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農林水産省

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更新日:平成27年11月26日

作成日:平成27年8月19日

市販鶏卵のサルモネラ汚染状況調査

 2.2.1.2. 流通

 2.2.1.2.1. 市販食品の菌汚染状況調査(平成19年度)

全国の市販鶏卵のサルモネラ汚染状況を把握するために、2,030パックの鶏卵を購入し、卵殻と卵内容に分けて、サルモネラの調査を行いました。その結果、卵内容からはサルモネラは分離されませんでした。卵殻については、5パック(0.2%)からサルモネラが分離され、そのうち2パック(0.1%)からSalmonella Enteritidisが分離されました。

(1) 目的

全国の市販鶏卵のサルモネラ汚染状況を把握する。

 

(2) 試料採取

全国を8ブロック(北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国、九州)に分け、各ブロックの人口比率に応じて購入する数を決めました。平成19年8月~平成20年1月に、小売店220か所から、原則として鶏卵10個入りのパックを計2,030パック購入しました。10個入りのパックがない場合には、10個以上入りのパックを1パック、又は、銘柄と包装日が同じ10個以下入りパックを複数購入しました。

 

(3) 微生物試験

鶏卵パックごとに卵殻と卵内容に分けて、それぞれ鶏卵10個分を試料1点とし、サルモネラの定性試験(3.2.1.7(1) )を行いました。分離されたサルモネラについては、O抗原とH抗原を調べて血清型を特定(3.2.3.1 )しました。

 

(4) 結果

卵内容からはサルモネラが分離されませんでした。卵殻からは5点の試料(0.2%)からサルモネラが分離され、そのうち、2点の試料(0.1%)からサルモネラ食中毒の原因として一番多い血清型であるSalmonella Enteritidisが分離されました(表13)。

今回の調査で分離された4つの血清型(S. Enteritidis、S. Derby、S. Livingstone、S. Cerro)は、採卵鶏農場の菌保有状況調査(2.2.1.1.1)でも分離されていました。

表13:卵殻から分離されたサルモネラの血清型

サルモネラ陽性の卵殻試料 血清型
A S. Derby
B S. Enteritidis
C S. Livingstone
D S. Enteritidis
E S. Derby、S. Cerro

 

卵殻からサルモネラが分離された5パックの鶏卵を出荷したGPセンター(卵選別包装施設)では、いずれも、パック詰めの前に鶏卵温度より5℃以上高い水で洗浄していました。

 

指導者・事業者の皆様へ

2,030パックの鶏卵を調査した結果、卵内容からはサルモネラは分離されませんでしたが、卵殻は5パック(0.2%)からサルモネラが分離されました。したがって、GPセンターにおける工程で卵殻にいる菌を完全に除去できなかった、又は洗浄後の不適切な取扱いによって卵殻が汚染されたと推測されました。また、卵殻のみがサルモネラに汚染されていたとしても、菌が卵殻を通過して卵の中に侵入する可能性があるため、鶏卵の流通・保管中は急激な温度変化を避け、卵を低温に保つことが必要です。また、卵殻が卵内容に混ざらないよう注意することも重要です。

厚生労働省の食中毒統計によると、近年、国内で年間100件程度、患者数は400~3,000人程度のサルモネラ食中毒の届出(全ての食品による事例)があります。鶏卵を原因とするサルモネラ食中毒の届出数は減っていますが、引き続き、鶏卵や卵製品を使用した食品を原因とした発生にも十分注意を払う必要があります。

厚生労働省は、GPセンター(卵選別包装施設)における衛生管理(外部リンク)や、液卵の衛生対策(外部リンク、PDF:132KB)などを推進しています。関連法令や通知(検索画面へ)(外部リンク)等を参照してください。

 

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お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課
担当者:危害要因情報班
代表:03-3502-8111(内線4457)
ダイヤルイン:03-6744-0490
FAX:03-3597-0329