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事業者へのインタビュー:株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業本部

sdgのロゴ 事業者へのインタビュー

株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業本部
和田哲也さん
インタビューで取り上げたSDGs
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   株式会社ダスキンは、日本でいち早くフランチャイズシステムをとり入れ、清掃・衛生用品のレンタルと販売を行うクリーンサービス事業から、ドーナツを通じてしあわせな時間をお届けするミスタードーナツ事業など多岐にわたる事業領域において、フランチャイズビジネスを展開しています。
  この度、企業のSDGsの取り組みについて、株式会社ダスキン 取締役 COO フードグループ担当 和田 哲也さんにお話を伺いましたので、その内容を紹介いたします。

写真:株式会社ダスキン 取締役 COO フードグループ担当 和田 哲也さん
取材日:2023年11月6日
場所:ダスキンミュージアムにて


更新情報
令和6年5月23日最新情報に更新しました。

人に、社会に、「喜びのタネまき」を

創業者 鈴木清一の想いから経営理念が生まれた

   ダスキン創業者の鈴木清一は、自身の壮絶な過去や人に助けられ生かされてきた経験から「見返りを求めずに人の役に立つことで、人に求められるようになる」という思想をもちました。この思想から当社の経営理念「祈りの経営」が生まれました。経営理念には「自分に対しては、損と得とあらば損の道をゆくこと、他人に対しては喜びのタネまきをすること」という言葉があり、仕事を通じて社会に貢献していくことを意味しています。
経営理念

   「喜びのタネまき」というのは、与える側と受け取る側の両方が幸せになる“喜びの取引”が利益につながるという想いから、お客様だけでなく関わる人すべてに、事業を通じて“喜びのタネ”をまき社会貢献と企業価値向上の両方を実現しようという当社の経営理念です。創業者の生き様から生まれた理念なので、体系化して伝えるのは難しいのですが、経営理念を毎朝唱和することや社内研修などにより、形骸化させることなく社員に大切に伝え続けています。また、当社はフランチャイズビジネスを展開していますが、この経営理念に賛同いただいた人とともに活動しています。

経営理念「祈りの経営」の実現

循環型レンタルシステム   当社は、化学ぞうきん「ホームダスキン」のレンタル業で家庭のお掃除用具を世の中に広めていきました。汚れた商品を回収し、洗浄した商品をお渡しするレンタルシステムで繰り返し使える化学ぞうきんは、SDGsに通じる循環型ビジネスであり、フランチャイズ方式によるレンタル業は、当時としては画期的なビジネスモデルでした。そして単に利用いただくのではなく、“環境にも優しく、人に対しても優しくなければいけない”という思いが形になっています。このように経営理念を具現化した商品や、人によるサービスを通じて、喜びのタネまきを実践してきました。

ドーナツを通じて「おいしい想い出」をつくる

ミスタードーナツのはじまり

   当社フードグループの中核であるミスタードーナツは、創業者自身がアメリカでおいしいドーナツに感動して、「こんなにおいしいドーナツを日本のみなさんにも食べてもらいたい」と感じたこと、また、新たな事業を通じて加盟店や従業員の成長につなげてほしいという想いから、日本でのミスタードーナツ事業展開を決断しました。

「おいしい想い出」をつくり、お届けする

   ミスタードーナツのお客様への提供価値は“おいしいドーナツを五感を通じてお届けしていく”ことだと思っており、“おいしいドーナツ”をつくりこんでいくことを創業時から変わらずに続けています。ドーナツのおいしさはもちろん、BGMや什器、店舗など、全て含めて五感で“おいしいドーナツ”を感じていただきたいという思いで運営しています。
   ミスタードーナツが50周年を迎えた時、改めて自分たちの提供価値は何だろうと考え、「ミスドの思いド」募集キャンペーンと題して「ミスドで出会った思い出」をお客様から募集したところ、1万5千件もの応募がありました。「20年前に祖母に連れて行ってもらった」「父がいつも手土産に買ってきた」「恋人との初デートの場所」といった、ミスタードーナツを通じた様々な想い出が綴られていました。これこそが我々の提供価値ではないかと思い、日本に定着したドーナツの文化を今後も絶やすことなく、“おいしいドーナツ”をお届けし、五感を通じて体験していただきたいと考えています。

ミスタードーナツとSDGs

取組の紹介
ミスタードーナツ 安全・安心への取り組み ~「おいしい安心」をお約束~
   いつも変わらないおいしさと安心を。ミスタードーナツは、おいしさへのこだわりはもちろん、厳しい衛生管理・チェック体制を整えています。商品の開発段階から、ショップでお客様の手に渡るまで。ここでは「おいしい安心」への4ステップについて紹介します。
ステップ1
■安全管理体制

   商品開発段階毎に、食品安全管理責任者や各部門の担当者から構成される「安全確認会議」を開催し、原材料の規格や調達方法、原材料工場の衛生管理、ショップでの取り扱い方法など、各段階における安全性を発売前に入念に確認します。

ステップ2
■原材料工場の定期監査

   原材料工場では、定期的な監査を実施しています。品質管理担当者が、施設管理、工程管理、衛生管理、生産管理の4つの分野に渡り、約400項目にのぼるチェック項目を入念に監査します。

ステップ3
■物流センターの定期監査

   物流センターは工場から配送された原材料を、品質を保ちながら、適正な数量をショップへ配送するという重要な役割を担っています。そのため、品質管理担当者が原材料の保管状態や配送時の温度・衛生管理状態などを定期的に確認しており、施設管理、納品・検品環境、在庫管理、運用管理の4つの分野にわたり、約300項目にのぼるチェック項目を入念に監査します。

ステップ4
■ショップでの衛生管理

   すべてのショップが、いつお客様をお迎えしても、整理され清潔であること。そのために、独自のマニュアルに基づき、その手順に沿った衛生管理を日常的に行っています。それとは別に、専門機関の協力を得て、衛生検査「サニタリーチェック」を全店で自主的に実施。3カ月に1度、検査員が各ショップを訪問し、専門的な見地から、総合的にショップの衛生管理状況を評価・指導いただきます。

ミスタードーナツとSDGs
https://www.misterdonut.jp/torikumi/sdgs/[外部リンク]

  • 詳しくは以下のページをご参照ください
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/goal_12.html#com_26
取組の紹介
ミスタードーナツ 環境への取り組み ~食品ロス削減の取り組みとリサイクル~
■ドーナツの飼料化

   1日の製造スケジュールや廃棄チェックリストの徹底管理で、食品ロスが少しでも減るよう努力し、廃棄するドーナツの個数を極力減らすためのコントロールに取り組んでおりますが、どうしても閉店時に売れ残ってしまうドーナツについては、飼料化処理工場へ運び、飼料としてリサイクルしています。

※ 全国にある約9割以上のミスタードーナツショップで実施(2024年4月現在)
■ファンシードーナツの開発
ファンシードーナツ
<塩キャラメルフレンチ>

   期間限定で販売する商品の原材料を廃棄せず食材の有効活用をするために、期間限定の商品で使用する原材料と、定番商品で使用する原材料を組み合わせた商品(ファンシードーナツ)を開発し販売しています。
   写真のファンシードーナツは、定番商品の「フレンチクルーラー生地」に期間限定の「塩キャラメルクリーム」を組み合わせ「ホワイトチョコレート」でコーティングして仕上げています。

■ドーナツ調理オイルのリサイクル活用
調理オイルのリサイクル先

   古くなったドーナツ調理オイルは主に工業用の原料や、ショップで使用する液体洗剤としてリサイクルしています。
   一部地域では、マットやモップを洗浄・再生するダスキンの工場でボイラー燃料としても活用しています。
   また、バイオ燃料用として海外へ輸出することでリサイクル率100%を実現しています。

   その他にも一部ショップでの陶器・ガラス製食器の使用やバイオマスストローへの切り替えによるプラスチック使用量の削減、一部紙製包材にFSC®認証紙を使用するなど、様々な取り組みを行っています。

陶器・ガラス製食器一部ショップでの陶器・ガラス製食器の使用
バイオマスストロー一部包材をプラスチックから紙に変更
FSC認証紙一部紙製包材にFSC®認証紙を使用

ミスタードーナツとSDGs
https://www.misterdonut.jp/torikumi/sdgs/[外部リンク]
ダスキン廃棄物削減の取り組み
https://www.duskin.co.jp/sus/ecology/recyclingwaste/[外部リンク]

  • 詳しくは以下のページをご参照ください
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/goal_12.html#com_27
取組の紹介
ミスタードーナツ 社会貢献への取り組み ~住み続けられるまちづくりに貢献~
■公益財団法人 ダスキン愛の輪基金
ダスキン愛の輪基金

   ダスキンの社会貢献活動として長い歴史と実績を積んできたダスキン愛の輪基金はミスタードーナツと特に深い関りがあります。ミスタードーナツが創業10周年を迎えた翌年の国際障害者年に「障がいのある方の自立と社会との共生」を目指し「財団法人  広げよう愛の輪運動基金」(現、公益財団法人 ダスキン愛の輪基金)がスタートしました。

■ミスタードーナツの取り組み
ミスタードーナツ創業の日

   1970年1月27日は、ダスキン創業者の鈴木清一が日本でのミスタードーナツ事業の展開を決断した日です。この記念すべき1月27日を『ミスタードーナツ創業の日』と定め、お客様にお買い上げいただいた金額の一部を、障がいのある人たちの自立や社会参加に役立てるため、毎年「ダスキン愛の輪基金」に寄付しています。

あいのわ募金箱

   ショップのレジそばにはダスキン愛の輪基金の募金箱を設置しています。そこに「愛の輪運動」の入会パンフレットを置き、ご来店いただいたお客様にも参加の呼びかけを行っています。

点字メニュー

   他にも、点字メニューの導入や、こども110番運動への参加、災害時の帰宅困難者支援などにも取り組んでおります。

ミスタードーナツとSDGs
https://www.misterdonut.jp/torikumi/sdgs/[外部リンク]

  • 詳しくは以下のページをご参照ください
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/goal_11.html#com_06

社会から必要とされる企業を目指して

   サービス業の中でも特に外食産業は、職業として敬遠される業種になっていますが、SDGsの取り組みを積極的に伝えることで、外食産業が社会全体に貢献し、経済価値も生み出していることに関心を持っていただきたいと思っています。人口減少に伴う人手不足に対応するため、ミスタードーナツでは働く環境の効率化に向けた省人化も進めていますが、無人化では“喜び”や“おいしい想い出”の提供はできないと思っています。人を大切にし、店舗において「また来てね。ありがとう。」とお伝えできる環境をつくり続けていきたいと考えています。
   これからも社会から必要とされる企業を目指し、ミスタードーナツを通じておいしい想い出を提供し、「喜びのタネまき」活動を継続してまいります。

株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業本部の皆様、
インタビューのご協力ありがとうございました。
※インタビューで扱った内容は
企業が取り組むSDGsの一部です。

お問合せ先

大臣官房 新事業・食品産業部 企画グループ

代表:03-3502-8111(内線4139)
ダイヤルイン:03-6744-2065