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農林水産省

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第1節 ボランティア活動等における取組


食生活が多様化する中で、地域の郷土料理や伝統食等の食文化を大切にし、次の世代への継承を図るには、地域の食生活改善推進員など国民の生活に密着した活動を行っている食育ボランティアの役割が重要です(事例:食生活改善推進員による食文化継承の取組 参照)。

農林水産省では、平成28(2016)年度「食育推進ボランティア表彰」において、食文化の継承も含む食育の推進に関するボランティア活動のうち、他の地域においても食育活動を推進する上で参考となり得るような優れた取組を行っている10件の個人・団体を表彰しました。

一般財団法人日本食生活協会では、日本の食に対する興味や関心を高め郷土料理の更なる活性化に寄与することを目的として、平成28(2016)年度に「郷土料理スペシャリスト」の認定制度を新設しました。開始後2年間は食生活改善推進員を対象としており、平成28(2016)年度には「第1期郷土料理スペシャリスト」を認定しました。

また、食生活改善推進員は、郷土料理や食文化の継承を目的とした「おやこの食育教室」等を実施しており、子供とその保護者が一緒に郷土料理をつくる体験学習が各地で行われています。

事例:食生活改善推進員による食文化継承の取組

一般財団法人 日本食生活協会

○小学校で「ほうとう」づくり教室(山梨県協議会)

「ほうとう」づくり教室

「ほうとう」づくり教室

忍野(おしの)村食生活改善推進員会は、忍野小学校の4年生を対象に、郷土料理「ほうとう」づくり教室を実施しています。かつてどの家でも日常的に作られていた「ほうとう」ですが、今では自宅で作る人が減り、子供達にとっては店へ行って食べる「ごちそう」となってしまっています。

このため、郷土料理を自宅で簡単に作れるようにと、教育委員会や小学校と相談したところ、4年生が学校農園でかぼちゃを育てていたことから、収穫したかぼちゃを使って「ほうとう」づくり教室を行うことにしました。「ほうとう」の由来や歴史を説明し料理にとりかかります。試食の時間を利用して朝食を食べることの大切さや栄養のバランスのことについても話しました。

○「だし活」で減塩(青森県協議会)

スーパーでの「だし活」普及

スーパーでの「だし活」普及

青森県食生活改善推進員連絡協議会では県と連携して「だし活」の普及に取り組んでいます。青森県産の煮干しや昆布を麦茶ポットやペットボトルなどに入れ、一晩冷蔵庫に寝かせてだしをとる「水出し」を、スーパー・量販店などにおいて来店者に試飲してもらいました。

また、市町村の乳幼児健診において「だし活」を紹介し、塩分控えめの「だし活味噌汁」や「だし活中華風スープ」を味わってもらい、美味しさを実感してもらいました。あわせて、味覚が発達する幼少期から、塩分控えめの食生活を身に付けると、大人になっても薄味を好み、塩分を摂り過ぎない食生活につながること等を理解してもらいました。

○京丹後の百寿レシピ(京都府協議会)

婚活イベントでの「丹後ばら寿司」づくり

婚活イベントでの
「丹後ばら寿司」づくり

京丹後市は、豊かな自然と新鮮で良質な食材に支えられた食生活のおかげで百寿者(100歳以上の長寿の方)が全国平均の2.7倍います。そんな食の宝庫である丹後の風土が生んだ伝統的な郷土料理として「丹後ばら寿司」が有名です。

食生活調査を実施した結果、百寿者がよく食べていたメニューの一つとして、「丹後ばら寿司」を普及しています。京丹後市食生活改善推進員協議会では、食文化伝承事業において、小学生・中学生・高校生や一般の方に講習会を行っています。地元のラジオ局「FMたんご」主催の婚活イベントでは、「丹後ばら寿司」に欠かせない具材として、サバ缶を使ったそぼろや錦糸卵作りを参加者に体験してもらいました。和気あいあいとした雰囲気はカップル誕生にも役立ちました。このように、「丹後ばら寿司」の講習会を通じて地域活性化の一翼を担っています。



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