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農林水産省

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市販鶏卵のサルモネラ汚染状況調査

作成日:令和3年6月14日

 2.2.1.2. 流通

 2.2.1.2.2. 市販鶏卵の菌汚染状況調査(令和2年度)

全国の市販鶏卵のサルモネラ汚染状況を把握するために、1,870点の鶏卵(1点あたり鶏卵20個)を購入し、卵殻と卵内容に分けて、サルモネラの調査を行いました。卵殻については6点(0.3%)からサルモネラ(うち1点はSalmonella Enteritidis)が分離され、卵内容については1点(0.05%)からS. Enteritidisが分離されました。混合した20個の鶏卵のうち1個が汚染されていたと仮定すると、卵内容がS. Enteritidisに汚染された市販鶏卵の割合は0.0027%程度と試算されました。

(1) 目的

全国の市販鶏卵のサルモネラ汚染状況を把握する。

 

(2) 試料採取

全国を10ブロックに分け、採卵鶏飼養羽数(平成31年度畜産統計)に基づき配分された合計1,870点の検体を、小売店で購入しました。令和2年8月下旬~12月下旬までの4か月間、全国52の県庁所在地・政令指定都市小売店で、表示されている採卵者又は選別包装者住所がブロック内であるパック詰鶏卵を対象に購入しました。店頭ではランダムサンプリングにより採材しました。

 

(3) 微生物試験

同一ロットのパック詰め鶏卵20個を、卵殻と卵内容それぞれを混合して試料1点とし、全部で3,740点(卵殻1,870点、卵内容1,870点)を調査しました。

卵内容は撹拌混和した後、225mLを分取し、2Lの緩衝ペプトン水(BPW)と混合しました。卵殻は全量を粉砕し、BPW 540 mLと混合しました。それぞれを増菌培養した後、第三者認証を受けたリアルタイムPCR 法によるスクリーニング検査を行いました。陰性が否定できないものについて、菌分離し、分離されたサルモネラについては血清型を同定しました。

 

(4) 結果

卵殻については6点(0.3%)からサルモネラ(うち1点はSalmonella Enteritidis)が分離されました。卵内容については1点(0.05%)からS. Enteritidisが分離されました。

卵内容からS. Enteritidis が分離された1点について、混合した20個の鶏卵のうち何個がS. Enteritidisを含んでいたかは不明ですが、内閣府食品安全委員会の研究事業報告(平成22年)[外部リンク] のように1個が汚染されていたと仮定すると、卵内容がS. Enteritidisに汚染された市販鶏卵の割合は0.0027%程度と試算されました。

 

調査結果から、「農場から食卓まで」のフードチェーン全体での取組によって、内閣府食品安全委員会の研究事業報告(平成22年)[外部リンク]や平成19年度調査結果(2.2.1.2.1)と同様、市販鶏卵のサルモネラは低い水準で保たれていると考えられました。

厚生労働省の食中毒統計によると、鶏卵やその加工品を原因とするサルモネラ食中毒の年間届出数は平成27年以降、0-2件で推移しているものの、今後も引き続き、農場、GPセンター等での衛生管理や、流通段階での温度管理、実際の食中毒事例を教訓としつつ、割卵したのち液卵を放置しない、ひび割れ卵は十分加熱するといった飲食店や家庭等での予防策など、フードチェーンの各段階で適切に鶏卵を取り扱っていくことが重要です。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

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