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農林水産省

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家畜用飼料の暫定許容値設定に関するQ&A

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担当:消費・安全局畜水産安全管理課

このQ&Aは、現場からの質問や今後の検討に合わせて、随時更新します。

1 今回の見直し関係

Q.1  どうして家畜用飼料について暫定許容値を見直したのですか。

  1.  原子力発電所の事故後、国や県等は飼料や食品について放射性セシウムのモニタリング調査や、飼料から肉・乳・卵への放射性セシウムの移行に関する試験を実施するなどデータを収集・蓄積してきました。
  2. 今般、厚生労働省が、平成24年4月を目途に食品中の放射性セシウムの暫定規制値を見直すこととして、新しい基準値を示しました。
  3. 併せて、生産される肉・乳・卵が食品の新基準値を超えないようにするため、農林水産省は、これまで収集・蓄積したデータを活用し、家畜用飼料の暫定許容値を見直すこととしました(見直しの過程についてはQ.3をご覧ください。)。
  4. 特に牛については、
    (1) 主たる飼料である粗飼料(牧草)中の放射性セシウム濃度が高い地域があること
    (2) ごく一部ではあるが、放射性セシウム濃度が食品の新基準値(100ベクレル/kg)を上回る牛肉が見つかっており、できるだけ早くから放射性セシウム濃度の低い粗飼料を与えることが望ましいこと
    から、輸入牧草などこれまでより低い放射性セシウム濃度の粗飼料に早めに切り替え、牛乳や牛肉中の放射性セシウム濃度を下げる必要があります。
  5. これらのことから、牛用飼料については、他の家畜用飼料に先行して、新たな暫定許容値を設定しました。 

Q.2  家畜用飼料の暫定許容値について、今後も見直す予定はありますか。

  1. 今般、4月から施行される食品の新たな基準値に対応するため、家畜用飼料の新たな暫定許容値について設定しました。
  2. 今後も引き続きデータを収集し、必要があれば見直しを検討します。    

Q.3  今回どのようにして家畜用飼料の新たな暫定許容値を決めたのですか。

 今回見直した家畜用飼料の暫定許容値は、現時点で得られている科学的知見に基づき、畜産物の新基準値、一日あたりの飼料の給与量及び移行係数(注1)から、畜産物の新基準値を守れるように、以下の式を使って算出しました。 


畜産物中の放射性セシウム新基準値(ベクレル/kg)
飼料給与量(kg/日) × 移行係数(日/kg)

= 飼料中の放射性セシウム暫定許容値(ベクレル/kg) 

(注1)毎日同じ「量」(ベクレル/日)の放射性セシウムを含む飼料を家畜が摂取した場合に、畜産物中の放射性セシウムの「濃度」(ベクレル/kg)がどのくらいになるかを表す係数(日/kg)。

なお、肉用鶏については、成長に伴い、飼料給与量や体重が急速に増加し、その結果として移行係数が小さくなっていきます。そこで、家きん用飼料の暫定許容値は、畜産物の新基準値、濃度比(注2)から、畜産物の新基準値を守れるように、以下の式を使って算出しました。


畜産物中の放射性セシウム新基準値(ベクレル/kg)
飼料中の放射性セシウム濃度(乾物)(ベクレル/kg)

= 濃度比 

(注2)毎日同じ「濃度(乾物)」(ベクレル/kg)の放射性セシウムを含む飼料を家畜が摂取した場合に、畜産物中の放射性セシウムの「濃度」(ベクレル/kg)がどのくらいになるかを表す比率。

 

畜産物の放射性セシウム新基準値

乳    50ベクレル/kg
肉  100ベクレル/kg

 

〈牛〉

飼料給与量(粗飼料+濃厚飼料給与の合計量)

乳牛   64 kg/日(実重量)

肉牛   21 kg/日(実重量)

移行係数

乳       4.6×10-3 日/kg(IAEAのとりまとめの平均値)

肉       3.8×10-2 日/kg(移行試験から求めた係数の最大値(注3))

(注3)筋肉への係数の最大値を採用。ただし、腎臓は筋肉より移行が大きい場合があるので注意が必要。

(1)乳用牛飼料中に許容される放射性セシウム濃度

50ベクレル/kg ÷(64 kg/日 ×4.6 ×10-3 日/kg) = 170ベクレル/kg ≒ 100ベクレル/kg

(2)肉用牛飼料中に許容される放射性セシウム濃度
100ベクレル/kg ÷(21 kg/日 × 3.8×10-2 日/kg) = 125ベクレル/kg ≒ 100ベクレル/kg

 

〈豚〉

飼料給与量   3.2 kg/日(実重量)

移行係数    0.37 日/kg(移行試験から求めた係数の最大値)

豚用飼料中に許容される放射性セシウム濃度

100ベクレル/kg ÷(3.2 kg/日 × 0.37 日/kg) = 84ベクレル/kg ≒ 80ベクレル/kg

 

〈鶏〉

(肉用鶏)

肉の濃度比   0.55(移行試験から求めた比率の最大値)

肉用鶏飼料中に許容される放射性セシウム濃度

100ベクレル/kg ÷ 0.55 = 182ベクレル/kg(乾物)

182ベクレル/kg(乾物)× 0.88(水分12%) = 160ベクレル/kg

(採卵鶏(廃用))

飼料給与量   0.11 kg/日(実重量)

肉の移行係数   5.0日/kg(移行試験から求めた係数の最大値)

採卵鶏用飼料中に許容される放射性セシウム濃度

100ベクレル/kg÷0.11 kg/日 × 5.0 日/kg) = 182ベクレル/k ≒ 160ベクレル/kg

なお、卵の移行係数は肉の10分の1程度です。

Q.4  育成牛・繁殖牛・種雄牛用の飼料の暫定許容値について、何か変更されましたか。

  1. 育成牛・繁殖牛・種雄牛用の飼料については、そのまま食用に出荷しないことを前提に、生産者が自ら生産する粗飼料、又は単一もしくは近隣の複数の市町村内で耕畜連携の取り組みにより生産した粗飼料であれば、飼料の暫定許容値(300ベクレル/kg)の例外として、許容限度は3000ベクレル/kgとしていました。
  2. これらの牛では、そのまま肉用として出荷すると牛肉の暫定規制値を超える可能性がありますので、これまで県から注意喚起や指導が行われていました。
  3. しかしながら、これらの牛がと畜出荷され、牛肉の暫定規制値を超える事例が見られましたので、これまでのような例外を設けず、見直し後の暫定許容値100ベクレル/kgを適用することとしました。
  4. このため、育成牛や繁殖牛等の放牧利用が制限される地域が生じますが、円滑な代替粗飼料の確保や放牧地の再開に向けた草地の除染などの各種対策を講じ、飼養管理が円滑に移行できるようにします。詳しくは、県にお問い合わせください。 

Q.5  肥育牛に給与する粗飼料について、今から300ベクレル/kgから100ベクレル/kgのものに切り替えれば、4月1日からすぐに牛肉の新基準値を下回りますか。

  1. これまでは、食品の暫定規制値500ベクレル/kgを上回るような牛肉が生産されないように牛用飼料の暫定許容値を300ベクレル/kgとしていました。
  2. したがって、これまで300ベクレル/kg近くの粗飼料を給与していた肥育牛では、牛肉中に食品の新基準値100ベクレル/kgを超える放射性セシウムが残留している可能性があり、今からすぐに100ベクレル/kgの粗飼料に切り替えたとしても、4月1日以降しばらくの間は食品の新基準値を超える可能性があります。
  3. 牛肉の新基準値については、厚生労働省が10月1日から適用するとしておりますが、できる限り早く牛肉中の放射性セシウム濃度を下げることが望ましいので、このような牛については、出荷時期を考慮し、放射性セシウム濃度の極めて低い粗飼料を十分な期間給与するなど計画的な飼養管理を行ってください。
  4. また、このような牛を出荷する場合には、出荷の可否などについて県と十分相談してください。

Q.6  肥育の途中でと畜出荷する場合、100ベクレル/kgの飼料を給与されていれば、牛肉の新基準値を守れますか。

  1. これまでも新たな暫定許容値100ベクレル/kgを下回る粗飼料を給与していたのであれば、肥育の途中でと畜出荷しても、牛肉の新基準値を守れます。
  2. ただし、これまで100ベクレル/kgを上回る粗飼料を給与していた牛では、牛肉中に食品の新基準値100ベクレル/kgを超える放射性セシウムが残留している可能性があり、今から直ぐに100ベクレル/kgを下回る粗飼料に切り替えたとしても、4月1日以降しばらくの間は食品の新基準値を超える可能性があります。
  3. 牛肉の新基準値については、厚生労働省が10月1日から適用するとしておりますが、できる限り早く牛肉中の放射性セシウム濃度を下げることが望ましいので、このような牛については、出荷時期を考慮し、放射性セシウム濃度の極めて低い粗飼料を十分な期間給与するなど計画的な飼養管理を行ってください。
  4. また、このような牛を出荷する場合には、出荷の可否などについて県と十分相談してください。 

Q.7  乳用牛に給与する粗飼料について、今から300ベクレル/kgから100ベクレル/kgのものに切り替えれば、4月1日からすぐに牛肉の新基準値を下回りますか。

  1.  乳用牛に給与される飼料の暫定許容値は、食品の基準値を超えない生乳が生産されるように設定されています。
  2. このため、これまで300ベクレル/kg近くの飼料を給与していた乳用牛では、食品の新基準値100ベクレル/kgを超える放射性セシウムが牛肉中に残留している可能性があります。
  3. したがって、これらの牛が搾乳を終えた後にそのまま肉用として出荷を予定している場合は、食品の新基準値を超えない牛肉が生産できるよう、出荷時期を考慮し、放射性セシウム濃度の極めて低い粗飼料を十分な期間給与するなど計画的な飼養管理を行ってください。また、飼い直し肥育を行う業者に譲渡する場合は、同様の飼養管理を行うよう伝えてください。
  4. このような牛を出荷する場合には、出荷の可否などについて県と十分相談してください。

Q.8  乳用廃用牛をと畜出荷する場合、100ベクレル/kgの飼料を給与されていれば、牛肉の新基準値を守れますか。

  1. 乳用牛に給与される飼料の暫定許容値は、食品の基準値を超えない生乳が生産されるように設定されています。
  2. このため、これまで100ベクレル/kg近くの飼料を給与していた乳用牛では、食品の新基準値100ベクレル/kgを超える放射性セシウムが牛肉中に残留している可能性があります。
  3. したがって、これらの牛が搾乳を終えた後にそのまま肉用として出荷を予定している場合は、食品の新基準値を超えない牛肉を生産できるよう、肉用出荷の3ヶ月以上前から放射性セシウム濃度の極めて低い粗飼料を十分な期間給与するなど計画的な飼養管理を行ってください。また、飼い直し肥育を行う業者に譲渡する場合は、同様の飼養管理を行うよう伝えてください。
  4. このような牛を出荷する場合には、出荷の可否などについて県と十分相談してください。 

2  総括編 

Q.9  飼料の放射性セシウムの暫定許容値とは何ですか。

  1. 飼料の放射性セシウムの暫定許容値は、食品衛生法に基づく新基準値を超えない肉・乳・卵・水産物を生産するために、どのような飼料を給与すれば良いのかを判断する目安です。
  2. この目安は、食品の新基準値、飼料の給与量及び移行係数等を活用して算出しました。
  3. このため、仮に飼料が暫定許容値を下回っていたとしても、水、土壌、空気、野草等様々なものから家畜が放射性セシウムを摂取すると、生産される畜産物が食品の基準値を超える可能性がありますので、注意が必要です。
  4. なお、このような状況から、飼料の許容値は牛、馬、豚(いのしし、いのぶたを含む)、家きん(にわとり、うずら)及び養殖魚に給与する飼料の暫定的な目安とし、法に基づく基準・規格とはしていません。

Q.10 暫定許容値が適用される飼料は何ですか。

 暫定許容値は、牛、馬、豚(いのしし、いのぶたを含む)、家きん(にわとり、うずら)及び養殖魚が摂取する飼料そのものに適用されます。
なお、配合飼料等の原料でも、単体でそのまま給与する場合は適用されます。 

Q.11 暫定許容値が適用されるのはどのような飼料ですか。

 暫定許容値は、牛、馬、豚(いのしし、いのぶたを含む)、家きん(にわとり、うずら)及び養殖魚用の飼料に適用されます。

Q.12 愛がん用動物用飼料に暫定許容値は適用されるのですか。

  1.  食品の新基準値を超えない乳・肉・卵・水産物を生産するために、どのような飼料を給与すれば良いのかを判断する目安として、飼料の放射性セシウムの暫定許容値を設定しました。
  2. したがって、食品として利用しない愛がん動物に給与される飼料は、暫定許容値の対象となりません。

Q.13 具体的な見直し後の暫定許容値を教えてください。

 具体的な暫定許容値は以下の表のとおりです。

牛、馬用飼料

100ベクレル/kg

豚用飼料

80ベクレル/kg

家きん用飼料

160ベクレル/kg

養殖魚用飼料

40ベクレル/kg

(製品重量(注4)、ただし粗飼料は水分含有量8割ベース)

(注4)製品重量とは、配合飼料等家畜に給与される製品段階の重量です。

Q.14 飼料の暫定許容値を守れば、乳・肉・卵の暫定規制値を守れますか。家畜を飼養する場合、何に注意すればいいですか。

  1. 暫定許容値は、食品の基準値を超えない畜産物を生産するために、どのような飼料を給与すれば良いのかを判断する目安として定めています。
  2. 家畜は水や空気、土壌(粗飼料に付着する土を含む)、敷料、野草あるいは屋外に放置された飼料等、様々なものから放射性セシウムを摂取する可能性があります。
  3. このため、暫定許容値を超えない飼料や放牧地を利用するのはもちろんのこと、水や土等からの放射性セシウムの摂取をできるだけ抑えるように、飼料の保管、家畜の飲用水や飼育場所等にも注意してください。

Q.15 めん羊・山羊・鹿を飼養する場合、何に注意すればいいですか。

  1.  めん羊・山羊・鹿については、牛と比較して、
     (1) 放射性物質が飼料から体内に移行する割合が大きいので、牛と同じ飼料を与えると、生産される乳や肉が牛の乳や肉に比べてより高い濃度の放射性セシウムを含むようになること
     (2) 放牧した場合は、牛に比べて、放牧時に牧草の根に近い部分まで採食するため、土に含まれる放射性物質の影響を受けやすいこと
    から、牛に給与される飼料と同じような放射性セシウム濃度の飼料を給与すると、乳肉中の放射性セシウムのレベルが高くなり、食品の暫定規制値を超過する可能性が高くなります。
  2. このため、東北や関東で飼養されているこれらの家畜については、当面放牧をやめて、輸入飼料等の放射性セシウム濃度が可能な限り低い飼料のみを給与してください(放牧の可否については県へご相談ください。)。
  3. なお、牛等の家畜と同様、飼料のみならず、水や土等からの放射性物質の摂取をできるだけ抑えるような飼養管理を行ってください。 

(参考)放射性セシウムの飼料から畜産物への移行係数(最大値) 

 

1.3

0.32

山羊

1.9

0.33

鹿

2.8(1試験のみ)

 同じ放射性セシウム濃度の飼料を与えた場合、移行係数の数値が大きい方が、乳や肉中の放射性セシウムのレベルが高くなります。

Q.16  飼料が暫定許容値を下回っていることは、どのようにしたら分かりますか。

  1.  粗飼料については、どの時期に、どの地域で、どのように生産されたものか確認し、放射性セシウムの状況については県にお問い合わせください。
  2. 配合飼料については、適切に製造管理された飼料であることを飼料販売業者に確認することで把握できます。(詳細については、問20~22をご覧ください。)
  3. 詳しくは、各事業者ごとにまとめたリーフレットをご覧ください。

上記の確認ができれば、必ずしも飼料を分析する必要はありませんが、分析機関をお探しの方は、農林水産省のホームページ「輸出食品等に対する放射性物質に関する検査の実施機関について」(https://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/kensa_kikan.html )の国内検査機関一覧をご参照ください。

Q.17 家畜に与えて良い飼料とはどんな飼料ですか。

  1. 例えば、以下の(1)~(5)の飼料を給与してください。
    (1) 原発事故前から、屋内に保管したり、飼料タンクやラップ等で密閉保管したりするなど粉じん等がかからないように管理されていた飼料
    (2) 県が利用可能としている地域の牧草、飼料作物、農作物の副産物(稲わら等)
    (3) 県が利用可能としている地域での放牧(放牧草)
    (4) 北海道や西日本などで生産された牧草、飼料作物、農作物の副産物(稲わら等)や輸入飼料等
    (5) 適切に製造・管理された配合飼料及び混合飼料
    詳細は県にお問い合わせください。
  2. なお、畜産農家が自家配合する場合には、配合された飼料が暫定許容値を超えないように、使用する国産単味飼料等の放射性セシウムの状況を確認してください。

Q.18 家畜に与えてはいけない飼料とはどんな飼料ですか。

例えば、以下の1、2の飼料は給与しないでください。

  1. 原発事故後、屋外に放置されるなど放射性セシウムに汚染されているおそれのある飼料や農作物の副産物(稲わら等)
  2. 放射性セシウムに暫定許容値を超えて汚染された飼料や敷料等と分別されていない飼料

Q.19 TMRセンター等が、飼料を配合する場合の飼料原料(飼料用米を含む)には、暫定許容値が適用されますか。

  1.  暫定許容値は、家畜が摂取する飼料そのものに適用されます。
  2. TMRセンター等が飼料を配合する場合、家畜が摂取する段階の飼料中の放射性セシウム濃度が暫定許容値を下回るような、正確な配合割合の設定や適切な工程管理をすることが難しい場合がありますが、放射性セシウム濃度が暫定許容値を下回る飼料原料を利用すれば、家畜が摂取する段階の飼料中の放射性セシウム濃度が暫定許容値を超えることはありません。
  3. なお、利用する飼料原料が暫定許容値を下回っているかどうかは、
    (1) 国産飼料原料(平成23年以降産)を使用する場合は、国や県等が行うモニタリングデータ等も活用して確認しましょう。
    (2) 輸入された原料やこれらの原料を加工したものは、放射性物質に汚染されないよう、適切に保管・管理されていたことを確認しましょう。

3  配合飼料関係

Q.20 配合飼料は、原子力発電所事故の影響のない輸入原料が主体ですが、暫定許容値を設定したのはなぜですか。

  1.  国内で流通している配合飼料は、輸入された原料やこれらの原料を加工したものを主体として製造されていることから、適切に管理されている限り、放射性物質に曝される可能性はほとんどありません。
  2. しかしながら、平成23年以降国内で生産される米ぬかやふすま等の飼料原料が、配合飼料の原料として利用されることから、これらの原料を使用する場合の品質管理の指標として飼料の放射性セシウムの暫定許容値を設定しています。

Q.21 これまで製造されている配合飼料はどのように取扱えばよいですか。

  1.  FAMICや民間団体によるモニタリングは、これまでに国内で流通している配合飼料や飼料原料中の放射性セシウム濃度が極めて低いことを示しています。また、最近のモニタリングでは、主として配合飼料が給与される豚や鶏、養殖魚などに由来する畜水産物は食品の新基準値を超える事例はありません。
  2. このため、保管や輸送の際に適切に管理されている限り、放射性物質に曝されている可能性はほとんどないと思われます。これらの飼料を輸送したり保管したりする場合には、飼料が放射性物質に汚染されることのないよう、引き続き注意してください。

Q.22 飼料製造業者は、製造した配合飼料が暫定許容値を超えていないことを、どのように確認したら良いのですか。

  1.  国内で流通している配合飼料は、輸入された原料やこれらの原料を加工したものを主体として製造されており、放射性物質に曝されている可能性はほとんどありません。
  2. 暫定許容値は、平成23年以降国内で生産される米ぬかやふすま等の飼料原料が、配合飼料等の原料として利用されることから、これらの原料を使用する場合の品質管理の目安として設定したものです。
  3. このため、配合飼料の製造・販売業者の方々は、工程管理上の確認を行っていれば、必ずしも分析を行う必要はありません。放射性セシウムの含有状況については、次のように確認してださい。
    (1) 国産飼料原料(平成23年以降産)を使用する配合飼料等については、国、県等が行う国産飼料原料のモニタリングデータ等も活用し、当該国産飼料原料の放射性セシウムの含有状況を確認し、放射性セシウムの暫定許容値を下回るように適切に管理してください。
    (2) 輸入された原料やこれらの原料を加工したものから製造された配合飼料は、当該原料等が放射性物質に汚染されないように、引き続き適切に保管・管理を実施してください。 

Q.23 現在、漁業副産物(カキ殻、魚粉、海藻など)を飼料に活用しているが、ALPS処理水が海洋放出された場合も飼料として問題ないですか。

ALPS処理水に係る消費者庁の見解によれば、「「ALPS処理水」については、トリチウムを含む放射性物質の規制基準値を大幅に下回るまで希釈して海洋放出されるので、水産物については、現在と同様、安全性が確保されることとなります」とされています。
なお、「食物連鎖との関連で、トリチウムが特定の生物に濃縮されることもありません」とされております。
したがって、従前から活用されている水産物の残渣等(漁業副産物)に由来する飼料の原料・製品についても、現在と同様の安全性が確保されるものと認識しております。
今後とも、情報収集を行い、科学的知見に基づく対応を進めてまいります。

東電福島第一原発におけるALPS処理水の海洋放出と日本の食品の安全性について(消費者庁HP)
https://www.caa.go.jp/about_us/minister/kono2_message_003/(外部リンク)

お問合せ先

消費・安全局畜水産安全管理課粗飼料対策班
 代表:03-3502-8111(内線4537)
 ダイヤルイン:03-3502-8275