第9回ジャガイモシロシストセンチュウ対策検討会議の概要(令和2年1月17日開催)
1 北海道網走市及び大空町における対策
(1)令和元年度の防除令和元年度は、昨年度末の時点でジャガイモシロストセンチュウが検出限界以下となっていなかった78 ほ場を対象として、土壌くん蒸17ほ場61ha、対抗植物植栽を59ほ場 238 ha、非寄主植物栽培を9ほ場40haで実施(ほ場ごとの重複あり)。
(2)令和元年度の調査結果(1月16日時点)
現在、植物防疫所が防除区域内の全ほ場を対象に調査を実施しているところ。その結果、
ア 昨年度末の時点で本線虫が検出限界以下となっていなかった 78 ほ場について、13 ほ場で本線虫が検出される一方、50 ほ場で本線虫が検出限界以下となっていることを確認(15 ほ場は検定継続中)。
イ これまで本線虫が確認されていなかったほ場のうち 53 ほ場で本線虫を新たに検出。
ウ 網走市北浜及び丸万並びに大空町東藻琴西倉の3大字では、本線虫が検出されなかった。
(3)令和2年度以降の対策
ア 防除区域内における対策
従来どおり、
(ア)寄主植物の作付禁止(確認ほ場のみ)
(イ)移動制限
を行う。
また、本線虫が確認されたほ場では、対抗植物を基本とした防除を実施することとし、3年間の輪作体系に対抗植物の植栽を組み込む防除を最大2回転実施する。
イ 防除期間の延長
輪作を2回転するためには、6年間が必要となるため、緊急防除を実施する期間を6年間延長(令和8年3月31日まで)する。
ウ 防除区域の除外
今年度の調査で本線虫が検出されなかった3大字(網走市北浜及び丸万並びに大空町東藻琴西倉)を防除区域から除外。また、全てのほ場が検出限界以下となった大字については、順次防除区域から除外する。
なお、本年度に実施した調査結果を踏まえると、防除区域をほ場単位に見直すことは難しいものの、本線虫の発生状況、地理的条件(河川等)等の地域の状況を踏まえて、防除区域を分割することが可能か検討する。
エ 防除区域及び防除区域から除外された区域における防除指導
北海道、市町村及び農業者団体が連携しながら、農機具の洗浄、輪作、野良生え処理等を徹底する。また、本線虫の抵抗性品種について、本線虫が検出限界以下となったほ場及びこれまで本線虫が検出されたことのないほ場において、その供給状況を踏まえつつ、栽培を指導する。
オ 検出限界以下となったほ場での取組
(ア)生産者に対して抵抗性品種の栽培や輪作等の徹底を指導するとともに、輪作体系の中でばれいしょを栽培しながら土壌検診(フォローアップ調査)を実施し、本線虫が再発しないことを確認する。
(イ)フォローアップ調査の期間中に、当該ほ場からばれいしょやてんさい等を出荷する場合には、植物防疫官が土壌の分散防止措置がとられていることを確認する。
(ウ)フォローアップ調査が終了したほ場については、これまで本線虫が確認されたことのないほ場と同様の扱いとする(種馬鈴しょを除く)。
2 北海道斜里町における対策
(1)令和元年度の対応ア 令和元年8月、斜里町の一部地域において本線虫の発生が確認されたことから、当該地域において、
(ア)農業機械等の洗浄等による土壌分散防止措置の徹底、
(イ)植物防疫官による移動検査、
などにより、本線虫のまん延防止対策を講じてきたところ。
イ 現在、本線虫が確認された斜里町に加え、周辺の清里町及び小清水町において発生範囲を特定するための調査を実施中。
(2)令和2年度以降の対策
ア 防除区域の追加
現在実施中の調査で本線虫が確認された大字を防除区域に追加。
イ 防除区域内での対策
1(3)のア・エ・オと同様の対策を実施。
(3)発生要因調査
斜里町で確認された本線虫の遺伝子解析の結果、南米が起源で、現在、欧州、米国等で発生しているものと遺伝的に近い関係にあり、網走市で確認された本線虫と同一系統であることを確認。
ただし、現時点においては、網走市と斜里町との関係性、どこの国からどのように侵入したかは不明であり、さらに情報を収集することが必要とされた。
添付資料
議事概要(PDF : 148KB)お問合せ先
消費・安全局植物防疫課
担当者:国内防除第1班
代表:03-3502-8111(内線4564)
ダイヤルイン:03-3502-5976