2 意見交換会
食品の安全性等に関するリスクコミュニケーションの取組の一つとして、消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省及び農林水産省等が連携して、消費者をはじめとする関係者間での意見交換会を開催しています。
平成29(2017)年度は、関係府省庁で連携し、「食品の安全を守る取組」、「食品中の放射性物質」、「健康食品」をテーマとした意見交換会を全国各地で開催しました。
平成29(2017)年6月から7月にかけては、消費者が食に関する様々な情報を冷静に受け止め、自主的かつ合理的に行動するための一助となるよう、安全な食品とは何かということや、食品の安全を守るための行政の取組を紹介することを目的とした意見交換会「食品に関するリスクコミュニケーション 食品の安全を守る取組~農場から食卓まで~」を、平成28(2016)年度3月に続いて広島県、北海道、神奈川県で開催しました。
「食品中の放射性物質」に関しては、平成23(2011)年度から関係府省庁で連携し、重点的に取り組んでいます。東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故から6年以上が経過したことから、食品中の放射性物質について、改めて、事故による被災地以外の消費地の消費者に基礎知識を情報提供し、被災地の生産現場や流通している食品中の放射性物質量の現状についての理解を深めていただくことを目的とした意見交換会「食品に関するリスクコミュニケーション~今、改めて考える 食品中の放射性物質に対する現状と取組~」を平成29(2017)年10月から11月にかけて、東京都、宮城県、愛知県、福岡県で開催しました。
東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による風評払拭については、政府一体となって取り組んでおり、風評の主な要因は放射線に関する知識等の周知不足であり、広く国民に正確な情報を発信することが重要であることから、復興庁が中心となり、関係府省庁とともに、平成29(2017)年12月に「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」を策定しました。本戦略では、福島県産品の魅力や、その安全性などの情報発信を一層強化することとしています。
平成29(2017)年度は、国民生活センターによる健康食品に関する健康被害情報の公表、厚生労働省による自治体を通じた事業者に対しての製造管理、消費者に対する情報提供・健康被害情報の収集の改善指導、関係府省庁による消費者に対する情報提供・普及啓発、注意喚起を行いました。さらに、消費者庁は、平成29(2017)年10月に健康食品に関するパンフレット及びリーフレットを公表し、健康食品の安全性が社会的に注目されていることから、関係府省と連携して意見交換会「食品に関するリスクコミュニケーション 健康食品に関する最近の話題~健康食品との付き合い方を考える~」を平成29(2017)年12月に東京都で開催しました。
また、消費者庁は平成28(2016)年度に続き、関係府省と連携して東京都、宮城県で実施された親子参加型イベント及び大阪府で実施されたショッピングモールでの食育イベントに出展し、小学生とその保護者及び一般消費者に食品安全に関する情報提供(ミニセミナ-、ワークショップ)を実施しました。これらイベントの中で、食品中の放射性物質に関するステージプログラムも行いました(コラム:子供と保護者への食品安全に関する情報提供の取組 参照)。
なお、意見交換会等で使用した資料や議事録は、関係府省庁のホームページにおいて公開しています。
消費者庁では、地方公共団体や消費者団体等と連携しながら、食品に関する身近なリスクと安全について、消費者、事業者、専門家等の情報共有・理解促進のための意見交換を実施しています。中でも、食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションについては重点的に取り組んでおり、関係府省、地方公共団体、消費者団体等と連携し、消費者が正確な理解に基づき行動できるよう、また、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による被災地の食品に対する風評被害の防止の観点も踏まえ、意見交換会等を実施しており、平成29(2017)年度は108回開催しました。
食品安全委員会では、毎年度策定する食品安全委員会運営計画に基づき、食品安全委員会が行う食品健康影響評価(リスク評価)結果等への理解の促進等のため、リスクアナリシス、食中毒等をテーマとして取り上げ、地方公共団体とも連携しつつ、意見交換会を開催しています。特に、平成29(2017)年度からは、参加者に見合った講義内容とするため、リスクアナリシス連続講座を改訂し、広く一般消費者を対象とした「みんなのための食品安全勉強会」及び食品関係事業者等を対象とした「精講:食品健康影響評価」の2種類の講座を開設しました。平成29(2017)年度は、「みんなのための食品安全勉強会」においてカフェインの安全性をテーマに、「精講:食品健康影響評価」において加熱時に生じるアクリルアミドの食品健康影響評価をテーマに、それぞれ講座を開催しました。また、食育の一環として、消費者に対する食品安全教育のため、地方公共団体等への講師派遣、報道関係者や消費者団体との意見交換会、事業者団体や日本栄養士会等の関係職能団体との意見交換を実施するなど、積極的な情報提供や意見交換に努めています。なお、意見交換会で使用した資料や議事概要は、ホームページにおいて公開しています。
厚生労働省では、消費者に食品の安全性確保についての理解を深めてもらうために、輸入食品等についての意見交換会を開催するほか、地方公共団体等が主催する意見交換会や講習会等の機会を活用し、情報提供や意見交換に努めています。
農林水産省では、本省、地方農政局等において消費者との懇談会、消費者や事業者への説明会等の開催を通じて、食品の安全確保に係るテーマや動植物の防疫等について積極的な情報提供に努めています。
平成29(2017)年度における意見交換会の主な開催テーマ
- 食品中の放射性物質に対する現状と取組
(消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省) - 健康食品に関する最近の話題(消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省)
- 食品の安全を守る取組(消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省)
- 食品安全について工場見学と講演会(消費者庁)
- リスク評価結果等:カフェイン(みんなのための食品安全勉強会(一般消費者対象))、アクリルアミド(精講:食品健康影響評価(食品関係事業者等対象))、リスクアナリシス、食中毒等(食品安全委員会)
- 輸入食品の安全性確保(厚生労働省)
- 食品衛生規制等の見直しに向けた検討状況に関する説明会(厚生労働省)
- 動物検疫(農林水産省)
また、「こども霞が関見学デー」では、各府省庁において工夫を凝らしながら、取組を進めています。例えば、厚生労働省では、子供が食の安全について学ぶきっかけになるよう、食の安全に関するクイズや手洗い方法に関する講習等を実施し、823名の子供達が参加しました。消費者庁と食品安全委員会では、初めて連携して「食品と生活の安全について学ぼう!」を開催し、消費者庁からは身の回りの事故防止を考えるミニセミナー、食と暮らしの安全について調べてオリジナルすごろくを作るワークショップを、食品安全委員会からはノロウイルスの感染拡大予防について楽しく学ぶゲームを実施しました。
ご意見・ご感想について
農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。
白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
送信フォームはこちら。
お問合せ先
消費・安全局
消費者行政・食育課
担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974