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農林水産省

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第3章 地域における食育の推進


「食事バランスガイド」は、食事の望ましい組合せやおおよその量をイラストで分かりやすく示したもの。「食生活指針」を具体的な行動に結びつけるものとして平成17年に厚生労働省及び農林水産省が策定。健康づくりに関する事業や地域における食育に関するイベント等で普及・活用。

「健康日本21(第二次)」では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現を目指し、53項目の具体的な目標を設定。目標達成に向け、主要な項目については継続的に数値の推移等の調査や分析を実施。

若い世代は、食に関する知識や意識、実践状況等の面で他の世代より課題が多く、若い世代への食育を推進することが必要。

コラム:若い世代の食育推進のために必要な支援等に関する意見交換

ユース・ラウンド・テーブルの様子

ユース・ラウンド・テーブルの様子

農林水産省は、内閣府の「青少年意見募集事業」を活用し、中学生から29歳までの子供や若者を対象に、「若い世代の食育」をテーマとした意見募集と意見交換(ユース・ラウンド・テーブル)を実施。

ユース・ラウンド・テーブルでは、「朝食摂取」、「栄養バランスに配慮した食事」、「食文化の継承」のグループに分かれ、それぞれを実践するために必要だと思う支援について、活発な意見交換が行われた。

参加者からは、この意見交換をきっかけに、食育への関心が高まったという声も多く寄せられた。

「栄養バランスに配慮した食事」のグループで出た意見

「栄養バランスに配慮した食事」のグループで出た意見

厚生労働省では、食生活や健康づくりに関する専門的な知識を有し、食育を推進する上で重要な役割を担う者として管理栄養士・栄養士の養成を行い、関係団体との連携等により、人材育成や食育推進の取組を実施。

内閣府を中心とした官公民の連携協働プロジェクトである「子供の未来応援国民運動」では、子供食堂を含め貧困の連鎖の解消につながる活動を行うNPO等に対し、子供の未来応援基金を通じた支援や、支援を希望する企業等とのマッチングを推進。

農林水産省では、子供食堂と連携した地域における食育が推進されるよう、ホームページにおいて関連情報を整理するとともに、支援者・地域関係者に向けた事例集を作成。

高齢者については、健康寿命の延伸に向け、個々の高齢者の特性に応じて生活の質(QOL)の向上が図られるように食育を推進する必要。

「8020(ハチマル・ニイマル)運動」は、80歳になっても自分自身の歯を20本以上保つことを目標として実施。厚生労働省では、「8020運動・口腔保健推進事業」を通じて都道府県の取組を支援。

コラム:高齢者の健康づくりを支えるための配食ガイドライン

高齢化が急速に進展する中、自宅等に住む高齢者の食生活を支える手段の一つとして、配食事業の果たす役割は非常に大きいことから、厚生労働省は平成28年度に「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理の在り方検討会」を開催し、平成29年3月に検討会報告書及び配食事業者向けガイドラインを公表。

〈整理された主な事項〉

<1>配食事業における商品管理の在り方

  • 献立作成に係るものとして、対応体制、基本手順、栄養価のばらつきの管理等について整理。
  • 在宅療養者向けの食種として、エネルギー量、たんぱく質量、食塩相当量等を1つ以上調整した栄養素等調整食や、硬さ、付着性、凝集性等に配慮した物性等調整食への対応の在り方を整理。

<2>配食利用者の身体状況等の把握に関する在り方

  • 適切な食種の選択の支援を行う観点から、配食事業者は配食注文時のアセスメント、配食継続時のフォローアップを行うこととし、そのための対応体制、確認項目、留意事項等を整理。
  • 配食利用者が自身の身体状況等を把握するため、基本となる確認項目等を整理。

地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の本格的な普及はこれからとなるが、平成30年1月に、本ガイドラインを踏まえた配食サービスの普及と利活用の推進に向けて、配食事業者と配食利用者それぞれに向けた普及啓発用パンフレットを作成し、ホームページで公表。

食事業者向けパンフレット

食事業者向けパンフレット

配食利用者向けパンフレット

配食利用者向けパンフレット

農林水産省では、「日本型食生活」の実践等を促進するため、地域の実情に応じた食育活動を支援。

食品関連事業者等は、CSR(企業の社会的責任)活動の一環としてなど、食育に取り組む。工場・店舗の見学、製造・調理体験、農林漁業体験、料理教室の開催のほか、店舗での食育体験教室の開催、出前授業、食生活に関する情報提供など、幅広く実施。

事例:「日本型食生活」の実践の推進に関する取組

調理講習会の様子

調理講習会の様子

ヘルシー丼レシピ集

ヘルシー丼レシピ集

富山県では、富山米と新鮮な魚介、野菜、肉などをバランスよく食べる「富山型食生活」を普及啓発するとともに、旬の地場産食材の活用や優れた食文化・郷土料理の継承につなげる活動を展開してきたが、他の世代と比べ、20~30歳代には依然として課題が残る。

そのため、若い世代や子育て世代を対象に、各市町村で「とろろ昆布ごはん」や「いとこ煮」などの富山に古くから伝わる郷土料理、「鶏肉のコーラ煮」や「ケークサレ」など若者向けの料理などの調理講習会を開催。また、若者向け食育実践ガイドを活用した食育講座を開催。

地場産食材を使用した手軽で栄養バランスのとれた若者向けヘルシー丼レシピを一般から募集し、優秀作品によるレシピ集を作成してイベントや研修会などで配布。また、「若者による食育実践活動の取組事例」を作成し、食育推進団体等へ配布。

プラス1皿マーク

プラス1皿マーク

マイナス2gマーク

マイナス2gマーク

withミルクマーク

withミルクマーク

「毎日くだもの200グラム運動」ロゴマーク

「毎日くだもの200グラム運動」
ロゴマーク

平成28年の野菜摂取量は276.5g、果実摂取量は102.2gで、前年と比べ減少。

厚生労働省では、「健康日本21(第二次)」において、健康寿命の延伸に向け、企業・団体・自治体と協力・連携した取組として「スマート・ライフ・プロジェクト」を推進。毎年9月に展開している食生活改善普及運動では、「食事をおいしく、バランスよく」を基本テーマに、野菜摂取量を350g以上にすることを目標とした「毎日プラス1皿の野菜」、「おいしく減塩1日マイナス2g」に加え、「毎日のくらしにwithミルク」にも焦点を当て、自治体や企業とともに全国的な運動を実施。

農林水産省では、生産者団体と協力し「毎日くだもの200グラム運動」による家庭や学校給食等における果物の摂取を促進。果物の健康への有益性や機能性の周知、社会人(企業)を対象とした普及啓発(「デスクdeみかん」等)、小学生を対象とした出前授業に取り組み、果物の摂取が生涯にわたる食習慣となるよう、その定着を推進。

事例:企業と協働した食生活改善普及運動の取組

毎日プラス1皿の野菜
だしのデモンストレーションの様子

だしのデモンストレーションの
様子

北海道函館市は、平成29年度食生活改善普及運動の取組として、「毎日プラス1皿の野菜」キャンペーンを実施。70g以上の野菜が使われている飲食店のメニューを登録してもらい、市のホームページで、メニューや店舗を紹介。コンビニやスーパー等では、市の食育推進キャラクターをデザインした野菜普及啓発のポップを貼付してもらい、“もっと野菜を食べよう”を推進。

平成29年9月30日、10月1日には、市内の書店で健康づくりイベントを開催。楽しみながら健康について関心を持てるように、健康に関するクイズラリーや各種測定等を実施。食育ブースでは、北海道栄養士会函館支部や函館市食生活改善協議会が、地場産の昆布だしのとり方のデモンストレーションと試飲を実施し、減塩について普及啓発。また、1日の野菜摂取の目標量である350gの計量体験も実施。

今後も食育推進協議会等関係団体と連携を図りながら食育を推進していく。

事例:アイディアあふれる活動による健康増進や食文化の継承につながる食育の推進
(平成29年度食育活動表彰 農林水産大臣賞受賞)

電車内での食育活動の様子

電車内での食育活動の様子

富山県高岡市で食生活改善推進員として活動している横川照子さんは、32年もの間、アイディアあふれる数々の取組によって食育を推進。

食育寸劇劇団「チャンチキ一座」では、生活習慣の改善やがん予防をテーマに出張公演。平成24年の「内食グランプリ」、平成27年の「男性食生活改善推進員による家庭自慢料理コンテスト」など市民参加型の活動を展開。平成27年には高岡市と射水市を結ぶ路面電車「万葉線」の車内で若者食育実践セミナーを開き、郷土食弁当の提供と食育講座を実施。

さらに、毎年実施している食生活アンケートの結果をもとに、スーパーマーケットや学校・企業において、幅広い世代に「減塩」や「野菜1日350g摂取」など食に関する情報を発信。

事例:地域の子どもたちの心に届く食育プログラム「食育戦隊ゴハンジャー」の取組
(平成29年度食育活動表彰 農林水産大臣賞受賞)

食育戦隊ゴハンジャー

食育戦隊ゴハンジャー

山口県立大学では、平成18年度から、学校やスーパーマーケット等、子供たちの生活の場において食育活動を実施。

三色食品群をイメージした自作のキャラクター「食育戦隊ゴハンジャー」や五感を用いて実際に体験できるよう工夫したオリジナル教材は、子供たちの興味を引いている。

スーパーマーケットでは、子供たちに対し、買い物や調理体験に加え、食材の袋詰めやレジ打ち等、食べ物が消費者の手に渡るまでの工程を体験できるプログラムを実施。保護者へのアンケート結果や子供たちの発言記録等を分析、共有し、次のプログラムや継続的な食育につながるよう工夫。

活動で使用する教材は、参加者の年齢や活動目的に応じたものを作成。絵本やワークブックはプログラム参加者以外にも理解できる内容とし、無償配布。



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消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4576)
ダイヤルイン:03-6744-1971
FAX番号:03-6744-1974