始まった食品事業者の取組:株式会社セブン&アイ・ホールディングス
始まった食品事業者の取組


写真左:CSR統括部 オフィサー ?澤?樹さん














株式会社セブン&アイ・ホールディングスは、コンビニエンスストア、スーパーストア、百貨店、専門小売、外食、金融サービスまで非常に多様なサービスを展開し、グローバルで6万7千店舗を超える店舗ネットワークを、日々約6,400万人の顧客が利用しています。
この度、企業のCSR活動とSDGsの取組について、同社CSR統括部の佐藤聡さんと小澤立樹さんにお話を伺いましたので、その内容を紹介いたします。

- 私たちは、お客様に信頼される、誠実な企業でありたい
- 私たちは、取引先、株主、地域社会に信頼される、誠実な企業でありたい
- 私たちは、社員に信頼される、誠実な企業でありたい
セブン&アイ・ホールディングス の重点課題とSDGs
セブン&アイグループの事業領域が拡大し、関係する社会課題や社会要請が多様化する中、特に重視すべき課題に集中し、適切に対応することが重要になります。私たちは、2014年、ステークホルダーの期待や要請にグループが一体となって応えていくために、取り組むべき「5つの重点課題」を特定しました。
重点課題の特定には約1年間をかけ、お客様やお取引先、株主・投資家、従業員など様々な立場のステークホルダーとの対話を通じて、グループに対する今後の期待や要請を把握することを重視しました。また、有識者の方々と経営陣が直接議論を行ったことで、いち早くESGやダイバーシティの重要性に気づくことができました。
SDGsが国連で採択されたのは、重点課題の特定後ですが、SDGsと重点課題との関係を整理すると、互いが求めるものが近しく、グループがやるべきこととグローバルな課題に差異がないことを再確認することができました。

高齢化に伴うニーズの変化への対応が遅 れた場合の来店動機の低下 など
高齢化に対応した商品やネットをはじめと した便利なお買物環境・サービスの創出 による販売機会の拡大 など
商品事故・店頭事故の発生や法令違反による信用の低下 など
徹底した安全・品質管理や健康配慮商品などお客様ニーズに即した新しい商品提供による販売機会の拡大 など
気候変動に伴う店舗・物流網への物理的損害 など
省エネや廃棄物削減、リサイクル、エネルギー供給源の見直しによるコスト削減 など
労働力人口の減少による人材不足・人件費の高騰 など
ダイバーシティ経営推進による競争力の強化・新規事業の開発と優秀な人材の獲得 など
社会づくりと資源の持続可能性向上
サプライチェーン上の人権問題の発生による商品供給の停止や品質の劣化・社会的評価の低下 など
持続可能な原材料調達による競争力の拡大・エシカル消費に対応した商品・サービス提供による販売機会の拡大 など
お客様の声を第一に、なくてはならない存在に
セブン&アイグループは全国2万店以上を展開し、毎日2,500万人(※)のお客様が来店されています。流通小売業にとっては、お客様との対話が最も重要であり、対話を通じて来店されるお客様の期待やお困りごとを把握し、商品・サービスを通じて課題を解決することで、地域社会になくてはならない存在となることを目指しています。
これまでグループの中では、「お客様の声」から生まれた商品やサービスが多数あります。例えば、2000年にセブン-イレブンで導入したマルチコピー機は、ニーズの変化に合わせて便利な機能を次々と搭載してきました。現在のサービスでは、通信教育の答案提出サービスや「住民票の写し」、「戸籍証明書」の発行といった行政サービスなどに対応しています。また、コンビニエンスストアとして、銀行ATMを初めて導入。今となっては住民にとってなくてはならないサービスになっています。近年では、アメリカやインドネシアの店舗においてもATMを導入し、グローバルな活躍が期待されています。 このように、セブン&アイグループはお客様の抱える課題に向き合いながら発展してきた企業であり、5つの重点課題やSDGsといった社会課題の解決が、本業に密接に関連していると感じています。
みんなに身近なSDGs ~社会課題と向き合った新商品の登場~
セブン&アイグループでは、SDGsに関する情報を社内報等で紹介する他、外部講師を招いた研修や社内のポータルサイトを活用したeラーニングを実施しています。さらに情報を発信する側の知識を高めるために、グループの各広報担当を対象とした研修も実施しています。 社内への発信においては、SDGsが社員の仕事と暮らしの双方に深く関わっていることを意識して伝えています。例えば、セブン-イレブンでは社員を対象とした「セブンなないろ保育園」を開設していますが、これは、SDGsの目標4(質の高い教育をみんなに)、目標5(ジェンダー平等を実現しよう)、目標8(働きがいも経済成長も)につながる取組です。 また、ホールディングスの井阪社長自らが説明者となって、お取引先との懇談会や株主総会、計画会議などで、重点課題やSDGsに関する積極的な発信を行っています。 これらの成果もあり、グループの事業の中のどの取組がSDGsに関係しているかを再確認でき、またグループ全体で、SDGsへの関心が高まっているように感じています。
SDGsに取り組んだことによる成果
~SDGsへの取組から生まれた商品~
商品部では、SDGsに掲げられた社会課題の解決という認識を持った上で、商品の開発・製造に取り組むようになりました。また、セブン&アイグループがSDGsにどのように取り組んでいくのかという方向性をお取引先に示すことができたため、社会課題を踏まえた商品の開発に取り組むようになりました。
例えばMSC認証商品やフェアトレード認証商品は、これまでナショナルブランドの販売のみであり、プライベートブランドの実績はありませんでした。SDGsを意識して社会課題に向きあった時に、グループ全体で何ができるのかといったアプローチの中で、こうした認証商品をプライベートブランドとして開発、販売を開始することができました。
- セブンプレミアム 初 MSC認証商品『セブンプレミアム 辛子明太子』
- 近年、環境意識の高まりやエシカル消費が注目される中で、MSC認証製品(※)を選ぶ方が増えています。『セブンプレミアム 辛子明太子』は、コンビニエンスストア、総合スーパー、食品スーパー等、様々な販売チャネルで展開する商品です。
※MSC認証:イギリスに本部をおく海洋管理協議会(MSC)による認証であり、生態系や資源の持続性に配慮した方法で漁獲した水産物であることを示すもの。

安全・安心な商品とサービスの提供
セブン&アイグループは、コンビニエンスストア・スーパーストア・百貨店・外食など、毎日の生活に密着した事業を展開していることから、お客様に提供する商品・サービスの安全性を何よりも重視しています。社是に掲げる「お客様に信頼される誠実な企業」であるために、鮮度・品質管理などの基本を徹底するとともに、お客様に安心してお買い求めいただける商品の開発・販売に努めています。 また、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム、栄養不足など、健康と栄養への注目が高まっている中、お客様のさらなる健康志向に配慮して、食品の添加物の使用を低減し、栄養バランスがとれた食品を提供することに努めています。
- カラダへの想いこの手から
- セブン‐イレブン・ジャパンでは、2018年3月より、全国のセブン‐イレブン店舗において、『カラダへの想いこの手から』のキャッチフレーズを新たに採用し、「安全・安心、健康」にこだわった商品の展開を強化しています。昨今、「健康を意識した食事をとりたい」というニーズが高まる中、レタス1個分の食物繊維量が摂取できる食材を使用した商品や、1日に必要な野菜摂取量の2分の1以上※を使用した商品に対し、『カラダへの想いこの手から』マークを添付して、お客様への訴求を強化しています。今後もカテゴリー・品揃えを拡充していく予定です。
※「健康日本21(第二次)」では野菜摂取量の目安値を1日当たり平均摂取量350gとしています。



未来への責任
~世界の課題に向き合う~
昨今、世界的に深刻な問題となっている「プラスチックごみの廃棄による海洋や生態系への影響」への取組をグループ全体で重要視しています。 例えば、セブンプレミアムの容器包装においては2030年までにすべて環境配慮型にすることを目標に、取組を拡大していきます。さらに、11月よりデニーズでは、ドリンクバーを設置している店舗の内40店舗で、プラスチック製ストローの提供を原則中止にし、2019 年2月末までにドリンクバーのあるデニーズ全店へ順次拡大する予定です。今後、これらの取組に加え、他に対応できることがないかをグループ内で検討しています。
(詳しくはこちら→https://www.7andi.com/csr/theme/theme3/invention.html[外部リンク])
セブン&アイグループはグローバル企業として、現在、日本と世界が直面しているあらゆる課題において、グループ全体での対応が求められていると強く感じています。今後、こうした対応がますます増えていくことが予想される中で、まずは視野を広げた上で、対応が可能な課題から向き合い、解決に向かっていきたいと考えています。
インタビューのご協力ありがとうございました。
企業が取り組むSDGsの一部です。
お問合せ先
大臣官房 新事業・食品産業部 新事業・食品産業政策課
代表:03-3502-8111(内線4136)
ダイヤルイン:03-3502-5742
FAX番号:03-3508-2417