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農林水産省

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クロロプロパノール類及びその関連物質とは

更新日:2019年3月28日

食品には、たんぱく質や脂質、炭水化物などの栄養成分が含まれています。健康な生活を送るためには、食品から必要な栄養を必要な量とることが大切です。

栄養成分の1つである脂質は、油脂やコレステロールなどを含んでいます。油脂は、脂肪酸とグリセリン(グリセロールともいいます。)という分子からできています。

脂肪酸は、炭素(C)の原子が直線的につながった分子で、その端に酸の性質を示すカルボキシル基(-COOH)と呼ばれる構造をもっています。脂肪酸には、炭素の数や結合の仕方などによって多くの種類が存在します。グリセリン

グリセリンは、3つの炭素がつながり、それぞれの炭素に水酸基(-OH)と呼ばれる構造をもっています(右図)。


グリセリンの水酸基と脂肪酸のカルボキシル基とが結合して油脂ができます。グリセリンに3個の脂肪酸がつながったものは「トリアシルグリセロール(またはトリグリセリド)」、2個つながったものは「ジアシルグリセロール(またはジグリセリド)」、1個つながったものは「モノアシルグリセロール(またはモノグリセリド)」と呼ばれます。

アシルグリセロール
食品の製造工程では、原料にもともと含まれる脂質と塩素が化学反応を起こし、新たな物質ができることがあります。クロロプロパノール類はその1つです。

食用精製油脂の製造工程では、油脂を高温で処理することにより、脂質と塩素が化学反応を起こし、3-MCPD脂肪酸エステル類やその関連物質であるグリシドール脂肪酸エステル類が生成します。
また、酸加水分解植物性たんぱくの製造工程では、原料である脱脂加工大豆や小麦グルテンにもともと微量に含まれる脂質と塩酸が化学反応を起こし、3-MCPDや1,3-DCPが生成します。
これらの物質の構造や生成経路などの詳細については、以下をご覧ください。
クロロプロパノール類及びその関連物質の種類と構造
食品中のクロロプロパノール類及びその関連物質の生成

実験動物を使った試験の結果、3-MCPDは腎臓への毒性、1,3-DCPは発がん性、3-MCPD脂肪酸エステルは体内で分解して3-MCPDができて腎臓への毒性を示すことがわかっています。農林水産省は食品事業者の皆さんと連携して、クロロプロパノール類の低減対策を推進しています。
これらの物質の健康影響や農林水産省の取組については、以下をご覧ください。
クロロプロパノール類及びその関連物質の健康影響
クロロプロパノール類及びその関連物質の低減に関する国内の取組

(参考)
クロロプロパノールは工業分野で、セルロース系材料の架橋材(高分子の物質同士をつなげるもの)、プラスチック・樹脂の溶剤、医薬品の原材料などとして使用されています。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当:化学物質管理班
代表:03-3502-8111(内線4453)