食品安全に関する有害微生物の実態調査の結果集(農産物)
作成日:平成29年4月7日
更新日:令和4年12月26日
なぜ野菜の衛生管理が必要なのでしょうか
- 水路に動物ふん等の汚物が流れ込み、かん水や薬剤散布などの栽培に使う水が有害微生物に汚染される
- 製造時に十分な温度で発酵されなかったため、家畜ふん堆肥中に有害微生物が残存する
- 有害微生物を保有しているねずみや鳥などが、ほ場や生産施設に侵入し、有害微生物を持ち込む
- 感染症にかかった作業者が、手や作業着に有害微生物を付けてしまう
加熱せずに生で食べる野菜では、洗浄や消毒によって有害微生物を減らすことができますが、完全に除くことはできません。また、温度や栄養などがこれらの微生物にとって都合のよい条件になることで増えたり、少量で食中毒をおこしたりすることもあります。
このため、特に生で食べる野菜は、日頃から生産段階でも、有害微生物を「付けない」「増やさない」ための衛生管理が必須です。
「野菜の衛生管理指針」とともに「結果集」をご活用ください
農林水産省消費・安全局では、野菜の衛生管理に向けた対策を検討するために、国内の生産ほ場における有害微生物による野菜や周辺環境の汚染状況などの調査を行っています。これらの調査で得られたデータの解析結果を、生産者・指導者向けに「結果集」としてまとめています。水や家畜ふん堆肥の管理、手洗いなど、衛生上の注意すべき点をまとめた「野菜の衛生管理指針」とともに、参考にしていただけますと幸いです。
生産環境
コラム:野菜が原因食品と考えられる食中毒事例(海外)
〇生産段階での汚染が疑われる食中毒事例 ・ 米国(2008年):サルモネラに汚染された野菜(とうがらし等)によるもの(患者数1,442名、うち死者数2名)
・ 欧州(2011年):腸管出血性大腸菌に汚染されたスプラウトによるもの(患者数3,842名、うち死者数53名) ・ 米国(2018年):腸管出血性大腸菌に汚染された野菜(ロメインレタス)によるもの(患者数210名、うち死者数5名)
<特に収穫後の貯蔵・調製段階での汚染が疑われる食中毒事例> ・ 米国(2011年):リステリア・モノサイトジェネスに汚染されたカンタロープメロンによるもの(患者数147名、うち死者数33名)
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農林水産省消費・安全局は、野菜の生産に携わっている方向けに、「栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針(PDF : 2,256KB)」や「スプラウト生産における衛生管理指針(PDF:1,445KB)」「もやし生産における衛生管理指針(PDF:1,711KB)」を作成・公表しています。この「結果集」をご覧になった後、ご自身の作業場における衛生管理を再確認して見直したい方の参考になれば幸いです。 地方自治体や農業者団体等が、有害微生物の低減化に有効な施肥、かん水等の栽培管理技術を検証できるよう、交付金による支援も行っています。 |
お問合せ先
消費・安全局農産安全管理課
担当者:安全企画班
代表:03-3502-8111(内線4521)
ダイヤルイン:03-3502-7569