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農林水産省

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食品中のクロロプロパノール類及びその関連物質の生成

更新日:2020年7月20日


食品の製造工程では、原料にもともと含まれる成分が化学反応を起こし、新たな物質ができることがあります。クロロプロパノール類もそのような物質のひとつであり、食品にもともと含まれている脂質と、塩素が化学反応を起こすことで生成します。

3-MCPD脂肪酸エステル類及びグリシドール脂肪酸エステル類

食用精製油脂の製造工程で、油脂と塩素から生成

  • 植物や動物から抽出した油脂には、色素などの不純物が含まれています。食品事業者は、油脂の色や風味を良くするため、精製により不純物を取り除きます。精製には、油脂を真空に近い条件で高温に加熱し、好ましくない匂いを除く工程(脱臭工程)があります。この脱臭工程で、油脂と塩素が化学反応を起こし、3-MCPD脂肪酸エステル類や、その関連物質であるグリシドール脂肪酸エステル類が生成することがわかっています。

    注 焙煎ごま油やオリーブ油には、独特の香りや風味を生かすため、搾油後、不純物や水分の除去にとどめている製品もあります。

その他

  • 食用精製油脂を使った加熱調理で、食品の種類によっては高温になることによってこれらの物質が生成する可能性があります。
  • コーデックス委員会は、精製油脂及び当該油脂を使用した製品中の3-MCPD脂肪酸エステル類及びグリシドール脂肪酸エステル類の濃度を低減し、安全性を向上させるための実施規範を策定しました。また、食品製造事業者の皆さんは自主的にこれら物質の低減に努めており、農林水産省はこれを支援しています。

3-MCPD及び1,3-DCP

酸加水分解植物性たんぱくの製造工程で、たんぱくに微量に含まれている脂質と塩酸の要素である塩素から生成

  • たんぱく質はたくさんのアミノ酸がつながってできています。たんぱく質を加水分解するとアミノ酸が遊離し、様々な味をつくることができます。たんぱく質の加水分解物は、様々な食品の原材料に使われています。
  • 酸加水分解植物性たんぱくの原料は、脱脂加工大豆、小麦グルテンなどの植物性のたんぱく質です。これらを塩酸で加水分解すると、植物性たんぱくに微量に含まれる脂質と、塩酸の構成成分である塩素が化学反応を起こし、3-MCPDや1,3-DCPが生成します。これらの物質の生成経路としては、グリセリンと塩酸が反応する経路、脂質と塩酸が反応して3-MCPD脂肪酸エステル類が生成し、これが加水分解する経路などが考えられています。
  • たんぱく質の加水分解物の製造方法には、酸を使う方法と、酵素を使う方法があります。塩酸以外の酸や酵素を使ってたんぱく質を加水分解しても、3-MCPDや1,3-DCPは生成しませんが、味やコストの面から、塩酸を使った方法が最も広く用いられています。このため、国際機関は、塩酸を用いた酸加水分解植物性たんぱくの製造工程でできる3-MCPDや1,3-DCP濃度を低減させ、安全性を向上させるための実施規範を策定しました。我が国はアルカリ処理と呼ばれる低減技術の情報を提供し、実施規範の策定に貢献しました。我が国の食品製造事業者の皆さんは、低減対策に取り組んでいます

    注 水素(H)と塩素(Cl)が結合した物質で、強い酸性を示します。

食塩と脂質の加熱

  • 食品の加熱工程で、食品に含まれている脂質と、食塩の構成要素である塩素が化学反応を起こし、3-MCPDが生成すると考えられています。これには、加熱温度と食品の水分濃度、食品の成分、添加物などが大きく影響するとされています。例えば、パン生地に酒石酸モノグリセリドなどの乳化剤を使用すると、パン中の3-MCPD濃度が高くなると報告されています。

その他

  • 耐水性の容器包装などの原料として使用されている化学物質が分解し、3-MCPDが生成する可能性も指摘されています。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課
担当:化学物質管理班
代表:03-3502-8111(内線4453)