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農林水産省

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第11回ジャガイモシロシストセンチュウ対策検討会議の概要(令和3年2月19日開催)

1 令和2年度の防除実績

令和元年度までの調査でジャガイモシロシストセンチュウが確認されたほ場のうち、65ほ場197haで対抗植物による防除を実施。

2 令和2年度の調査結果

(1)発生範囲特定調査
ア 春季調査(斜里町及び清里町)
令和元年度に新たに本線虫が確認された5大字の全てのほ場(1,359ほ場3,579ha)を対象に調査を実施し、35ほ場112haで本線虫を確認。
イ 秋季調査(斜里町、清里町及び小清水町)
本線虫が検出されたほ場の所有者が防除区域外に所有するほ場(112ほ場316ha)を対象に調査を実施し、斜里町の2大字6ほ場12haで本線虫を確認。
ウ 今後の調査について
来年度春季に、今年度の秋季調査で新たに本線虫が確認された2大字の全てのほ場を対象とした調査を実施。なお、斜里町周辺における発生範囲については、これまでの調査で特定されたと考えられることから、来年度春季の調査結果を踏まえ、極端な発生傾向が見られなければ、発生範囲特定調査を終了する。

(2)防除効果確認調査
本年度、ほ場全面で防除を実施した58ほ場において防除効果を確認するための調査を実施し、36ほ場で検出限界以下となっていることを確認。防除区域に指定されている網走市鱒浦地区においては、全てのほ場で本線虫の密度が検出限界以下となったことが確認された。

(3)検出限界以下ほ場における調査
昨年度までに本線虫が検出限界以下となった網走市のほ場のうち、本年度に本線虫の感受性品種を栽培した6ほ場で調査を実施したところ、防除区域内の2ほ場16haで本線虫が再確認された。

(4)本線虫の発生状況(令和3年2月時点)
現在、本線虫が確認されているほ場は3市町16大字124ほ場468ha。

3 今後の対策について

(1)防除区域の追加及び除外
ア 防除区域の追加
本年度の調査で新たに本線虫が確認された2大字を防除区域に追加。
イ 防除区域の除外
1)本年度の調査で全てのほ場で本線虫の密度が検出限界以下となったことが確認された網走市鱒浦地区を防除区域から除外。
2)これまでに悉皆調査が終了した斜里町及び清里町の防除区域(6大字)について、大字内の発生状況や地理的条件等を踏まえて、その一部を防除区域から除外。

(2)防除指導の内容について
ア 北海道庁及び市町村は、本線虫のまん延を防止するため、農業者団体と連携しつつ、緊急防除期間中(~令和7年度)には、以下の取組を中心にまん延防止対策を実施するよう生産者に指導すること。
1)本線虫が確認されているほ場
野良生えの処理に取り組むことにより本線虫の密度増加を防ぐとともに、農機具の洗浄等により当該ほ場からの土壌の移動を防ぐこと。
2)本線虫が検出限界以下となったほ場
本線虫を検出限界以下に維持し、そのまん延を防止するため、馬鈴しょを栽培する場合には、本線虫の抵抗性品種の作付け、野良生え処理及び輪作に取り組むこと。令和3年度以降は本線虫の抵抗性品種の作付けが本格的に可能となることから、本線虫の再発を防ぐため、感受性品種の作付けは避けること。
3)これまで本線虫が確認されたことのないほ場
防除区域及びその周辺の地域においては、本線虫が検出されないように、野良生え処理及び輪作を徹底すること。なお、馬鈴しょを栽培する場合には、本線虫の抵抗性品種の種馬鈴しょが確保できるようになった段階で、積極的に抵抗性品種を導入するよう努めること(令和6~7年度以降)。
イ 北海道庁及び市町村は、農業者団体と連携しつつ、本線虫が検出限界以下となったほ場及びこれまで本線虫が確認されたことのないほ場では、緊急防除終了後もア2)及び3)と同様の指導を実施することが望ましい。
ウ 北海道庁及び市町村は、上記の取組を実施できるだけの抵抗性品種の種馬鈴しょを十分に確保するため、計画的に種馬鈴しょの増殖を進めるよう農業者団体に指導すること。
エ 北海道庁は、令和3年度から本格的に現場に導入される本線虫の抵抗性品種であるフリアについて、安定的な生産を図るため、これまでの知見を踏まえて技術指導を行うこと。

4 発生要因調査

令和元年度に新たに斜里町及び清里町で確認された本線虫の発生要因について、生産者等への聞き取り調査を実施したものの、その特定には至らず、網走市での発生との関連性は確認されなかった。

添付資料

議事概要(PDF : 139KB)

お問合せ先

消費・安全局植物防疫課

担当者:国内防除第1班
代表:03-3502-8111(内線4564)
ダイヤルイン:03-3502-5976