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農林水産省

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2 バイオマス利用と食品リサイクルの推進


バイオマスは、動植物由来の再生可能な資源であり、家庭やレストラン等から出る食品廃棄物や家畜排せつ物など我々の身近に豊富に存在しています。バイオマスを利用することは、循環型社会の形成や地球温暖化の防止に寄与するほか、新たな産業の創出や農山漁村の活性化につながるものです。

バイオマスの活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、政府は、「バイオマス活用推進基本法」(平成21年法律第52号)に基づき、平成28(2016)年9月に新たな「バイオマス活用推進基本計画」を閣議決定しました。

食品廃棄物については、食品関連事業者による飼料や肥料等への再生利用の取組が進められているものの、消費者に近い食品流通の川下や家庭での廃棄物については、分別が難しく、それらの取組は必ずしも十分とは言えない状況にあります。このため、食品流通の川下においても取り組みやすいメタン化の取組とともに、資源を有効に利用する観点から、メタン化に伴う消化液の肥料利用に向けた取組に対する支援を実施するなど、引き続き、地域の実情に応じた再生利用を推進しました。

また、我が国では、環境負荷の少ない、循環を基調とした経済社会システムを構築するため、食品リサイクル法に基づき、食品の売れ残りや食べ残し及び食品の製造過程において発生している食品廃棄物等について、発生抑制と減量化により廃棄物として排出される量を減少させるとともに、飼料や肥料等の原材料とするリサイクル等を推進しています。

取組の一例として、環境省では、平成27(2015)年度から「食品リサイクル推進マッチングセミナー」を開催しており、平成29(2017)年度は全国の3か所で開催しました。

この結果、食品関連事業者の再生利用等実施率は、平成25(2013)年度には85%になりました。また、食品リサイクル法の再生利用事業計画(食品リサイクル・ループ)の認定制度の活用等により、食品関連事業者、再生利用事業者、農林漁業者等の3者が連携し、地域で発生した食品循環資源を肥料や飼料として再生利用し、これにより生産された農産物を地域において利用する取組も進んでおり、平成29(2017)年12月末現在で54の計画が認定されています。

図表2-5-5 再生利用事業計画のイメージ

コラム:映画「0円キッチン」とのタイアップによる
食品ロス削減のための親しみやすい情報発信

映画「0円キッチン」ポスター

農林水産省では、平成29(2017)年7月から映画「0円キッチン」とのタイアップにより、「食べものに、もったいないを、もういちど。」をキャッチフレーズに、食べ物を大切にすることの大切さについて情報発信を行っています。

本映画は、食料危機に関心を持つ主人公が、食品廃棄削減のヒントを得るため、自身で製作した食品廃油で稼働する自動車で、欧州5ヵ国(オーストリア・ドイツ・オランダ・ベルギー・フランス)を旅する姿が描かれています。旅先で、事業者や消費者から廃棄予定のまだ食べられる食品を回収・調理し、プラムのジャム、ブイヤベースなど、どれも廃棄される食品から作られるとは感じさせないような料理を振る舞うことで、食品廃棄を真摯に受け止め、「もったいない」意識を醸成するような内容となっています。

本映画は、DVDの貸出を行い、地域で自主上映会を開催する上映形態をとっており、平成29(2017)年10月の世界食料デー月間に、全国で映画上映のムーブメントを起こすことを目標に、農林水産省の関係機関を含め、幅広く周知活動を行った結果、全国71カ所で上映会が開催されました。

食品廃棄削減は、誰でも取り組むことができる一方、具体的な取組を促す必要があります。平成29(2017)年11月に農林水産省が実施した「食育に関する意識調査」では、購入した食品を食べないまま、捨ててしまうことがあるか聞いたところ、「ある」と回答した人の割合が35.8%となっています(図表1)。一方、食べ残しを減らす努力をしているか聞いたところ、「している」と回答した人の割合が93.9%と高い割合となっています(図表2)。

図表1 食品ロスの実態
図表2 食べ残しを減らす努力

このように、購入した食品の賞味期限を切らしてしまったり、保管したまま忘れてしまったりする人が一定程度いる一方、料理については食べきる努力がされていることから、国民が、食品ロス削減について、必ずしも無関心ではないと考えられ、具体的な行動や意識を醸成する情報発信を行う必要があります。今回のタイアップのように、多くの国民に親しみやすく共感しやすい媒体を通じた情報発信や、気軽に食品ロスについて触れられる環境づくりなどの多様なアプローチが求められます。

今後、同映画について「もったいない」の発祥地である日本で、第2弾の撮影が予定されています。



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