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農林水産省

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農業用水及び河川水の有害微生物の汚染状況調査

作成日:平成29年4月7日

2.1.2. 生産環境

2.1.2.2. 農業用水及び河川水の有害微生物の汚染状況調査(平成22年度)

農業用水及びその水源の河川水の有害微生物による汚染状況を把握するために、国内7河川について、これらを水源とする農業用水路、農業用水の取水地点の上流側河川の計27地点で水試料を採取し、腸管出血性大腸菌(O157及びO26)、サルモネラ、リステリア・モノサイトジェネス及びカンピロバクターの調査を行いました。
その結果、腸管出血性大腸菌O157は検出されず、O26は0.2%、サルモネラは0.6%、リステリア・モノサイトジェネスは5%、カンピロバクターは2%検出されました。また、7河川のうち1河川からは、どの有害微生物も検出されませんでした。

 

(1) 目的

野菜の栽培に使われる農業用水及びその水源の河川水の有害微生物(腸管出血性大腸菌(O157及びO26)(3.1.1.)、サルモネラ(3.1.2.)、リステリア・モノサイトジェネス(3.1.3.)及びカンピロバクター(3.1.4.))及びふん便汚染の指標である大腸菌(3.2.1.)による汚染状況を把握する。


(2)  調査対象の水

野菜栽培に使われる農業用水及びその水源の河川水を対象としました。


(3) 試料採取

国内4地方の7河川(A~G)について、これらを水源とする農業用水路、農業用水の取水地点上流側の河川の計27地点において水試料を、平成22年4月~平成23年2月に、原則2週間に1回、合計474点を採取しました(表9)。

表9:各河川における採水地点数、試料点数及び採水時期
河川名 採水地点 試料点数 採水時期
地点数 内訳(数)
A   3 開水路(2)、用水の取水地点上流側の河川(1)   35 H22年4~11月  
B   2 開水路(1)、パイプライン蛇口(1)   23
C   6 開水路(5)、用水の取水地点上流側の河川(1)   94
D   5 パイプライン蛇口(4)、用水の取水地点上流側の河川(1)   92 H22年4月~H23年2月   
E   4 開水路(3)、用水の取水地点上流側の河川(1)   84
F   3 開水路(2)、用水の取水地点近傍の自噴水(1)   63
G   4 開水路(4)   83
27   474  
注: 農業用水路のうち、開水路については、開水路ごとに用水の取水地点からほ場までの間の原則1地点で採取、パイプラインについては、ほ場に設置されている蛇口から採取。


(4) 微生物試験

水試料について、腸管出血性大腸菌(O157及びO26)の定性試験(4.1.1.2.(2)(3))、サルモネラの定性試験(4.2.1.2.)、リステリア・モノサイトジェネスの定性試験(4.3.1.1.)、カンピロバクターの定性試験(4.4.1.1.)、ふん便汚染の指標である大腸菌の定量試験(4.1.2.2.)を行いました。なお、検出された菌について、以下のとおり性状を解析しました。

・ 腸管出血性大腸菌O157又はO26 
シガ毒素産生性大腸菌かどうかを判定するため、PCR法(4.1.3.1.)により、シガ毒素遺伝子(stx)の有無の確認を行うとともに、病原性に関わる遺伝子であるインチミン1 遺伝子(eae)やエンテロヘモリシン2 遺伝子(hlyA)の有無を確認しました。また、シガ毒素蛋白の産生の有無を逆受身ラテックス反応法(4.1.3.2.)により確認しました。

・ サルモネラ
O抗原とH抗原を調べて血清型を特定(4.2.2.1.)しました。

・ リステリア・モノサイトジェネス: 
血清型を特定(4.3.2.1.)しました。

・ カンピロバクター:
生化学的試験及びPCR法(4.4.2.1.)により菌種(Campylobacter jejuni, C.coli)を同定しました。

人の腸管粘膜への定着に関わる因子
溶血(赤血球の破壊)に関わる因子


(5) 結果

7河川の計27地点から採取された農業用水及び河川水の試料のうち、6河川17地点の水試料から、有害微生物が検出されました(表10)。全ての水試料から、腸管出血性大腸菌O157は検出されず、腸管出血性大腸菌O26は0.2%(1/474)、サルモネラは0.6%(3/474)、リステリア・モノサイトジェネスは5%(25/474)、カンピロバクターは2%(11/474)検出されました。
なお、これらの有害微生物は、農業用水及びその水源の河川水の両方の試料から検出されました。
また、ふん便汚染の指標である大腸菌は、81%(382/474)の水試料から検出されました。


表10:有害微生物及び大腸菌の河川別の検出状況
河川名 地点数 有害微生物が検出された地点数 試料点数 有害微生物の検出点数 大腸菌(指標菌)検出点数
腸管出血性大腸菌O26 サルモネラ リステリア・モノサイトジェネス カンピロバクター
A   3   3   35 0 0   3   4   31
B   2   2   23 0 0   2   0   20
C   6   5   94 0 1     9※2   2※2   84
D   5   2   92 0 0   1   1   54
E   4   2   84   1※1   1※1   3   3   79
F   3   3   63 0 1   7   1   38
G   4   0   83 0 0   0   0   76
27 17 474 1 3 25 11 382
分離菌の性状等    stx1eae, hlyA遺伝子保有、シガ毒素1型産生  血清型
S. Manhattan
S. Thompson
S. Enteritidis
血清型
01月02日a:14株
01月02日b:4株
4b:7株
 菌種 全てC.jejuni
※1 同じ試料(1点)から、腸管出血性大腸菌O26とサルモネラが検出された。
※2 同じ試料(1点)から、リステリア・モノサイトジェネスとカンピロバクターが検出された。

 

指導者・事業者の皆様へ

今回の調査では、野菜の栽培に使われる7河川計27地点の農業用水及び河川水のうち、6河川の17地点の水試料から、有害微生物が検出されました。また、ふん便汚染の指標菌である大腸菌は81%の水試料から検出されました。調査対象の河川数や地点数は限られており、これらの結果が、ただちに全国の農業用水の有害微生物等による汚染状況を示すものではありませんが、農業用水も有害微生物に汚染される可能性があることを示しています。
安全な野菜を生産するためには、日頃から栽培に使う水を管理することが必要です。有害微生物に汚染された可能性のある農業用水を使う場合には、収穫直前に野菜の可食部に直接かかるような使用を避けるなどの対策の検討が必要です。また、収穫時や収穫後に使う洗浄水は、水道水や、地域の保健所等が飲用にできると認めた水を使うことが望まれます。その他、栽培に使う水の管理について、衛生上の注意すべき点をまとめた野菜の衛生管理指針をご覧いただき、実践していただければ幸いです。

お問合せ先

消費・安全局農産安全管理課

担当者:安全企画班
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