2 専門調理師・調理師の養成・活用
近年、外食への依存度が高くなっており、飲食店等において、健康に配慮したメニューや商品が提供されることや食に関する分かりやすい情報と知識の提供が行われることが重要となっています。また、急速に進む高齢化、生活習慣病の増大や食の安全・安心を脅かす問題の発生など食生活を取り巻く社会環境が大きく変化するとともに、厨房機器の多様化など調理を巡る環境も変化してきていることから、時代に即した専門的知識・技術を有する専門調理師や調理師(以下「専門調理師等」という。)の養成が求められています。
専門調理師等は、「調理師法」(昭和33年法律第147号)に基づく資格であり、専門調理師については厚生労働大臣認定として「日本料理」、「西洋料理」、「麺料理」、「すし料理」、「中国料理」、「給食用特殊料理」の計6種類があり、また調理師については都道府県知事免許として交付されています。
平成29(2017)年4月1日現在、調理師養成施設数は279校(平成28(2016)年度276校)であり、平成28(2016)年度には調理師免許が35,469件(平成27(2015)年度36,935件)交付されており、累計交付数約379万件となっています。専門調理師は、平成29(2017)年度専門調理師認定証書交付数が543件(平成28(2016)年度645件)であり、累計交付数38,259件となっています。
公益社団法人調理技術技能センターでは、高度な調理技術を生かして地域における食育推進運動のリーダーとして活躍できる専門調理師を養成するために、「専門調理師・調理技能士のための食育推進員認定講座」を開催しています。平成29(2017)年9月現在、4,924人を「専門調理食育推進員」に認定しており、うち142人を「専門調理食育推進指導員」としています。この名簿を各都道府県に送付し、食育推進活動等における専門調理師の活用を促しています。
公益社団法人日本中国料理協会は、専門調理師等による中学校等での出張授業の実施や、行政や調理師団体等が主催する食育事業の体験活動、行事等の実施に協力し、地域の食育活動を推進しています。
また、青森、栃木、千葉、東京、静岡、愛知、広島、徳島、大分、福岡、熊本、鹿児島各都県で、障害者総合福祉センター、児童養護施設、高齢者交流施設、社会福祉施設、老人ホーム等を訪問し、調理した中国料理を提供しています。また、食育推進全国大会に参加し、一般消費者への食育推進活動として、調理実演を行っています。

公益社団法人全国調理師養成施設協会では、全国の調理師養成施設において、近隣住民等を参加対象とした「食育教室」を開催し、健康に配慮した食生活の大切さを講義する、親子調理実習を通じて一緒に食べる楽しさを伝えるなど、食育の普及啓発に努めています。平成29(2017)年度は65校で開催し、平成16(2004)年度からの延べ開催施設数は1,088校となりました。
また、食育推進活動で活躍できる調理師として、食育実習等を含む一定のカリキュラムに基づく講習及び試験による食育インストラクターの養成を行い、平成18(2006)年の開始以降、平成29(2017)年度までに43,742人を養成しています。
さらに、食育に関心のある人を始め、飲食業界関係者や小中学校の栄養教諭及び食育担当教員などを対象に「第8回全調協食育フェスタ」を開催し、食品関連事業者や各地方公共団体による「食情報・地産地消フェア」の出展コーナー、調理師養成施設による地元食材メニューや郷土料理を提供する「調理師学校は美味しい!!」、食育に携わる講師による「食育・健康セミナー」、日本各地の雑煮の紹介と試食が楽しめる「日本列島お雑煮あれこれ」、子供やその保護者を対象にした食育の公開レッスン「食育教室はじまるよ!」といった内容を通じて食育の推進に資しています。
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