日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、指定の公示をしたのでお知らせします。 |
Whitstable Oysters(ウィスタブル・オイスター)
1 | 指定年月日 | 令和6年12月20日 |
2 | 指定番号 | 第182号 |
3 | 締約国の名称 | グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国) |
4 | 農林水産物等の区分 | 第4類 水産物類 貝類(まがき、その他かき類) |
5 | 農林水産物等の名称 | Whitstable Oysters(ウィスタブル・オイスター) |
6 | 農林水産物等の生産地 | イギリス ケント州ウィスタブル近郊のカキ養殖床 |
7 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 製品の外観: この地域で生産される牡蠣は、ウィスタブル産の天然(native)ヨーロッパヒラガキ(O.edulis)と養殖牡蠣のマガキ(C. Gigas)の2種類です。 天然の牡蠣は、市場に出回るサイズになるまでに5年かかります。平らな丸い形をしており、蝶番の右側に特徴的な親指(distinctive thumb)があります。殻には、淡いピンク/グレー色をした成長輪があります。温暖な海域で摂れる、殻が軽くて身が小さくて平たい牡蠣とは異なり、天然の牡蠣は平均240グラムで市場に出回るサイズになるまでに5年かかり、成長に時間がかかります。 ウィスタブル地域は高品質の牡蠣の名産地として知られており、牡蠣は身が大きくてジューシーです。 化学的/微生物学的特徴: 牡蠣には希少なビタミンやミネラルが豊富に含まれています。牡蠣は、最も高い動物性の亜鉛源です。亜鉛は、性的成熟、活発な脳と健康的な肌には不可欠で、その治癒力は医療専門家にも認められています。牡蠣に含まれる脂肪酸であるオメガ3は、コレステロール値を低下させます。牡蠣に含まれるアミノ酸のタウリンは、血圧を下げたり、関節炎を和らげたり、肝臓の不調を治す効果があります。 ウィスタブルの海水はグレードBに分類されていますが、当社の衛生研究所のテストでは、この地域の海水は非常に純度が高く、グレードAの結果を出すことが多いと報告されています。製品の清浄度を保つために、牡蠣は2日間、紫外線による殺菌海水で浄化を行っています。 官能特性: 天然の牡蠣を食べた時に感じるミネラルの旨みは、不思議なことに飲み込んだ後でも増加します。この感覚は、まるで初めて海に入った時のようです。身は柔らかくクリーミーで、閉殻筋は特にジューシーな味わいです。 (2)生産方法 生産: 牡蠣の養殖が行われている地域。レカルバー(Reculver)の孵化場では、ヨーロッパヒラガキ(天然牡蠣)とマガキ(ヨーロッパ産の養殖カキ)のスパット(spat)が養殖されています。十分な大きさに成長したら、ウィスタブル北の自由漁場(freehold oyster beds)にある養殖床に移されます。 加工: 大潮の時期に牡蠣を養殖床から集めて、バージ(はしけ)で岸へ移します。牡蠣を洗い、等級付けをし、販売前の2日間、ライセンス取得済の浄化タンクに入れられます。毎月、公衆衛生研究所でサンプルをチェックしています。 出荷準備: 牡蠣は真水で水洗いした後、木桶に詰めて出荷します。 生で販売しているため、それ以外の準備は必要ありません。 レカルバーにある孵化場では、カキの産卵のための理想的な条件を人工的に作り出しています。牡蠣の生涯の全段階で餌となる、特定の微細藻類を成長させるための海水は、ろ過して低温殺菌した後で使用されます。藻類は、温室内に設置された背の高いプラスチック製の藻類培養バッグに、処理済みの海水を入れ、自然光と人工光、栄養素の混合物、曝気および二酸化炭素を使用して培養されます。 藻類でいっぱいになった海水を、孵化場の水槽で繁殖されている成熟した牡蠣に与えます。ここでは、温度を25℃まで上昇させています。牡蠣はオスとして生まれた後、約1年でメスになります。そのため、卵が産まれた時に確実に受精できるように、同じ水槽内で様々な年齢の牡蠣を養殖します。 牡蠣が産卵した後、極小な幼生は別の水槽に入れられます。1個の牡蠣から、最大100万個の卵が産まれます。孵化した牡蠣の幼生は、約2週間海中を漂った後、岩など硬い表面に付着してスパット(沈着幼生)になります。スパットは、すぐにこの硬い表面から削り取られます。サイズはまだ小さい(0.3mm)ですが、成体の牡蠣の形をしており、既に泳ぐ能力は失われています。 さらに10日間、スパットを背の高い細長い容器(湧昇装置)に入れ、底部から空気を吹き込むことで、上向きの水流を利用して浮遊状態に保たれます。牡蠣は、藻類が豊富な海水を常に与えられます。小粒の牡蠣は、定期的に洗って等級分けをし、早く成長できるようにします。 若い牡蠣が直径3mmに達すると、オープンタンクに適応させるために、より低い温度に設定された大きな湧昇装置の中で成長させます。その後、礁湖の採苗場に移され、ここで顧客の注文通りの大きさまで成長させたり、当社の養殖床に再び戻したりします。 [原産地証明] 原材料: ウィスタブルから8マイルほど離れたレカルバー(Reculver)で飼育されている牡蠣のスパット(沈着幼生)は、ウィスタブル沖で採れた親貝から生産されています。餌である数種の微細藻類は、シーソルター・シェルフィッシュ(ウィスタブル)社のマネージングディレクターである、ジョン・ベイズ(BSc)が発明した特別設計のシステムで養殖されています。3mmで採苗されると、ウィスタブル沖の養殖床に移される前に、周囲の温度に適応するようになります。健全な成長と殻の形成のために、ビタミン、ミネラル、ケイ酸塩をわずかに餌に加えることを除けば、毎日汲み上げられる新しい海水の供給以外に、他の材料は一切使用していません。 少量のヨーロッパヒラガキの天然生産は、ウィスタブル港から半径8マイル以内に位置する、ケンティッシュフラッツ(Kentish Flats)の自由漁場で今でも行われています。 これは、養殖地域からの天然牡蠣スパットの自然な沈着のおかげです。真牡蠣(cupped species)は、この地域の冷たい海水では生息できません。 [検査機関] Product Authentication Inspectorate Ltd (PAI) (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 ウィスタブルは、ローマ時代から牡蠣で有名でした。以下の書籍でその詳細が紹介されています。 AO Collard 『The Oysters and Dredgers of Whitstable』 John Rydon 『Oysters with Love』 Hector Bolitho 『The Glorious Oyster』 Giselle Stroud & Elaine Kirkaldie 『Wild About Whitstable』 Whitstable Museum 『Farming Oysters』 Elaine Kirkaldie 『A New Oyster Cult』 前世紀には、牡蠣漁とそれに関連するビジネスが、この地域に主な雇用をもたらしていました。 |
8 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
ダイヤルイン:03-6744-0234