このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

特集1 食文化の継承に向けた食育の推進


1 第3次食育推進基本計画における位置付け

近年、我が国の優れた伝統的な食文化が十分に継承されず、その特色が失われつつあることや、2013年に、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを踏まえ、「食文化の継承に向けた食育の推進」を重点課題の一つとして位置付け。

本特集では、食文化の継承に関する国民の考え方や実践の状況等を分析するとともに、食文化の継承に取り組んでいる事例を紹介。

2 食文化の継承に関する考え方や実践状況

食文化を受け継ぐことの重要性について、約9割が重要と思うと回答。約7割が食文化を「受け継いでいる」と回答。

食文化を受け継いでいる状況(性・年代別)
受け継ぐために必要なこと(性別)
食文化の継承と朝食の共食頻度との関連

食文化を受け継ぐために必要なことは、「親等から家庭で教わること」を挙げた人が最も多く、次いで、「子供の頃に学校で教わること」、「ふだん食べているもののうち、どれが郷土料理や伝統料理かを知る機会を増やすこと」。

食文化を「受け継いでいる」と回答した人のうち、約8割が地域や次世代(子供や孫を含む)に対し「伝えている」と回答。

食文化を「伝えている」と回答した人のうち、朝食を家族と一緒に「ほとんど毎日食べる」と回答したのが半数以上であった一方、「伝えていない」「受け継いでいない」との回答した人では約4割。

事例:地域と共に生きる力を育む食育カリキュラム「高倉(たかくら)スタンダード」の開発

京都市立高倉(たかくら)小学校(京都府)

5年生 だしの授業の様子

5年生 だしの授業の様子

6年生・日本料理の盛り付け体験の様子

6年生・日本料理の盛り付け体験の様子

京都市(きょうとし)立高倉(たかくら)小学校では、小学校6年間の食育カリキュラムとして、地域の教育資源や人材を活用しながら系統立てた「高倉(たかくら)スタンダード」を開発。

1年生では地域の高齢者と給食を食べる「スマイル給食」、4年生では地元企業の屋上農園を利用した農業体験、5、6年生では日本料理の料理人から学ぶ「だしの授業」、日本料理の盛り付け体験など、食育に関する教育内容を充実。

教育課程の中で食育がどのように位置づけられているか可視化することで、関係者の情報共有の促進や、食育への理解を深める。

事例:「ぐんま食育こころプラン」に基づく食文化継承の取組

群馬県

(左)ぐんまの食文化継承テキスト(2019年3月発行)(右)ぐんまの郷土料理(2017年6月発行)

(左)ぐんまの食文化継承テキスト(2019年3月発行)
(右)ぐんまの郷土料理(2017年6月発行)

群馬県では、「群馬県食育推進計画「ぐんま食育こころプラン」」において、「伝統的な食文化の保護・継承」を重点課題の一つに位置付け。

10月24日を「学校給食ぐんまの日」と定め、学校給食に群馬県の郷土料理や県産農産物を使用した献立を取り入れる。

群馬県内の郷土料理の由来などを紹介するリーフレット「ぐんまの郷土料理」や食文化を伝えるための取組などをまとめた「ぐんまの食文化継承テキスト」を作成し、学校等で活用。

事例:地域特性を生かした食文化の継承-富山の「細工かまぼこ」

富山県蒲鉾(かまぼこ)水産加工業協同組合(富山県)

細工かまぼこ

細工かまぼこ

かまぼこの生産が盛んな富山県では、婚礼等の引出物として縁起物をかたどった「細工かまぼこ」が有名。

引出物として受け取った人は、親戚や知人、隣人におすそ分け。冠婚葬祭を大切にする地域の風土と地域の産物が結び付き、根付いた食文化。

富山県蒲鉾(かまぼこ)水産加工業協同組合では、「親子細工かまぼこ教室」や体験イベント「富山かまぼこ学校」など、細工かまぼこを継承する取組を実施。

郷土料理や伝統料理を食べる頻度(性・年代別)

生まれ育った地域の郷土料理や伝統料理について知っているか尋ねたところ、「よく知っていて、食べたことがある」と回答した人が約5割。

日本全国の郷土料理や伝統料理を食べる頻度について、「月に1回以上」と回答した人は約半数。

3 伝えたい日本の伝統的な食文化

和食の基本形である一汁三菜からみた日本の伝統的な食文化について、その特長や食文化の継承に取り組む食育の事例を紹介。

コラム:日本の伝統的な主食「ごはん」

ごはんを食べる頻度と栄養バランスに配慮した食事を食べる頻度との関連
米の消費量の変化(性・年齢階級別)
農林水産省 ウェブサイト「やっぱりごはんでしょ!」

農林水産省 ウェブサイト「やっぱりごはんでしょ!」

古くから主食として食べられてきた「ごはん」を食べる頻度が高い人は、栄養バランスに配慮した食事(主食・主菜・副菜を組み合わせた食事)を1日2回以上ほぼ毎日食べている人が多い。

農林水産省は2020年2~3月に米の消費動向に関する調査を実施。5年前と比べた自身の米の消費量について、「減ってきている」と回答した人は「増えてきている」と回答した人の2倍。

増えた理由は「お米が好きになったから・味が良くなったから」、減った理由は「副菜・おかずを食べる量を増やし、主食を食べる量を減らしたから」が最も多い。

女性の50歳以上、男性の60歳以上では、米の消費量が「減ってきている」と回答した人が約4割。米・加工品の摂取量の年次推移は、中高年者層で減少の傾きが大きい。

農林水産省では、2018年から米の消費拡大を応援する「やっぱりごはんでしょ!」運動を展開。ごはん食の良さを知ってもらえるよう、ごはん食による栄養バランス改善の効果やごはんレシピに関する情報をウェブサイトで紹介。SNSも駆使し、企業・団体等と連携した情報発信。

事例:「味噌」を通した食文化の継承と食育の推進

合資会社野田(のだ)味噌商店(愛知県)

味噌蔵見学の様子

味噌蔵見学の様子

合資会社野田(のだ)味噌商店では、若い世代に食文化を継承することを目的に、味噌蔵見学や味噌作り体験を実施。

地域の飲食店と連携し、味噌を使用した地元の郷土料理である「五平餅(ごへいもち)」の継承の取組を実施するなど、地域の食文化の伝承にも努める。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、オンラインでの味噌蔵見学や自宅で味噌を作れる味噌仕込みセットを用いた味噌づくり体験を実施。

事例:日本の食文化における「箸置き」の意義を伝える取組

佐賀県陶磁器(とうじき)商業協同組合(佐賀県)

「肥前(ひぜん)・有田(ありた)箸置きプロジェクト」のビジュアルイメージ

「肥前(ひぜん)・有田(ありた)箸置き
プロジェクト」のビジュアルイメージ

佐賀県陶磁器(とうじき)商業協同組合では、手軽に購入してもらえる箸置きを通して、食卓や食事全体に関心を広げてもらうことを狙いとして、2019年から「肥前(ひぜん)・有田(ありた)箸置きプロジェクト」を開始。

Instagram公式アカウントでの箸置きの紹介のほか、箸置きを使った学校給食での特別授業「学校給食で箸置きを使おう」等を実施。

事例:「日本食パターン」と死亡リスクとの関連

国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都)

日本食パターンと死亡リスクとの関連

国立研究開発法人国立がん研究センターでは、様々な生活習慣と病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究を実施。

日本食パターンと死亡リスクの関係を調べたところ、日本食パターンのスコアが高いグループでは、全死亡・循環器疾患死亡・心疾患死亡のリスクが低くなることが分かった。



ご意見・ご感想について

農林水産省では、皆さまにとってより一層わかりやすい白書の作成を目指しています。

白書をお読みいただいた皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

送信フォームはこちら

お問合せ先

消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4578)
ダイヤルイン:03-6744-2125
FAX番号:03-6744-1974

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader