1 管理栄養士・栄養士の養成・活用
厚生労働省等では、食生活や健康づくりに関する専門的な知識を有し、食育を推進する上で重要な役割を担う者として管理栄養士等の養成を行っています。管理栄養士等は、「栄養士法」(昭和22年法律第245号)に基づく資格であり、栄養士は都道府県知事から、管理栄養士は厚生労働大臣から免許が交付されています。
平成29(2017)年4月1日現在、栄養士養成施設数は299校(平成28(2016)年度301校)であり、そのうち管理栄養士養成施設数は144校(平成28(2016)年度140校)です。栄養士免許は、平成28(2016)年度19,166件(平成27(2015)年度18,600件)交付されており、累計交付数は1,060,771件です。また、管理栄養士免許は平成29(2017)年12月現在で10,351件(平成28(2016)年12月現在8,459件)交付されており、累計交付数224,077件となっています。管理栄養士等は、学校、保育所、病院、社会福祉施設、介護保険施設、保健所、保健センター、食品産業、大学、研究機関等の様々な場において食生活に関する支援を行っています。
また、特に、都道府県、市町村においては、地域での食育の推進が着実に図られるよう、行政栄養士の配置を推進しており、平成29(2017)年度においては、市町村の管理栄養士等の配置率は88.1%(平成28(2016)年度87.2%)であり、都道府県本庁、保健所等を合わせた行政栄養士の総数は6,457人(平成28(2016)年度6,341人)となっています。行政栄養士は、都道府県や市町村の食育推進計画の策定や食育に関する事業の企画・立案・評価、食生活改善推進員等のボランティアの育成、国民運動としての食育の推進が図られるよう関係団体や関係者との調整等を行っています。
公益社団法人日本栄養士会では、会員である約5万人の管理栄養士等が、全国で乳児期から高齢者までの食育を推進していくための活動を実施しています。平成29(2017)年度は健康増進のしおり「今と未来の生命のために生命を紡(つむ)ぐ女性の身体と食事」、「『主食・主菜・副菜』に注目!簡単に楽しく健康な1食を」、「時間栄養学で見直す食生活 1日3食『いつ』食べる?『どう』食べる?」、「正しく知って賢く活用 機能性表示食品をご存じですか?」を作成し、食育を含む健康づくりに関する情報を地域へ発信しています。
また、「健康日本21(第二次)」で取り上げている身体活動・運動は、生活習慣病の予防のほか、社会生活機能の維持及び向上並びに生活の質の向上の観点から重要であることから、ジュニアアスリートの保護者と指導者を対象とした研修会を、全国12か所で1,779名の参加を得て開催しました。また、野菜をたくさん食べて健康で生き生きとした生活を送るための支援として、都道府県栄養士会と協力して、各地で栄養相談・食生活相談事業を行っています。
さらに、子供の「食」を通じた健康づくりの一層の推進、望ましい食習慣づくり、豊かな人間形成等を図るため、「保育所保育指針に基づいた食育計画・食育実践」をテーマに、児童福祉施設に勤務する職員等を対象にした調理を含めた講習会を全国展開し、全国18か所で585名の参加を得ました。なお、食育推進や特定健康診査・特定保健指導、介護予防などの活動拠点として、全都道府県栄養士会に設置している「栄養ケア・ステーション」の更なる機能充実と拠点数の拡大を図り、管理栄養士による地域の在宅医療・健康・栄養・食育問題に対する取組を進めています。
加えて、管理栄養士等のキャリア支援を目的として生涯教育を実施しています。その中で、更に特定の専門分野において複雑かつ困難な栄養問題に対応できる能力と教育・研究スキルを有する専門管理栄養士を認定していくこととしています。「がん病態栄養専門管理栄養士」、「腎臓病病態栄養専門管理栄養士」、「糖尿病病態専門管理栄養士」、「摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士」、「在宅栄養専門管理栄養士」の育成を進めています。

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