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農林水産省

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第2節 専門調理師等の活用における取組


一般社団法人全日本司厨士(しちゅうし)協会は、各地の保育所・幼稚園・小学校での料理教室の開催や福祉施設での継続的な慰問活動等、総合的な食育の推進・普及を実施しています。全国の地方支部においては、地元食材の認知度の向上やシェフを目指す学生・生徒及び若手シェフの技術力の向上を目的として、地場産物を使った料理コンクールや鶏のさばき方・魚のおろし方についての講習会を多数開催し、調理技術の継承にも力を入れています。

また、後進の育成につなげる活動の1つとして、23歳以下の青年技能者を対象とした技能五輪全国大会では、長年にわたり大会の運営に協力しています。令和5(2023)年に開催された第61回大会においても競技課題の作成や審査等、その運営全般を担いました。隔年で開催される技能五輪国際大会においては、日本の代表となるシェフに対して実技の準備等の協力を行い、世界の舞台で日本の調理技能の高さをアピールできるよう支援を続けています。さらに、世界各地に配属される公邸料理人の育成に当たって、赴任している方の現地レポートを機関紙に掲載するなど情報を提供するとともに、若手シェフを対象とした講習会を開催し、食文化の継承のために、調理技術の向上等に努めています。

公益社団法人日本調理師会では、食を通じて心の触れ合いを図り愛情を深めるとともに、地域の特産品を主な食材とし、栄養バランスと減塩を考えた手作り弁当により子供の味覚を育むことで食育の推進に寄与することを目的に、毎年「全国こどものための愛情弁当コンテスト」を開催しています。本コンテストでは、育ち盛りの子供たちに食べさせたい地域の特産品を用いた弁当のレシピを全国から募集し、第13回大会では、最優秀作品4賞を決定しました。また、令和5(2023)年度は、都道府県の調理師会において、日本料理や西洋料理、中国料理等の部門を設けた料理コンクールを開催しました。日本古来の伝統料理の伝承や地産地消の推進を担う調理師に研鑽(けんさん)の機会を提供すること等で調理師の育成につなげるとともに、地産地消をテーマにした創作料理を広く発表することによって、食文化への興味・関心を喚起するよう活動しています。

「第13回全国こどものための愛情弁当コンテスト」最優秀賞作品名:森のくまさん弁当

「第13回全国こどものための愛情弁当コンテスト」
最優秀賞
作品名:森のくまさん弁当

「第13回全国こどものための愛情弁当コンテスト」最優秀賞作品名:わくわく!アクアリウム弁当

「第13回全国こどものための愛情弁当コンテスト」
最優秀賞
作品名:わくわく!アクアリウム弁当

「2023愛知県調理師大会 料理コンクール」西洋料理作品名:奥三河絹姫サーモンと伝統野菜のデグリネゾンオゼイユ風味

「2023愛知県調理師大会 料理コンクール」
西洋料理
作品名:奥三河絹姫(おくみかわきぬひめ)サーモンと伝統野菜の
デグリネゾンオゼイユ風味

「2023愛知県調理師大会 料理コンクール」中国料理作品名:秋味二色双珍

「2023愛知県調理師大会 料理コンクール」
中国料理
作品名:秋味二色双珍(あきあじにしょくそうちん)

事例:若手シェフへの技能の伝承

一般社団法人全日本司厨士協会

一般社団法人全日本司厨士協会では、若手シェフの育成は食文化の継承につながるものと考え、彼らの調理技術の向上を目的とした料理講習会や料理コンクール等を全国各地で継続的に開催しています。

東海地方本部では、令和4(2022)年度に引き続き、令和5(2023)年7月に水産加工の企業と共同で真鯛(まだい)と舌平目のおろし方の講習会を開催しました。本講習会には7名が参加し、魚のおろし方の基礎を学びました。参加者は、鯛(たい)の骨の硬さ、舌平目の骨の柔らかさと身の壊れやすさ等、魚の特徴を踏まえた実技に苦労しながらも、魚をおろす機会がない若手シェフには貴重な体験となりました。令和5(2023)年6月には、若手シェフを対象に、地元の食材である鹿肉等を使用する料理コンクールを開催しました。レシピと展示作品で評価を行う1次審査、調理の工程や料理の味で評価を行う2次審査により総合的に審査が行われました。

魚のおろし方の実習

魚のおろし方の実習

東京地方本部墨田(すみだ)支部では、令和5(2023)年6月に食品の企業と共同で若手シェフを対象とした料理講習会を開催しました。本講習会には30名が参加し、食品ロス削減に向けた取組として、食材を用意する段階から食材が余らないように工夫することの大切さが講師から伝えられました。このほか、有機栽培で育てられた食材を使った料理、食塩を使用しない料理を実演しました。

関東総合地方本部千葉県本部では、令和5(2023)年4月に、千葉県内の屠畜(とちく)施設の見学会を行いました。参加した12名は、屠畜から加工までの工程を学ぶ中で命の大切さを改めて実感し、食材を丁寧に扱うことの大切さを考える機会となりました。また、令和5(2023)年6月には、千葉県産の食材の魅力を広く発信するため、千葉県と協力し、松戸(まつど)市内のイベントで「黒アヒージョ」500食を提供しました。黒アヒージョには、県産のイワシの丸干しやマッシュルーム、醤油(しょうゆ)等が使用されました。調理の専門職であるシェフが地域の行事等に参加し、地元の食材の魅力を発信することは社会的な責任といえます。今後も技能の伝承だけでなく、地産地消を行うこと等でも食育の取組を進めていきます。

料理講習会の様子

料理講習会の様子

地元の食材を使った「黒アヒージョ」

地元の食材を使った「黒アヒージョ」



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消費・安全局
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担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4551)
ダイヤルイン:03-3502-1320

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